雨宮先生雨宮先生

今回は、借金の返済に困り自分では解決が難しくなったとき、弁護士か司法書士のどちらに借金問題を相談したらいいのか、借金問題別に説明していきます。

弁護士・司法書士にできることの違いは?

借金問題・債務整理相談の弁護士と司法書士どっち?

借金問題に関わる手続きを依頼する場合に、弁護士・司法書士に出来ることの違いを表にしましたので、代理人選びの参考にしてください。

手続き内容  弁護士 認定司法書士 司法書士
主な仕事 依頼者の代理人として、民事事件の書類作成・申立事務・出廷などを行う 登記や供託の代理や裁判所や検察庁に提出する書類作成と少額の民事訴訟 登記や供託の代理や裁判所や検察庁に提出する書類作成
任意整理 手続きが出来る 手続きが出来る 書類作成のみ可能
過払い金の請求 債務額に上限なく簡易裁判所・地方裁判所で手続きが出来る 簡易裁判所で訴額1社あたり140万円以下であれば手続きが出来る 簡易裁判所で訴額1社あたり140万円以下であれば手続きが出来る
個人再生 手続きが出来る 書類作成のみ可能 書類作成のみ可能
自己破産  手続きが出来る 手続きが出来る 手続きが出来る
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これだけですとちょっと分かりにくいですよね。
もうちょっと噛み砕いて、まずは結論から書きます。

1社あたり140万円以下の借金問題・任意整理・債務整理相談は”認定司法書士”で大丈夫

司法書士には借金問題を相談することは可能ですが、”認定司法書士”ではない場合は依頼者の代理人として簡易裁判所への申し立てや請求業務が出来ません。

ですので、もし司法書士に借金問題を相談する場合は、認定司法書士を選ぶようにすると良いです。

認定司法書士であれば、1社あたり140万円以下の借金案件について、任意整理や過払い金請求の相談と、手続きを依頼することができます。

ですが、1社あたり140万円を超える訴訟案件は、認定司法書士でも手続きができません。

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日本の司法書士の約7割が認定司法書士です。司法書士に借金整理の相談をする場合は、認定司法書士を選ぶようにしましょう。

個人再生や自己破産が絡む場合は書類作成までになる

1社あたり140万円を超える借金を抱えている場合は、任意整理だけではなく、個人再生や自己破産をした方が、債務者にとってメリットになることもあります。

個人再生や自己破産について認定司法書士は書類づくりまではできますが、かわりに裁判所に行って申し立てる・質問を受けるなどの代理人になることはできません。

また、「10年くらい前に高金利で長い間返済していたことがある」という場合は、高額の過払い金が発生している可能性がある場合は、認定司法書士では解決できない可能性も高くなります。

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借金問題にくわえて離婚問題や訴訟問題が絡みそうな複雑な事情がある場合も、弁護士への相談が望ましいです。

借金相談いがいに複雑な事情がある場合は”弁護士”へ

弁護士は認定司法書士と違って、扱う法的な相談に制限がありません。
借金整理から裁判に関する全てのことをオールマイティに手続きや代行ができます。

過払い金請求や任意整理だけしか行わないことが分かっていれば認定司法書士への依頼でも大丈夫です。

しかし、訴訟や調停がおこる可能性があるような複雑な相談、マイホームを売却したくないから個人再生をしたい、自己破産の相談の場合は、最初から弁護士に相談することをお勧めします。

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最初は司法書士に相談をして相談料を払ったのに「ウチでは出来ません」という結論になってから、さらに弁護士に相談して相談料が無駄に多くかかってしまうケースもあります。

借金問題の相談先まとめ

  • 「借金整理・任意整理だけの相談」なら認定司法書士でも弁護士でも可。
  • ”司法書士”ではなく”認定司法書士”を選ぶ。
  • 1社あたり140万円を超える借金相談の場合は、認定司法書士で扱えない債務整理が出てくるので弁護士へ。
  • マイホームを持っていて個人再生や自己破産の検討をするなら、弁護士へ。
  • 「借金整理以外の問題も絡んでいる」なら弁護士への相談が望ましい。

※ただし、債務者の状況によって、少額の借金でも弁護士に依頼した方が良いこともあります。

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この先からは、もうちょっと突っ込んで解説していきます。
借金整理をされる予定の方は知識として入れておいた方が良いと思いますので、お時間がある方は読み進めてみてください。

認定司法書士とは?

