雨宮先生雨宮先生

個人再生申し立てをするためには、どんな書類や手続きが必要なのでしょうか。
今回は、申し立て手続きの方法についての説明をしていきます。

個人再生申し立て手続きの方法

個人再生申し立て手続きの方法

個人再生申し立ては、弁護士や司法書士に依頼して手続きを進めていきます。
依頼しても全て丸投げできるわけではありません。裁判所に代理人(弁護士・司法書士)と一緒に出廷すること・提出書類と裁判費用の準備をする必要があります。

個人再生手続きの流れについては、個人再生の目的と手続きの流れを参照して下さい

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この申し立てをすると、債権者からの取立を止めることができます。そして、再生計画の認可決定がされると返済が始まりますが最低限の生活ができる返済金額なため、精神的なストレスも軽減されます。

個人再生申し立てに必要な書類は?

小規模個人再生と給与所得者再生のどちらを利用するかによって、必要なものも違ってきます。そのため、書類の用意をするときは間違わないように注意しましょう。

小規模個人再生と給与所得者再生に共通する提出物

①裁判所に提出する資料

提出書類

  1. 個人再生開始申立書    1通
  2. 収入一覧・主要財産一覧 各1通
  3. 債権者一覧表       提出用の1通と債権者数分
  4. 住民票および戸籍謄本   1通
  5. 委任状
  6. 報告書・陳述書     各1通
  7. 家計全体の状況      1通
  8. 財産目録         1通
  9. 財産目録(細目)      1通
  10. 預貯金通帳のコピー
  11. 財産目録に記載した財産に関する疎明資料 各1通
  12. 清算価値算出シート    1通
  13. 退職金額証明書      1通
  14. 住宅ローンの契約書
  15. 申立人代理人の宛名を記入した長形3号封筒 6通
  16. 各債権者の宛名を記入した長形3号封筒   各2通
  17. 個人再生委員が指示した書類 1通

1.申立書の入手方法

個人再生手続開始申立書は裁判所で直接入手するか、裁判所のホームページにてダウンロードが出来ます。

【関連リンク】申立書(給与所得者再生)と陳述書の書式

2.収入と主要財産一覧

収入について

収入額を証明するための書類を提出します。必要な書類を以下の表にしましたので参考にして下さい。
この書類はコピーで大丈夫です。

項目 備考
過去2ケ月分の給料明細書 本人と同居人のもの
過去1年分の賞与明細書
過去2年分の源泉徴収票
過去1年分の課税証明書
(所得証明書・収入証明書とも言います)
源泉徴収票・確定申告書がない人や、給料所得がある人で副収入や修正申告をした場合も必要
※各市町村役場で入手できます
過去2年分の確定申告書
生活保護受給証明書 ?受給している場合はコピーを提出
自動手当受給証明書
年金通知書

この表にあるように、同居している人に収入がある場合は本人のものと一緒に書類を提出しなくてはなりません。ですから、個人再生を利用するときは同居人にも協力をしてもらう必要があるため、内緒で利用することは難しいのです。

【関連リンク】収入一覧及び主要財産一覧の書式

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収入関係の書類は、見落としのないようにしましょう。提出書類は、各裁判所によって多少違うこともあります。
申し立て手続き前に、弁護士や司法書士に提出書類の確認をして下さい。

主要財産一覧について

主な財産の一覧表を作成して提出します。この一覧を作成するために必要なものを表にしました。
以下の表にあるものをお持ちの場合は、用意しておきましょう。

項目 詳細 備考
不動産登記簿謄本 抵当権や所有権を確認します 不動産をお持ちの場合に必要です。
固定資産評価額証明書 不動産の評価額の証明書で現在の価値を確認します
不動産査定書 自宅近くの不動産業者に依頼して作成してもらった見積や査定書類で現在の売却価格を確認します
?賃貸借契約書 敷金を財産とするため、敷金の金額を確認します 賃貸契約でアパートやマンションにお住まいの場合は必要です。
自動車検査証(車検証) 車の名義人・所有者・使用車を確認します 自動車を所有している場合にローンが残っていて販売者に所有権がある場合は、処分されてしまうため必要ありません。
ローンを完済していて、査定金額が20万円以上の場合は必要です。
自動車の査定書 中古車販売店に見積(査定)で出してもらった書類で、自動車の価値を確認します ?〃
保険証券 保険の契約内容を確認します

