雨宮先生雨宮先生

今回は、”法テラス”で行っている無料の法律問題相談・弁護士(司法書士)の紹介や、利用するための条件と手続き方法について、説明をしていきます。

法テラスとは?

法テラスとは

”法テラスの3つの利用条件”をご説明する前に、法テラスはどんな機関か、どんな制度が利用できるのかを復習しておきましょう。

法テラスとは日本司法支援センターの別名で、「国民が法的制度を利用しやすくするためにできた公的機関」です。この機関では、”民事法律扶助制度”の利用ができます。

例えば、「無料法律相談」・「悩みに適した相談窓口の紹介」・「弁護士(司法書士)費用の立替え」の3つの民事法律扶助があります。
この制度は、誰でも利用できるわけではなく、厳しい条件が設定されているため注意しましょう。

法テラスの民事法律扶助制度を利用するためには、3つの条件が設定されています。

【関連リンク】民事法律扶助

民事法律扶助制度とは?

民事法律扶助制度とは、低収入で自分で弁護士や司法書士に依頼する資金の準備が困難な方のために、公的資金で扶助を行う制度です。
この制度は、2006年10月1日以前は財団法人法律扶助協会が行っていましたが、2006年10月2日より法テラスに継承されました。

法テラスで利用できる民事法律扶助の内容は?

1.無料で法律相談ができる

相談できる内容は、1回につき30分程度で民事・家事または行政に関する問題についてです。そして、1つの案件について3回までの相談が可能です。

刑事事件についての相談は、受付けていません。

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弁護士に相談する前に、相談内容の要点をまとめておくことが必要です。なぜなら、弁護士はボランティアに近いかたちで協力しているため、法テラスに常勤しているわけではないので毎回違う弁護士へ相談することになるからです。

2.弁護士費用・司法書士費用の立替

法テラスでは弁護士費用・司法書士費用の立替制度の利用ができます。この費用の内訳は、”着手金”と”報酬”についてです。

ですが、裁判所に納める予納金(破産管財人の報酬)や代理人(弁護士・司法書士)に支払う報酬については自分で用意する必要があるのです。

着手金と報酬については、借金整理・債務整理でかかる弁護士費用はいくら?のページを参考にしてください。

また、生活保護者に限り、自己破産にかかる予納金の立替もおこなっています。これを利用するには、”追加費用申立書”の提出が必要です。ですが、個人再生の予納金については立替を行っていないため注意しましょう。

立替金の返済方法は?

立替金の返済方法は、原則として口座からの毎月引き落としがされます。この引き落としは、契約した2ケ月後からはじまります。

希望があれば、コンビニ払い・銀行振り込みやまとめて数ケ月分のまとめ払いも可能です。その場合は、法テラス窓口に相談をしましょう。

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毎月の返済額は、個人の経済状態によって変わりますが、毎月5,000~10,000円程度となります。

立替金の返済が難しくなった場合は?

もし、経済状況が悪化して立替金の返済が難しくなった場合は、法テラスに相談しましょう。その事情によっては、返済額の見直しや一部免除などの措置を受けられる可能性があります。

また、新たに生活保護を受給することになった場合は、返済の猶予や免除がされる可能性もあります。

法テラスの民事法律扶助制度を利用するための3つの条件

法テラスの民事法律扶助制度を利用条件

1.収入・資産要件がある

法テラスの民事法律扶助制度を利用するためには、収入や資産が基準を上回らない必要があります。つまり、高収入の方は利用ができないしくみになっているのです。

収入基準の要件

この収入基準は、家族の収入には賞与や同居している家族の収入も含まれているため、算出時は注意が必要です。

法テラスの収入利用条件【出典】法テラス収入要件 ※東京、大阪など生活保護一級地の場合、()内の基準を適用。

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住宅ローンの支払がある方は、収入額と表にある金額を加算できます。例えば、単身者で住宅ローンが4万円ある場合は、手取り収入額が222,000円以下であれば法テラスが利用できるということです。

資産基準の要件

申し込み者本人または、配偶者が所有している不動産の時価・現金・預金を合計した金額が基準額以下であれば、利用できます。

項目 資産総額
単身者 180万円以下
2人家族 250万円以下
3人家族 270万円以下
4人家族 300万円以下

上記の表にある基準額より上回る資産を持っている場合は、法テラスの利用が出来ません。

離婚案件の場合は、配偶者の資産は合算されません。3ヶ月以内に医療費、教育費などの出費はその分が控除対象になります。

2.解決の見込みがないとは言えないこと

2つ目の条件は、今抱えている問題が和解・調停・示談によって、解決できる可能性があると判断される必要があります。例えば、自己破産を考えている場合は、免責が許可される可能性があるかの判断をされて、「許可されそう」と判断されれば民事法律扶助制度を利用できて、公的な扶助で弁護士に依頼することができます。

ですが、裁判を起こさずとも、誰の目からも勝ち目のない案件は利用ができません。例えば、「自分が故意に壊してしまった商品の代金を販売者に支払ってもらいたい」という案件は利用できません。

3.民事法律扶助制度の趣旨に適すること

3つ目の条件は、低収入で生活に困っている方のための制度のため、宣伝や嫌がらせをするための利用では無い事である必要があります。

例えば、相手に非がないご近所トラブルなどは利用ができません。

法テラスの利用手続きは?