”認定司法書士”とは、法務大臣から簡易裁判所の手続き業務を行える能力があると認められた司法書士のことです。この認定司法書士になるためには、年に1回の試験に合格する必要があります。

普通の司法書士の資格では代理で提出書類の作成は出来ますが、裁判所の申し立て手続きが出来ません。ですが、認定司法書士であれば簡易裁判所の申し立て手続きが行えます。

そして、認定司法書士が扱える手続きは、簡易裁判所で訴訟額が1社あたり140万円以下の場合のみです。過払い金請求手続きで訴額が高額になった場合は、依頼できない可能性もあります。
ですから、依頼前に訴額の見積を出してもらうほうが良いでしょう。

過払い金総額が140万円以上の任意整理や過払い金請求手続きの依頼をした場合、良心的な司法書士事務所であれば、弁護士への依頼を勧めてくれます。もし、そのまま手続きを進めようとしたときは断り弁護士に依頼をして下さい。

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認定司法書士は、債務総額が140万円以上の民事事件を扱った場合、弁護士法違反(非弁行為)となり刑事処罰の対象となります。

認定司法書士の見分け方は?

認定司法書士の見分け方

司法書士に債務整理を依頼する場合、認定司法書士の資格を持っているのか不安になりますよね。認定司法書士の資格の見分ける方法は、登録番号の他に認定番号を記載しているかを確認します。

例えば、”東京司法書士会XXXX号(登録番号) 認定番号XXXXXX号”という形式でホームページの事務所(会社)概要に記載または、事務所内の見えやすい場所に掲示していますので確認しましょう。

そして、近場で認定司法書士を探したい場合は日本司法書士連合会の”司法書士検索”を使用しましょう。

【関連リンク】司法書士検索(日本司法書士連合会)

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事務所のホームページに認定番号の記載がない場合は、電話やメールで確認してから相談をしましょう。

任意整理と過払い金請求は弁護士と認定司法書士どちらも相談できる

任意整理は、弁護士と認定司法書士のどちらにも相談ができます。ですが、借金問題を扱った経験のある専門家に依頼する必要があります。

なぜなら、借金問題に慣れていない人間が債権者(貸主)との減額交渉でいくら減額できるかを把握していなく、取り戻せる過払い金や利益に差ができてしまうケースがあるからです。

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最近では、司法書士費用と弁護士費用の設定は変わってきています。着手金0円の弁護士や任意整理の件数に関係なく定額で設定している事務所も増えてきています。

債権者に対して訴訟を起こす可能性がある場合は弁護士に相談する

任意整理や過払い金請求手続きの場合、手続きを進めている途中で債権者を訴訟する必要が出てくる可能性もあります。

例えば、以下の2つのケースです。

訴訟になる可能性が有る債務整理のケース

  1. 取引履歴の開示をしない
  2. 過払い金請求の支払を大幅に減額して提示してくる

このようなケースになる可能性がある場合は、司法書士よりも弁護士に相談することをお勧めします。

なぜなら、司法書士でも財務省・財務局に行政指導を依頼して債権者の態度を正すことも可能ですが、弁護士であれば最初から地方裁判所に訴訟を行い、債権者側の責任者と争うため早期解決が可能だからです。

任意整理や過払い金請求の交渉は、あまり権限のない各店舗の担当者になるため、最初から請求金額で応じる可能性が少ないのです。ですから、地方裁判所で争うことで責任者が出廷してくるメリットがあるのです。

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訴訟になる可能性の有無は、ご自身ではなかなか分からないと思いますが、1社あたり140万円以下の任意整理や借金相談のみであれば、認定司法書士への相談でも良いと思います。

個人再生と自己破産は弁護士に依頼する

個人再生と自己破産を弁護士に依頼

個人再生と自己破産は、地方裁判所に申し立てる必要があるため弁護士に依頼します。なぜなら、認定司法書士には地方裁判所の手続きをする権限がないからです。

ですが、司法書士に提出書類の作成と申し立てについて、アドバイスを受けることは可能です。自分で手続きをする分、弁護士に依頼するよりも費用はちょっと安く済むことが多いようです。

現在では、弁護士を代理人にしないと申し立てを受付けない裁判所もあります。そのため、個人で債務整理の手続きを考えている場合は、事前に申し立て予定の裁判所に代理人が必要か確認する必要があります。


今回のまとめ

任意整理や過払い金請求手続きで訴額が1社あたり140万円以下の場合は、認定司法書士にも相談や手続きが出来ます。

マイホームを守りたい、離婚問題、賠償請求など、借金相談以外の問題が絡む場合は、弁護士への依頼がのぞましいです。

とくに個人再生や自己破産になることが分かっている場合は、認定司法書士に申し立て権限がありませんので、最初から弁護士に相談をされることをお勧めします。

雨宮先生雨宮先生

弁護士よりも司法書士の相談料が低い傾向がある理由は、司法書士にはできる手続きに制限があるからです。