雨宮先生雨宮先生

自己破産の目的は、破産者が借金をゼロにして今後も人並みの生活していけるようにすることと、破産者の財産を債権者へ公平に分けることです。

自己破産を行う目的とは

自己破産の目的と現状

自己破産を行う目的は、借金の返済に追われる生活から解放させて、社会的に新たなスタートを送ってもらうことです。

そして、残っている財産を債権者に均等に分配して、免責を与えて借金をゼロにします。

借金が増え続ける仕組み

日本の社会では一般的に「借りたものは返す」という考えが浸透していますが、借金の返済が不能な状態になると、全てが悪循環になってしまいます。

悪循環の原因になっているものが”金利と利子”です。
ふつうは金融機関からお金を借りれば、年に15%~20%金利が付いているので、借りたお金に利子を付けて返済する必要があります。

借金が返せなくなりはじめると、他の金融機関からお金を借りて、そのお金をまた他の金融機関の返済にあてます。
ですがこれだと、借りたお金の合計額は増えていることになりますから、そのぶん払わなければいけない利子が増えていきます。

利子が増えると返さなければいけないお金がどんどん増えていきます。借金を返すために借金をして、利子が膨れ上がる繰り返しで、この循環は終わることがありません。

多重債務者がよく陥る、借金の悪循環ができあがってしまいます。

借金が増える悪循環の仕組み図

自己破産は悪循環を断ち切る制度

借金の返済に追われる状態が続いていると、消費者金融(サラ金)に手を出してしまいキツイ取立てに怯えたり、生活費に困り食費を切り詰めて不健康になってしまいます。

そのままの生活を続けていると、精神的ストレスから鬱になり仕事に行く気力を無くしてしまう可能性もあります。借金が増え続けると、生活面もどんどん悪くなっていくのです。

このような悪循環を断ち切るために、自己破産があるのです。

債権者側から見た自己破産とは

「自己破産すれば自分の借金はゼロになるけれど、お金を貸した側にとってはどうなのか?」についても知っておくと良いでしょう。

債権者(お金を貸した側)から見た自己破産された場合に受ける影響について見てみましょう。

債権者側から見た自己破産の影響

債務者(あなた)に資産がない場合

  • 取立てが出来なくなる(諦めがつく)
  • 債務の回収がゼロになる(大損)
  • 貸したお金が戻って来なくて損をする(場合によって死活問題に)

債務者(あなた)に資産がある場合

  • 取立てが出来なくなる(取り立てする手間が省ける)
  • 資産から債務の一部の回収の見込みがある(これで我慢するしかないとあきらめがつく)

このように、債務者に資産があった場合は債務の一部を回収できると考えます。ですが基本的には債務の全回収が出来ないデメリットの方が大きく、債務者は大損することの方が多いです。

自己破産をすると、債務者(あなた)は”債権者集会”というのを開いて、債権者の前で謝ったり、残った資産の分配について説明しなければなりません。

債権者は貸したお金が戻って来ないのですから、だいたいの人は落胆します。激しい怒りを見せる人もいます。

債務者(あなた)側からみたメリットやデメリット

それでは次に、債務者(あなた)が自己破産を受けるメリットやデメリットです。

債務者に資産が無い場合

  • 借金がゼロになる
  • 借金の取り立てが止む
  • 免責を受けて自己破産手続きが終わった後、新しい生活をスタートできる
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資産が無いと取られるものは命以外何もありません。こういう場合は、自己破産の手続きもスムーズに進みます。

債務者に資産がある場合

  • マイホームやそのほかの資産が全て管財人や銀行から差し押さえられる
  • 手元には99万円以下の現金しか残らない
雨宮先生雨宮先生

資産があると、管財事件となって、資産は全て差し押さえられて、売却されて債権者に平等に分配されます。
マイホームに関してはローンが残っていると、ローンを組んだ銀行から差し押さえられて売却されます。

自己破産者のデメリット

  1. 財産が処分・没収・差押えされる
  2. 官報に破産者情報が残る
  3. ブラックリストに登録される
  4. 連帯保証人が居る場合、保証人に借金の支払い義務が残る
  5. 職業や資格の制限を受ける
  6. 7年間は自己破産できない

自己破産によって借金をゼロにできる可能性があるのですから、相応のデメリットを受ける必要があります。

詳しくは自己破産をするメリットとデメリットは?のページもご参考にしてみてください。

雨宮先生雨宮先生

自己破産は、債務者の救済のためにある制度です。悪質な取立てを我慢して生活していても、精神的に疲弊していくだけです。解決策の1つとして自己破産も考えてみてください。

自己破産の現状は?