解約返戻金が20万円以下の場合は不要です。

解約返戻金証明書 保険を解約した時に手元に戻る金額を確認します

差押決定正本 住宅や給料・預金などを仮差押えや差押えされている場合は提出が必要

個人再生を利用すると、差押えの強制執行を中止することが可能です。
この手続きは、裁判所に申し立てる必要があります。

 

預貯金通帳のコピー 過去2年分の給料振り込みやカードの引き落としなどを確認します 過去2年間預貯金に取引がないときは不要です
装飾・美術品の査定書 買取業者に見積(査定)で出してもらった書類で、金額の確認をします 見積(査定)金額が20万円以上の場合に必要です
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上記の表にあるものでも、財産に入れなくて良いものもあります。例えば、生命保険の解約返戻金・車やその他の見積(査定)金額が20万円以下の場合です。

3.債権者一覧表

債権者一覧表を作成するときの注点が2つあります。この書類は、提出したあとに債権者を追加したり内容の変更ができないのです。

債権者一覧表記述の注意点!

  • 1つ目:作成するときは債権者の見落としがないかを注意する
  • 2つ目:債権者ごとの債権額(借金額)がはっきりしない場合は「この金額は正確ではないかもしれない」と記載しておく

4.住民票と戸籍謄本

住民票を用意するときは、世帯全員分の記載があるものを用意しましょう。申立人が別居している家族を不要している場合は、その被扶養者の住民票が必要です。

戸籍謄本は裁判所によって、提出を求められる可能性があります。この2つは、発行日から3ケ月以内のものが必要です。手元にあっても、発行日付が古いものは使えないため注意しましょう。

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個人再生の申し立て前に、戸籍謄本が必要か確認をしておきましょう。

5.委任状

弁護士や司法書士に、手続きの代行を依頼した内容を証明するための委任状が必要です。

この書式については、依頼した弁護士や司法書士に確認しましょう。なぜなら、その事務所のフォーマットで作成したものが用意されていることが多いからです。

6.報告書と陳述書

この書類は、裁判官に個人再生を利用するに至った詳細な経緯を伝えるために重要なものです。
代理人(弁護士や司法書士)が作成する場合には報告書という形式になり、申立人が作成するときは陳述書という形式になります。
報告書に記載する内容は、以下の7つの項目についてです。

報告書への記載内容

  1. 過去10年間から現在までの経歴
  2. 家族関係
  3. 現在の住居の情報
  4. 個人再生申立てに至った事情
  5. 財産について
  6. 債務について
  7. 免責不許可事由の有無

【関連リンク】報告書の書式 | 日弁連

※陳述書のフォーマットは、上記で説明した申立書ファイルの中に一緒に入っています。

7.家計全体の状況

この書類には、直近2ケ月分の家計の状況を記載します。記載する内容は、収入と支出の詳細です。
【関連リンク】家計全体の状況の書式

※この計算で収入よりも支出が多く赤字になってしまうと、個人再生の利用が不許可になるため注意しましょう。

8.財産目録

この書類に記載されている項目は16項目あります。当てはまるものがあれば、有にチェックをする形式です。

財産目録リスト

  1. 預貯金
  2. 過去2年以内に新しい口座を開設していない
  3. 公的扶助(生活保護・各種扶助・年金など)の受給
  4. 報酬・賃金(給料・賞与など)
  5. 退職金請求権・退職慰労金
  6. 貸付金・売掛金等
  7. 積立金等(社内積立・財形貯蓄・事業保証金など)
  8. 保険(生命保険・火災保険・自動車保険など)有価証券(手形・小切手・転換社債・ゴルフ会員権など)
  9. 自動車・バイク等
  10. 過去5年間に処分した20万円以上の財産
  11. 過去2年間に処分した20万円以上の財産
  12. 不動産(土地・建物・マンション)
  13. 相続財産(遺産分割未了の場合も含む)
  14. 事業設備・在庫品・什器備品等
  15. その他・回収が可能となる財産や債券

【関連リンク】財産目録と財産目録(細目)の書式 | 日弁連

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記載内容に当てはまるのか不明なものは、弁護士や司法書士にアドバイスをもらいましょう。

9.財産目録(細目)

この財産目録(細目)には、上記の財産目録で有にチェックしたものについて記入します。

※この書類のフォーマットは、上記の財産目録のファイルに一緒に入っています。

10.預金通帳

預貯金通帳は、表紙と過去2年分の入出金の明細をコピーして提出します。

もし、通帳が手元にない場合は金融機関にその期間の入出金の明細を発行の依頼をします。

11.財産目録に記載した財産に関する疎明資料

財産目録(細目)に記入したものを証明する書類を提出します。例えば、預貯金30万円・年金受給中・自動車所有している場合、通帳のコピー・年金通知書のコピー・車検証のコピーと査定書を提出します。

