雨宮先生雨宮先生

自己破産を申し立てたときに、免責が認められない借金と認めらる借金があります。
税金・養育費・婚姻費用・悪意や故意の重過失による損害賠償金・罰金などの借金は認められていません。

免責が認められない借金とは?

自己破産で免責が認められない借金

「自己破産をしたら、全部の債務(借金)がゼロになる」ということはありません。

自己破産には認められない借金があって、これを”非免責債権“といいます。
ご自身の借金にこの非免責債権がないかをチェックしておきましょう。

非免責債権:免責が認められない借金

  • 租税(税金)等の請求権(固定資産税・住民税・健康保険費・年金など)
  • 下水道料金
  • 養育費・婚姻費用(扶養義務者として負担すべき費用:平成17年~に非免責債権に変更)
  • 悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
  • 故意・重大な過失による、生命や身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
  • 破産者が故意に債権者一覧に記載しなかった(債権者が破産する情報を知っていて債権の権利を放棄した場合を除く)
  • 罰金(交通反則金・放置自転車違反金など)
  • 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権(個人事業主の従業員の給料・積立金など)

免責の対象外となる項目は、破産法第253条(免責許可の決定と効力)で定められています。
上記の項目以外に、破産の申し立て後に発生した債務(借金)も免責の対象とならないため、注意が必要です。

【外部関連ページ】破産法

損害賠償債権は全て非免責債権なのか?

損害賠償金は非免責債権

損害賠償債権の全てが、非免責債権ではありません。
免責が認められるケースと認められないケースの例をご紹介していきます。

浮気が原因で妻からの慰謝料

「お酒を飲みすぎて泥酔し、知り合いの女性が誘惑してきて1度だけ肉体関係を持ってしまった。」

この場合は、悪意が存在しないため非免責債権にはなりにくくなります。(全てが当てはまるわけではありません)

交通事故慰謝料1

「飲酒運転のためにブレーキが間に合わず、被害者に衝突して大ケガを負わせてしまった。」
「よそ見運転をして被害者(自転車)と衝突して軽症を負わせた。」

飲酒運転は重過失、よそ見運転は軽過失にあたるため、被害者への慰謝料は非免責債権となります。自己破産をしても、慰謝料は支払い続ける義務が残ります。

損害賠償

「私有地と知っていながら無断駐車を繰り返し、50,000円の損害賠償を請求された。」

「無断で駐車すると、罰金50,000円を請求します」と張り紙があったのに駐車した際の罰金ですが、これは故意に不法行為を行ったため、この罰金は非免責債権となります。

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罰金については、原則として一括払いとされています。ですが、検察との交渉次第で分割での支払いを実現したケースもあります。
弁護士に自己破産を依頼する場合、罰金の分割交渉についてもアドバイスをもらいましょう。

自己破産をして免責が認められる借金は?

免責が認められる借金

  • 消費者金融・銀行など金融機関からの借金
  • キャッシング・カードローン
  • 知人・友人からの借金
  • クレジットカードの買い物
  • 滞納している家賃
  • 滞納している電気・ガス・電話代
  • 上水道代(下水道代除く)
  • 奨学金

自己破産で免責される借金は、あくまで消費者金融や貸金業者、友人・知人から借りた借金です。

自己破産申し立て時に申告しない借金は、免責を受けられません。免責を受けるには、全ての借金を申告する必要があります。

非免責債権があると他の借金の免責はどうなるの?

自己破産を行うときに”非免責債権”があっても、他の借金に対しては免責が許可されます。つまり、非免責債権の借金があるからといって、自己破産が出来ない訳ではありません。

免責された借金は支払わなくてよくなりますし、非免責借金は自己破産後も支払い続ける義務が残る、というシンプルな考え方で大丈夫です。

非免責債権の借金がある人の自己破産例

自己破産ケース1

非免責債権:58万円(妻への慰謝料)
免責債権:380万円
税金:76万円(健康保険:38万円 住民税:20万円)
消費者金融空の借金:380万円


免責許可分(支払い免除):380万円
自己破産後も支払い義務が残ったもの:非免責債権58万円+税金76万円

この例では、健康保険・住民税の76万円については、対象機関に出向き分納で支払う事を約束しました。
慰謝料についても一括で支払えないので、妻へ事情を話して復職後に分割で支払い、2年間で完納しました。

自己破産ケース2

交通違反による罰金:50万円
消費者金融:730万円


免責許可分(支払い免除):730万円
自己破産後も支払い義務が残ったもの:交通違反の罰金50万円

このケースでは、罰金50万円については親戚に50万円を借りて一括で支払いました。
その後、親戚に月続き2万5千円づつ返済をして1年8ケ月で返済を終えました。

非免責債権はどうやって支払っていくか?

これら例のように、税金・罰金などは非免責債権です。
一括で支払いが難しい場合は、税務署などに分割の支払いをお願いしたり、債権者や身内の協力を得て分割で払っていくことになります。

また、養育費も免責を受けられないことも注意が必要です。
この場合、子どもの監護者と話し合い養育費の減額をしてもらうことをお勧めします。その後、収入が安定した場合、増額の要求をされる可能性もあります。

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税金の支払いを無視していると、最終的に裁判所に訴えられて給料を差し押さえをされる可能性があります。
それぞれの税金を担当する機関に支払い方法の相談をして無理のない金額で返済する話し合いをします。


今回のまとめ

自己破産を行ったときに、認められない借金は、税金・重過失や故意の損害賠償・婚姻費用・養育費・罰金があります。
そして、債権者一覧に記載しなかった債権についても免責が受けられません。

税金の支払いについては、「小額でも納付していく意思」を示せば、分納を認めてもらえます。まずは、各公的機関に現状を説明して毎月の支払い額を交渉してみましょう。

雨宮先生雨宮先生

自己破産後でも、支払わなければいけない借金があることに注意してください。
養育費については問題になる事が多いので、事前に債務整理専門の弁護士にご相談されることをお勧めします。
最初の相談料が無料になっている事務所が多くなっています。