自己破産の現状は、2005年の24万件がピークで2015年では8万件まで減ってきています。この件数減少の理由には、2001年に”個人債務者民事再生法手続き”ができて、この制度の利用者が増えたことにあります。

現在は、自己破産以外の債務整理の方法を取る方が増えたため、借金で生活に困っている人が減ったようにみえますが、実際の件数は変わりません。
今後も、時代背景と状況により自己破産が増減するでしょう。

自己破産以外にも、借金を整理する方法は任意整理・個人再生・特定調停があります。自分に合った方法で借金の問題を解決してください。

【関連ページ】
任意整理のメリットとデメリットは?
個人再生のメリットとデメリット

自己破産した人は、どんな理由があったのか?

自己破産をした人の主な理由

  • 生活苦・低所得(自分の収入で生活ができない)
  • 借金の返済(他の借金のために、消費者金融に借りて返済額が上がり返済できなくなった)
  • 事業資金力の低下(会社を運営するための資金を借りたが、その後に会社の業績がさらに下がった)
  • 保証債務(友人・知人の連帯保証人になっていたがその相手に自己破産された)
  • 病気(急な病気により、医療費の増加、現在の仕事が出来なくなった)
  • 失業(失業により、借金の返済ができない)
  • 給料の減額(転職・減給・ボーナスのカット)
  • 養育費や慰謝料の支払い(収入での支払いが難しくなった)
  • クレジットカードの濫用(総支払額を確認しないで、カードを使いすぎた)
  • ギャンブルに使用した(勝てば返済できると思い、気が付いたらX00万円の借金になっていた)

このような状態になってしまった場合に、多くの人は消費者金融(サラ金)からの借り入れをします。最初は、「この金額なら3ケ月くらいで返済できるはず」という気持ちで借りる方が多いです。

ですが、減給や失業により収入が減ってしまったり、病気が治らず医療費がかさんだといった理由で返済ができなくなって、どんどん生活が苦しくなっていきます。

最初は、消費者金融(サラ金)から借りて返済出来ていても、元金が減らず借金の返済のために更に借金(多重債務)を負ってしまいます。そして、多額になってしまった借金の返済が不可能になり、自己破産を選ぶことになるのです。

雨宮先生雨宮先生

もし、返済が難しくなったら消費者金融で借りて借金を増やすよりも、”返済方法の相談”をすることが大切です。

借金の返済に困ったときの注意点

毎日、金融会社から電話や訪問で借金の取立てにあうと逃げたくなるものです。ですが、夜逃げや自殺を考えるのは待ってください。

なぜなら、夜逃げや自殺では借金問題を解決することが出来ないからです。

夜逃げし続けるのは難しい

夜逃げした場合、住民票の移動で金融会社に移転先がばれてしまい取り立てが再開します。金融業者は役所に”借入書”を提示することで住民票の閲覧ができるのです。

もし、「引越ししても住民登録をしなければいい」と思っていても、実際には健康保険や子どもの転校手続きなど住民票の移動が必要になることがあります。

また、連帯保証人が居る場合も注意です。あなたが借金を支払えなければ、連帯保証人には支払い義務が残ります。
そして、連帯保証人が支払い出来ない場合は、自己破産を行うことになるのです。

借金から逃げない、現実に立ち向かう

このように、借金から逃げることは人生を捨てること。周囲に迷惑をかけてしまう結果になるのです。

逃げるよりだったら、弁護士や司法書士などちゃんとした借金整理のプロに相談することで、新しい道が開ける可能性があるのです。

「もうだめだ、生きていけない」そんな悲しい思いを抱えて毎日を過ごすのは、前向きな行動を取って終わりにしてください。どんな借金であれ、何かしらの解決方法はあるのです。

今回のまとめ

自己破産は、債務者を救済するために作られた制度です。
借金をゼロにすることが出来ますが、その分いろいろなデメリット面もあります。

ですが、自己破産後に人生を立て直して、再起している人は沢山います。生活を変えようとしない人は、変わらずに借金に苦しむ生活を送っています。

雨宮先生雨宮先生

「もう、返せないから・・・」と思いつめないでください。1度専門家に相談をてみてください。どんな借金でも、解決する道はあります。