12.清算価値算出シート

清t算価値算出シートは、売却できる財産の価値を算出するための書類です。この算出シートの金額が、再生計画認可の決定時に提出した計画弁済総額よりも高額であったときは、再生計画を取り消されることがあるため注意が必要です。

【関連リンク】清算価値算出シートの書式

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この書類は、「個人再生を利用する場合、債権者に自己破産をしたときよりも高額な配当を保障しなくてはならない」と定められているために提出が必要です。

13.退職金額証明書及び退職規定に基づいた計算書

この証明書は、勤続5年以上に方が対象です。もし、退職金証明書の入手が困難な場合は退職金額証明書を用意します。

退職金額証明書の発行を会社に依頼するのは、気が進まない方も多いと思います。ですから、退職規定に基づいて作成した計算書を作成しましょう。

退職規定に基づいた計算書の作成

この計算書は、会社に入社したときに受け取っている就業規則や退職金規定の書類を基に算出します。ですが、規定がはっきりしないまたは無い場合は、会社に退職金額証明書の発行を依頼するしかありません。

算出の基にした退職金規定の記載された書類のコピーも一緒に提出をします。

14.申立人代理人の宛名を記入した封筒

この封筒は、長形3号と指定されています。宛名は印刷したラベルでも大丈夫です。

15.各債権者の宛名を記入した封筒

この封筒も長形3号と指定されています。各債権者分×2通が必要です。
宛名は印刷したラベルでも大丈夫です。

16.個人再生委員が指示した書類

個人再生委員から指示をされた書類があれば、用意して提出します。

雨宮先生雨宮先生

提出書類の説明が長くなりましたが、任意整理に比べると個人再生は提出書類も多く時間もかかります。ですが、弁護士や司法書士に依頼すると殆どの書類は代行で作成してもらえます。

小規模個人再生と給与所得者再生で違う提出書類について

上記では、小規模個人再生と給与所得者再生で共通する提出書類を説明してきました。ここでは、それぞれ違う書類について記載しておきます。

この2つの手続きの違いは、収入に関する書類の多さと給与所得者再生では、可処分所得算出シートが必要なことです。

小規模個人再生の提出書類

  1. 過去1年分の源泉徴収票のコピー 1通
  2. 過去2ケ月分の給料明細 各1通

※源泉徴収票が手元にない場合は、勤め先に再発行を依頼します。

給与所得者再生の提出書類

提出書類

  1. 過去2年分の源泉徴収票のコピー 各1通
  2. 過去2年分の課税証明書の原本 各1通
  3. 過去2ケ月分の給料明細のコピー 各1通
  4. 建物賃貸契約書のコピーまたは、1年間の住宅ローンの弁済額がわかる書類のコピー 1通
  5. 可処分所得額算出シート 1通

※可処分所得額の算出については、”給与所得者再生の返済金額は?”をご参照ください。

個人再生申し立て手続きの費用

個人再生申し立て手続きは以下の費用がかかります。

申し立て手続き費用

  • 収入印紙 10,000円分
  • 郵便切手 1円×10枚 10円×10枚 82円×10枚 20円・120円・140円は×債権者数
  • 予納金 弁護士に依頼した場合 12,268円
  • 予納金 本人申立の場合    192,268円

※その他コピー代などの実費がかかることがあります。

【関連リンク】個人再生事件の手続き費用一覧

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申立費用としては、3万円程度になりますが、この他に弁護士費用があることを覚えておきましょう。

?弁護士や司法書士に依頼した場合の費用は?

個人再生を弁護士や司法書士に依頼した場合、30~50万円程度が必要です。
住宅ローン特則を利用する場合は、5~10万円程度の費用がかかります。

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個人再生を利用する場合は、個人で書類作成と裁判所の手続きをすると大変な時間と手間がかかってしまいます。そのため、弁護士や司法書士に依頼することをお勧めします。


今回のまとめ

個人再生の申し立て手続きは、申立書・陳述書(報告書)・収入・財産・債権者一覧などの書類を提出します。そして、清算価値算出シートや可処分所得額算出シートの作成も必要になります。

収入を証明する書類については、小規模個人再生と給与所得者再生では提出するものが違うため、注意しましょう。

雨宮先生雨宮先生

収入に関する書類は、同居している人の分も提出する必要があるため覚えておきましょう。

個人再生は手続きが複雑ですので、弁護士や司法書士に依頼した方がスムーズで失敗がありません。