
任意整理を弁護士・司法書士に依頼すると、借金の元金を減額できるだけではなく、これから発生する利息を支払わなくて済む可能性は高くなります。
厳しい返済の催促や取り立ても無くなって、落ち着いた生活を取り戻せます。
目次
任意整理をすると支払わずに済む借金の利息とは?
それでは、”任意整理をすると支払わなくて済む利息”について、説明していきます。
任意整理をすれば支払わずに済む可能性が高くなる3つの利息
任意整理すると3つの利息を支払う必要が無くなる可能性が高い!
- 未払い利息(返済滞納した分の利息)
- 延滞利息(遅延損害金)
- 将来利息(これから発生する予定の利息)
「どうしてこの3つの利息を支払わなくていいの?」と疑問に思われますよね。
これは、任意整理は「債務者が借金を完済するためが目的だから」と、「貸金業者にとってもメリットがあるから」です。
利息があると返済が大変
借金の返済を滞らせる大きな原因が、利息を払い続けると借金の元本が減らないことにあります。
普通は借入をして返済を始めると、しばらくは利息分の支払いに充てられるだけで借金の元金がなかなか減っていかないことで、完済までの時間が長引きます。
お金が無くて借金をするので、ほとんどの人は利息分を払うだけで精一杯になってしまいます。
利息有り・無しで返済金額と返済期間はどれくらい変わるか知ってますか?
では例を挙げます。100万円、200万円、300万円の借金をを利息制限法の年利15.0%で借り入れして、返済は毎月借り入れの3%ずつ返済していった場合、利息や返済期間はどうなっているか、お分かりですか?
借金100万 毎月3万返済 |
利息有り | 利息無し |
利息を含めた 返済総額 |
130万5607円 | 100万円 |
利息額 | 30万5607円 | 0円 |
返済期間 | 44カ月 (3年8カ月) |
34カ月 (0年8カ月) |
借金200万 毎月6万返済 |
利息有り | 利息無し |
利息を含めた 返済総額 |
261万1404円 | 200万円 |
利息額 | 61万1404円 | 0円 |
返済期間 | 44カ月 (3年8カ月) |
34カ月 (2年10カ月) |
借金300万 毎月9万返済 |
利息有り | 利息無し |
利息を含めた 返済総額 |
391万7147円 | 300万円 |
利息額 | 91万7147円 | 0円 |
返済期間 | 44カ月 (3年8カ月) |
34カ月 (2年10カ月) |

支払っている利息についてあまり気付いていない人も多いので、具体的に表にしてみました。借金の利息って大きいですよね。
だから、返済を邪魔する利息をカットするように交渉することが望ましいのです。
支払わなくて良い借金の利息と遅延損害金について
任意整理の依頼を弁護士や司法書士が受けて、貸金業者側に受任通知が届くと、「未払利息・延滞利息(遅延損害金)・将来利息」の3つの利息を支払う必要が無くなる可能性が高くなることは既にお話ししたとおりです。
ではこれらがどんな利息なのか、具体的にご説明します。
1.未払利息とは
未払利息とは、最終取引(最終返済日)以降から和解が成立した日までに発生した利息のことです。
例えば、平成27年12月1日まで返済を続けていたとして、まだ借金が残っている任意整理を弁護士に依頼し、平成28年3月10日に和解したとします。
この場合は、平成27年12日2日から平成28年3月10日までの間は普通は利息を支払う必要がありますが、任意整理の交渉が始まると、この期間の利息金は未払利息となって、支払う必要が無くなる可能性が高くなります。
2.延滞利息とは
延滞利息(遅延損害金)とは、支払いが返済期日に遅れると発生する利息です。この延滞利息の利率は、契約時に定められた利率により計算されます。
ですが注意しなければならないのは、任意整理をして和解後に残った借金の返済が遅れて発生した遅延損害金は、支払う必要があります。
3.将来利息とは
将来利息とは、和解した日から借金を完済するまでの分の利息です。
つまり、任意整理をして残った借金は利息ゼロになる可能性も高くなります。
この将来利息がカットされることによって、返済額がそのまま借金から引かれていくため、元金が分かりやすくなります。
この将来利息がカットされると、借金の毎月の返済額も減ってかなり楽になります。
どうして任意整理をすると貸金業者は利息なしをOKするのか?
「任意整理をすると支払わなくて良い利息があることが分かったけど、どうして支払わなくて良くなったの?そんな美味い話があるのか?」と思われますよね。
なぜなら、未払利息・延滞利息・将来利息をカットすることで、債務者(あなた)にも消費者金融側の両方にメリットがあるからです。
任意整理の方が元金の大部分を回収できるうえに仕事が楽になる
たとえば債務者に自己破産をされたら、お金を貸した側の借金の回収額はゼロ円、個人再生をされたら5分の1ほどになってしまいます。
ですが任意整理であれば、利息のカットをするだけで元金の大部分は回収できるうえに、裁判所の書類応対や呼び出しも不要になりますので、貸金業者側にとってもメリットがあるのです。
未払い利息・延滞利息のカットが任意整理の全国統一基準になっている
さらに、東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会が、”クレジット・サラ金処理の東京三弁護士市会統一基準”を作成しました。
内容は「任意整理手続きにおいては未払い利息・損害金(延滞利息)を付さない和解案を提示する」というものでした。
その後、平成12年6月には日弁連主催の多重債務者救済に関する全国会議にて、全国統一化がされました。
この全国統一化された後では、未払い利息・延滞利息のカットを認めないまたは、一括返済をしろと抗議する業者が少なくなりました。
【関連外部書類】多重債務者に対する任意整理を処理するための全国統一基準
多重債務者に対する任意整理を処理するための全国統一基準”には、未払利息・延滞利息(遅延損害金)の他に将来利息分のカットについても記載されています。

こうして任意整理後に3つの利息が無くなった結果、借金返済がスムーズに行われるようになりました。
消費者金融側も貸したお金が戻ってきやすくなるわけですから、お互いにとってメリットなんです。
今回のまとめ
任意整理で支払わなくて良い利息は、未払利息・延滞利息(遅延損害金)・将来利息の3つがあります。
この利息を支払わなくて良くなったのは、平成12年6月に”多重債務者に対する任意整理を処理するための全国統一基準”が出来たためです。
そのため、任意整理をすると法定利息の借金の場合でも未払利息・延滞利息・将来利息の支払いがカットされて、貸金業者も借金を回収できやすくなるので、お互いにとってメリットがあります。

任意整理だと、裁判所など国の力を借りずに、弁護士や司法書士が貸金業者と直接交渉して借金の減額を進めます。
会社や親族にもばれにくいという理由から、多くの人が任意整理に踏み切る事が多い状況です。
今借金返済でお困りの人は、債務整理専門の弁護士や司法書士事務への相談をお勧めします。最初の相談は無料になっているところも増えています。