雨宮先生雨宮先生

過払い金はなぜ生じるのかというと、”利息制限法””出資法”が原因となっています。
そしてグレーゾーン金利は、「法定利息と出資法の29.2%の間の利息差で生まれる金利」のことです。

過払い金はなぜ生じる?

過払い金は、払い過ぎた利息分が戻ってくるものです。ですが「過払い金はなぜ生じるのだろう?」と疑問にお思いではないでしょうか?

それでは、この過払い金が生じる原因について説明をしていきます。

出資法と利息制限法について

過払い金が発生する仕組みを理解するためには、先に”出資法””利息制限法”を理解する必要があります。簡単に説明していきましょう。

出資法とは?

出資法は、出資するためのお金を貸し付ける利息に関する法律で、昭和29年に制定されました。

当初の出資法ではなんと年利109.5%でしたが、昭和50年以降に消費者金融(サラ金)が増えて、悪質な取り立てをしたために自殺・夜逃げ・家族崩壊などが多発したことにより、昭和58年度には利率を大幅に下げられました。

その後、平成11年ころには、「自分の臓器を売ってでも金を作れ」と恐喝まがいの行為を録画したものが、テレビで放送されたことがきっかけとなり、平成12年に年利最大29.2%、平成20年には年利最大20.0%までに引き下げられました。

出資法の利率推移
年度 年利(%)
昭和29年 109.5
昭和58年 75.0
昭和61年 54.5
平成3年 40.004
平成12年 29.2
平成20年 20.0
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ここではまず、出資法の年利29.2%という数字を覚えておいてください。

利息制限法とは?

それでは次に利息制限法です。

利息制限法とは、暴利(正常じゃない利益)や貸付側の搾取から消費者(債務者)を守るために、金銭の貸し借りにおける利息・遅延損害金の利率を、一定の限度額を設定した法律です。

つまり、「金融屋さん、滅茶苦茶な利息をふっかけてお金を貸しちゃダメですよ。国で上限の金利を定めますので、守ってくださいね」という法律です。

利息制限法の法定利息表

利息制限法は、金額によって年利が変わります。じつは最大でも、年利20%以上は利息をかけてはいけないことになっているのです。

金額 年利(%)
10万円未満 20
10~100万円未満 18
100万円~ 15
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2010年以降は、利息制限法を守って貸付している金融会社がほとんどです。
この時期より前は、利息制限法を守らずに金利をかけて金融業をしていた会社も少なくありませんでした。

グレーゾーン金利とは?

では次に、”グレーゾーン金利”についてです。
グレーゾーン金利とは、出資法と利息制限法の利息差のことで、過払い金が生じる理由と深くかかわっています。

思い出してみてください。
出資法では、平成20年まで年利29.2%でしたよね。
ですが、利息制限法だと最大年利は20.0%です。

あれ・・?年利9.2%にも開きがあります。いったいどっちの利率が適用になるの・・・?

お分かりになりましたね。そうです。この出資法と利息制限法の利率差が、グレーゾーン金利と呼ばれているのです。

グレーゾーン金利解説図

例:100万円借りた場合

例えば、Z消費者金融から100万円借りたとします。

出資法で認められている年利29.2%で借りた場合、1年間に利息を最大29万2千円支払う必要があります。
ですが利息制限法で認められている金利は、100万円以上の借金の年利は最大15%、1年間の利息は15万円です。

このように出資法と利息制限法の間では、支払う利息には約2倍の差があります。

グレーゾーン金利の早見表

借入額 出資法の利息 利息制限法の利息 グレーゾーン金利
利息差
10万円未満 29.2% 20.0% 9.2%
10~100万円未満 29.2% 18.0% 11.2%
100万円以上 29.2% 15.0% 14.2%
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グレーゾーン金利の早見表をご覧ください。
100万円以上を消費者金融から借りていると、利息制限法の上限よりも年利14.2%も多く返済している(過払いしている)事が分かります。

100万円を出資法で借りていたら、1年間に14万2千円も利息を多く払っていたことになります。

消費者金融の多くは出資法で貸し付けていた

消費者金融の借金返済

2010年までは金融会社はできるだけ多くの利息を得る為に、出資法の年利29.2%を利用してお金を貸していました。

おかしいですよね。
お金を貸す制度には、出資法の29.2%と利息制限法15%~20%の2つの制度が同時に存在したのです。

さらには「みなし弁済」という利息制限法を超えた取引を認めてしまう複雑な貸金業法取引も手伝って、ほとんどの消費者は利息制限法ではなく、利息が高い出資法でお金を貸し付けられていたのです。

このような背景があって、消費者はずっと「グレーゾーン金利、みなし弁済は有効か無効か?」で平成13年頃からずっと争われていました。

そして利息制限法には罰則規定が無かったので、闇金業者は制限を超えた利息で貸し付けているケースも沢山ありました。

雨宮先生雨宮先生

お金に困っている人は、目先の事しか見えていないので、少々高い利率を提示されてもお金を借りてしまう傾向があります。

ましてや利息制限法や出資法があることも分かっていない人が多いので、金融業者は高い利率の出資法で貸し付けていました。

2006年1月13日の裁判で「みなし弁済」が無効化

ところが2006年(平成18年)1月13日に、最高裁で「みなし弁済は無効」という判決が下り、「消費者金融が出資法の年利でお金を貸し付けていた場合は違法」と認められました。グレーゾーン金利が消滅したのです。

さらに2010年6月18日には出資法の上限が、利息制限法と同じ年利最大20%に改正されたことで、グレーゾーン金利は完全に消滅することになりました。

【関連外部サイト】上限金利の引き下げ・貸金業法

利息制限法と出資法の差額により過払い金が生じ、返還請求ができるようになった

こうして、出資法による高い利息で借り入れをしていた消費者は、利息制限法による法定利息で計算した金額との差額を”過払い金”として、過去10年までさかのぼって返してもらえることになりました。

2006年以降、過払い金返還請求をする人が一気に増えました。日本全体で年5000億円以上の過払い金返還が起きたと言われています。

過払い金返還請求に耐え切れず、沢山の消費者金融が倒産しました。昔はTVCMで有名だった消費者金融大手の武富士も負債総額4336億円をかかえて倒産しています。

倒産した会社からは過払い金は取り戻せませんが、今も経営を続けている業者からは、過払い金請求の仕事を受け付けている弁護士や司法書士を通じて、取り戻すことができるようになっています。

雨宮先生雨宮先生

今までグレーゾーン金利が暗黙の了解で認められていたのは、政治家の資金調達にも深くかかわっていたと言われています。

今回のまとめ

過払い金が生じる原因は、出資法と利息制限法の利息差があるためです。

そして、グレーゾーン金利は出資法と利息制限法の利息の間のことをいいます。

このグレーゾーン金利の差が大きいほど、過払い金で戻ってくる金額は大きくなります。

雨宮先生雨宮先生

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時効は最終返済日から10年となっています。