
連帯保証人が借金を支払えなくなったら、「資産を売却して返済にあてる」、「任意整理・個人再生・自己破産の申し立てをする」、「知人や親戚にお金を借りて対処」をします。
目次
連帯保証人になって借金を返せなくなった時の4つの選択肢
連帯保証人になって元の債務者が返済できなくなった場合、連帯保証人は全ての負債を抱え込むことになります。
保証人に返済できる余裕があれば良いのですが、莫大な金額で「私も返済はできない」となった場合、以下の4つの選択肢があります。
連帯保証人になって借金が払えない場合の選択肢
- 個人再生
- 任意整理
- 自己破産
- 知人や親戚に借金をする
どの方法を取るかは、借金の総額によって選択肢が変わってきます。どんな選択をすべきか、弁護士・司法書士に相談してみましょう。
個人再生・任意整理・自己破産の違いは?
1.個人再生の特徴
”個人再生”は、安定した給与収入があって、借金の総額が5,000万円までの方が出来る債務整理です。
個人再生のメリット
- 借金の総額が最大で10分の1の金額になる
- 残った借金は3~5年間で分割返済できる
- 不動産やその他の資産を残せる
- 自己破産と違って、借金の理由が問われない
一番のメリットは、財産を手放すことなく借金の総額を大幅に減らせることです。
借金の理由や経済状況にもよりますが、例えば1000万円の借金を背負った場合、最大で200万円まで減らすことができ、残りは3年間無利子で月賦で返済していきます。
また、自己破産と違ってマイホームなどの財産を持っている場合でも、売却する必要がありません。
とはいえ、持っている財産額が多いほど、借金が減額される幅が少なくなっていきます。
【関連ページ】個人再生のメリットとデメリット
2.任意整理の特徴
次に”任意整理”という方法もあります。
これは借金の相手が主に消費者金融やローン会社の場合で、弁護士や司法書士が間に立って、貸金業者と直接借金の減額交渉をする方法です。
任意整理のメリット
- 裁判所に申し立てをする必要がない(債権者からの取り立てを1番早く止められる)
- 債権者1社につき2万円程度で整理できる
- 債権者別に交渉をして、借金の減額や将来の利息分をカットできる
- 長期間に渡って借金の返済していたばあい、過払い金がないか確認してもらえる
任意整理の場合、まず弁護士や司法書士が「その借金の利子は法律で定められた利息上限額を上回っていないか」を精査して、もし上回っていた場合は適正な利息で借金を再計算して借金を減らします。
さらに、貸金業者と「この負債を全て支払うことは不可能だから借金の減額をお願いできないか」「今後は無利子にしてもらえないか」などを交渉します。
貸金業者らは「自己破産をされたら、借金の回収がゼロになってしまう」とメリットデメリットを天秤にかけて、借金の減額交渉に応じてくれやすい状況です。
【関連ページ】任意整理のメリットとデメリットは?
3.自己破産の特徴
「売却できる資産がない」「収入も少なく、借金の返済が3年以上かかっても完成のめどがつかない」
こんな場合は、”自己破産”を選択します。
自己破産のメリット
- 借金の免責が受けられて帳消しになる
- 自己破産の手続き中に債権者からの取り立てが止められる
自己破産のメリットは、借金の免責が受けられること、つまり、抱えた借金は全てゼロにできることです。
そのかわり、任意整理や個人再生と比べて、その後の生活に大きな支障を来すデメリット面も沢山あります。
自己破産について詳しくは自己破産をするメリットとデメリットは?のページも合わせてお読みください。

自己破産・個人再生・任意整理をすると、どんな方法でも5年間~10年間は新しい借入れやクレジットカード発行できなくなるので注意が必要です。
悲観ばかりせずに早めに債務整理専門の弁護士に相談する
「連帯保証人になんかならなければ良かった」「こんな多額の借金、どうすればいいんだ」と悲観して、良からぬ行動を起こそうとする人は沢山いらっしゃいます。
ですが、今回ご紹介した債務整理方法を利用することで、その後の生活を立て直すことは十分にできます。
トラブルを起こさず早く解決して新しいスタートを切る為に、できるだけ早く債務整理専門の弁護士に相談されることをお勧めします。
連帯保証人になった半分以上の方が、神経をすり減らして元の債務者の居所を探したり、債権者の取り立てを受けたりします。夜も眠れなくなったり、家族関係の悪化も目立ちます。
早く弁護士に相談していれば、早期に問題解決に向かって進む事ができて、神経を今よりすり減らす事も無くなります。

あれこれと悩んでいても、前向きな解決に到ることはなかなかありませんので、法律家の力を借りて欲しいと思います。
弁護士・司法書士に債務整理を依頼するメリットとデメリット
弁護士に依頼するメリット
- 手続き方法を教えてもらえる
- 債権者との間に入ってもらえる(精神的負担の軽減)
- 債権者の悪質な行為を止めてもらえる
- 面倒な書類作成や手続きの代行をしてもらえる
- 裁判所で裁判官との面接時に同行してもらえる(自己破産手続き時)
- 手続きがスムーズに行くようにアドバイスをもらえる(債権者への対応・裁判官との面接時の対応など)
弁護士に依頼するデメリット
- 弁護士・司法書士への報酬の支払いが必要
- しっかりと仕事のできる弁護士・司法書士に依頼しないと、満足な結果にならない可能性がある
どんな人間でも、肩書や権力に弱いものです。借金を抱えて立場が弱くなった連帯保証人の場合、誰に対しても頭が上がらなくなって、弱気になってしまいます。
ですので、言い方は良く無いのですが、お金の力を使って弁護士や司法書士という肩書の力を味方に付けて、対峙した方が良いのです。連帯保証人になって借金を抱えてしまった場合、1人だけの力では相手に押しつぶされてしまいます。
弁護士・司法書士に債務整理を依頼した場合は、着手金の分割払いも出来ますので、困った時は積極的に利用した方が良い手段です。
知人や親戚にお金を借りる
自身での返済が難しい場合や個人再生・任意整理・自己破産をしたくないときは、知人や親戚などにお金を借りて返済にあてることも出来ます。
ですが、きちんと返済できる計画を立てて、貸す側も納得していないとトラブルの原因になります。
親族から大金を借りるという行動は、基本的にその後の関係性を悪化させてしまうのです。
ですので、できれば、私としては親族は巻き込まない方が良いと思っています。

連帯保証人になって借金の返済の返済に困ってサラ金・消費者金融・闇金にお金を借りてしまうと、状況が悪化する可能性が高くなります。
安易な判断は禁物です。
今回のまとめ
連帯保証人が借金の返済をできなくなったときは、資産を売却して返済する・個人再生・任意整理・自己破産をする・知人や親戚からお金を借りることになります。
それぞれの方法にメリットとデメリットがありますので、債務整理専門の弁護士に相談して、あなたの状況に合ったベストな方法で解決するよう、前向きな気持ちで取り組んでください。

連帯保証人になって借金を被る事になったら、まずは家族に相談して、すぐに債務整理専門の弁護士相談する方が良いと思います。
元の債務者の居所を突き止めて「支払ってください」と言っても、残念ながら支払われることは99.9%ありません。