法テラス利用手続き方法
法テラスを利用するには、予約が必要です。この予約は、電話・直接お近くの法テラスの窓口に行く・法テラスに登録している司法書士や弁護士に直接相談に行く3つの方法があります。

1.予約をする

電話で予約をするまたは直接法テラスにいく場合は、口頭で利用条件に当てはまるかの確認があります。そして、利用が可能な場合は、予約日と必要書類の説明があるためメモの準備をしておきましょう。

2.無料相談の予約日

予約をした当日は、受付で「援助申込書」に必要事項を記入し、必要書類と一緒に提出をしてから相談に移ります。

3.弁護士・司法書士費用の立替の審査結果の通知

無料相談時に提出した書類を元に審査をした結果が、2~3週間後に通知がきます。この決定は、あなたの依頼したい案件を引受ける弁護士・司法書士が見つかった場合は”代理援助開始決定通知書”が届きます。
ですが、引受ける弁護士・司法書士が居ない場合は”不開始通知書”が届きます。

※法テラス経由で手続きをする他に、法テラスに登録している弁護士・司法書士に相談に行き民事法律補助の利用手続きを進めていくこともできます。

4.紹介された弁護士(司法書士)に依頼する

法テラスから紹介された弁護士(司法書士)に、案件を依頼します。着手金と実費は、法テラスから支払われます。
利用者が、弁護士(司法書士)に直接支払うものは報酬だけです。

※弁護士(司法書士)への報酬は、自分で用意する必要があります。過払い金請求・慰謝料請求などで回収できた場合は、その中から支払うことになります。

法テラスに援助登録をしている弁護士直接に相談する

法テラスに援助登録をしている弁護士の事務所に、相談をすることでも法テラスの弁護士費用の立替制度を利用できます。この方法ですと、自分で依頼する弁護士を選べるメリットがあります。

手続き方法

手続き方法は、弁護士への予約時に法テラスを利用したいことを伝えます。そして、予約日に弁護士から指示のあった書類を持参して下さい。

その後の法テラス利用の手続きは、弁護士が代理で行います。つまり、法テラスに援助登録している弁護士を探す以外の手間がかからない・自分に合った人に依頼できるということです。

弁護士に渡す資料は、委任状以外は法テラスに提出する書類と同じです。

法テラスの利用手続きに必要な書類は?

法テラスを利用するために必要な書類を表にしたので参考にしてください。

項目 必要数 詳細 備考
援助申込書 1通 受付時に提出 法テラス窓口またはホームページにてダウンロードが可

法テラス援助申込書
【出典】法テラスの援助申込書
この申込書は、ダウンロードしたものに記入しておいたものでも提出可能です。時間を短縮したい方は、上記のリンクからご利用ください。

収入を証明するための書類

項目 必要数 詳細 備考
住民票 1通 発行から3ケ月以内で世帯全員が記載されたもの(マイナンバーの記載がないもの) 世帯人数が1人の場合は、”世帯主”の記載があれば”続柄”の記載がなくても可
1.生活保護受給証明書
2.生活保護(開始・変更)決定書
3.生活保護受給者証
1通 1・2については発行から3ケ月以内のもの
3については、現状を反映しているもの
1~3のいずれか1通
給料明細 各1通 直近2ケ月のもの
賞与明細 1通 直近のもの
源泉徴収票 1通
1.確定申告書のコピー
2.課税(所得)証明書
1通 1は、直近1年分で収受の印のあるものまたは、e-Taxの受付結果(受信通知)でも可
2.は直近のもの
自営業者の場合に収入証明のために必要
課税(所得)証明書は、役所にて発行してもらえます
いずれか1通
1.年金振込通知書
2.年金支払通知書
3.年金証書
1通 直近のもの 年金受給中の場合に必要
いずれか1通
非課税(所得)証明書 1通 直近のもの 無職で収入のない場合に必要
役所にて交付してもらいます
1. 雇用保険受給者証明書
2.離職票
3解雇通知
1通 1は、日額×28日で収入の計算をします  雇用保険を受給している場合に必要
いずれか1通

資産を証明するための書類

項目 必要数 詳細 備考
1.固定資産評価証明書
2.固定資産税納税通知書
1通 必要に応じて不動産全部事項証明書の提出を指示されることがあります いずれか1通

事案を確認するための書類

事案を確認するための書類は、解決の見込みがあるかを判断するために提出するものです。

項目 必要数 詳細 備考
債務一覧表 1通 各債務者の名称・支店・契約内容・残債務額などを記載したもの

債務一覧表を作成する場合は、記入ミスや記載漏れのないようにしましょう。
注意事項については、自己破産申し立て費用と提出書類は?を参考にしてください。

債務者の住所や名称に不備があると、債務整理の手続き内容の通知が届きません。それによって、通知を受け取ってない債務者分は免責が受けられない・取り立てが止まらないことになります。債務者一覧表の作成はきちんと見直しをしましょう。


今回のまとめ

法テラスの民事法律補助制度を利用するためには、収入による条件と解決できる見込みがあることです。高収入の方は利用できません。低収入の方は分割支払い制度もあります。
事前に予約をしてから無料相談を受けて必要書類を提出します。弁護士(司法書士)費用の立替を利用する場合は、2~3週間後の審査結果の通知が届きます。

雨宮先生雨宮先生

借金問題については、法テラスを利用しなくても、今は多くの弁護士や司法書士が無料相談を行っています。利用審査も無いので、借金整理の場合はこちらを利用される方が多い状況です。