雨宮先生雨宮先生

過払い金を請求するには、必ず裁判が必要なわけではありません。

ですが、裁判をすると過払い金の元金だけでなく、利息・遅延損害金・損害賠償金の請求が可能になるメリットがあります。

過払い金請求で裁判をするメリット

過払い金請求裁判のメリット

過払い金の請求で裁判をすると、業者と直接交渉して和解した場合よりもメリットがあります。

次にご紹介する3つについては、業者と直接交渉して和解した場合には得られないものです。

過払い金請求で裁判をした場合はこんなメリットがある!

  1.  利息分が請求できる(過払い金が発生した時からの分)
  2.  遅延損害金請求ができる
  3.  慰謝料や弁護士費用請求ができる(業者の不誠実な態度が違法性があると認められたとき)

1.利息分の請求ができる

実は過払い金が発生した日から返還されるまでの間、過払い金にも利息が付きます。

つまり、債務者(あなた)が借金返済のお金を多く払い過ぎていたことは、消費者金融側にお金を貸し付けていたことになるので、「貸金業者さん、私のお金をそちらに預けていた分の利息を支払ってください」と請求できるのです。

貸金業者との直接交渉だけで済ませた場合では、無利息で和解することも多いのですが、裁判になると逆に過払いした分の利息請求ができるメリットがあります。

この過払い金の利息は、年5%となっています。

過払い金の利息請求図

2.遅延損害金の請求ができる

過払い金の返還が遅れたことによる損害として、遅延損害金の請求が可能です。裁判になった場合に、過払い金の元金・利息5%とは別途請求ができるメリットがあります。

つまり、本来は消費者金融側が気付いて「多く払って貰い過ぎてました。お返しします。」と、なるべく早く債務者(あなた)に申告しなければならないのですが、請求されるまで支払わないのは”気付かないふりをしている”と見なされるので、遅延損害金請求ができるのです。

この遅延損害金の金額は、いろいろな事情で変わってくるため必ずいくら戻ってくると利率が決まっていません。
過払い金の請求者が損害を受けた分だけの金額分の請求ができます。

3.慰謝料や弁護士費用を請求できる

貸金業者が、過払い金の返金を故意に遅らせようと取引履歴の開示を渋る・担当者からの連絡がこないなどの不誠実な行為が裁判で認められた場合は、慰謝料や弁護士費用の請求ができます。

実際、訴訟時に提示される金額は、慰謝料が10~20万円程度、弁護士費用が5~10万円程度です。

雨宮先生雨宮先生

裁判になると、ほぼ満額の過払い金が取り戻せます。
ですが、裁判の場合は弁護士費用の設定が違う可能性があるため、事前に訴訟費用の金額を確認しておきましょう。

過払い金の請求で裁判をするデメリット

過払い金請求裁判のデメリット

過払い金請求での裁判は、メリットだけでなくデメリットも生じることを頭に入れておきましょう。

裁判をするデメリット

  1. 直接交渉で和解するよりも時間がかかる
  2. 弁護士・司法書士費用が高くなる

解決まで時間がかかる

裁判になると、法的な手続きが絡んできますので、消費者金融に直接交渉するよりも時間が長くかかってしまいます。
具体的には過払い金の返還までかかった平均の期間は、貸金業者と和解交渉で4~8ケ月程度、裁判で6~1年程度かかっています。

過払い金請求の裁判をすると弁護士費用は高くなる

過払い金の請求を裁判で争う場合は、弁護士費用が高くなる可能性があります。

この費用は、各弁護士事務所によって料金設定が違うため、相談するときに確認しておきましょう。

過払い金請求の費用相場

項目 A社 B社 C社
着手金(件) 0円 4.32万円 3.0万円
報酬金
(回収金×%)
18% 21.6%

 

18%(1~2件)

17%(3~4件)

16%(5件~)

訴訟をしたときの
報酬金
同じ 27.0% 上記に+2%

 

最近の過払い金の請求と裁判の傾向

現在では、過払い金請求で最初から裁判をする弁護士・司法書士は多くありません。ほとんどが直接交渉で終わらせます。

なぜなら、裁判にかかる時間を嫌って、貸金業者との和解交渉のみで、多数の案件を短期間で処理しようとする傾向があるからです。

ですから、過払い金請求の相談をしたときに「最初から、訴訟しましょう」と裁判を進めてくる弁護士・司法書士が少ないのです。

過払い金の請求で裁判になるケース

過払い金の請求で裁判になったケースをご紹介していきます。

裁判になったケース

  • 貸金業者が取引履歴を開示しない
  • 貸金業者が過払い金の金額を大幅に下げて提示してきた
  • 貸金業者が交渉に対応しない(電話すると「担当者から連絡させます」と繰り返し言われて放置された)

基本的に、貸金業者が過払い金の返還を遅らせようとする行為がある場合は、訴訟を行うほうが早期解決につながります。

直接交渉のみと裁判、どっちが良い?

ここで問題になるのは、「過払い金請求は直接交渉と裁判、どっちが良いのか?」ということになります。

この答えは、「貸金業者が応じてくれるなら直接交渉で済ます。応じてくれず、多額の過払い金が発生するなら裁判に持ち込む」が良いと思います。

先ほども書きましたが、過払い金請求で裁判所が絡む手続きは、債務者(あなた)自身も何回も裁判所に足を運ぶことになりますし、1年ほどの長期戦となります。当然ながら弁護士費用もかさんでくるわけで、裁判の判決が出てもそれが満足いく結果になるとは限らないのです。

ですので、貸金業者が直接交渉に素直に応じてくれるなら、あとは弁護士や司法書士の腕に任せて、直接交渉をで短期のうちに解決させた方が、無駄な時間と精神のすり減らしをせずに済みます。

雨宮先生雨宮先生

裁判の結果がどうなるかは、誰にも分かりませんし、1年間もの長い期間を過払い金問題を考えながら過ごすのは、有意義なことでしょうか?

私なら余程の理由が無い限り、早めに問題を終わらせて、時間を他の事に費やしたいです。


今回のまとめ

過払い金の請求は、必ずしも裁判をする必要はありません。
ですが、貸金業者と和解交渉をする場合は、過払い金の減額交渉があったり無利息で計算されてしまいます。

ですから、最初から裁判にしたほうが過払い金もほぼ満額の回収が可能なことや、利息や遅延損害金を請求できるメリットがあります。

そして、貸付業者が、取引履歴を開示しない・和解交渉に不誠実な態度が裁判で認められると、慰謝料や弁護士費用の請求の可能になります。

雨宮先生雨宮先生

訴訟する場合は、司法書士が扱える過払い金の金額は140万円までです。

ですから、大きい金額になりそうな場合は弁護士に相談する必要があります。