雨宮先生雨宮先生

債務整理で過払い金請求をしていると、消費者金融側が「みなし弁済」という言葉を使って過払い金を少なくしようとしてくるケースがあります。

ですが、現在ではみなし弁済は一切認められていません。

みなし弁済とは?

みなし弁済とは

みなし弁済とは、「お金を借りる側が利息制限法の法定金利を超えた利息を払っていた場合、ある一定の条件を満たしていれば、お金を貸した側は法定利息を超えて受け取った利息を返さなくても良くなる」という制度です。

さらにグレーゾーン金利が認められていたことも手伝って、2006年1月までは過払い金を請求しても、取り戻せる消費者がほとんどいない現状でした。裁判でもずっと「グレーゾーン金利とみなし弁済が認められることは正しいのか?」と争われていました。

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2006年1月の裁判でみなし弁済が不成立になった

ですが2006年1月、最高裁でみなし弁済の成立を否定する判決が出てました。この判決で、「消費者金融側のみなし弁済が認められるケースは一切ありません」ということになったのです。

さらに出資法と利息制限法の間で生じる「グレーゾーン金利」も撤廃される判決が出ました。2006年12月には貸金業法が改正されて、2010年の6月19日以降はみなし弁済が完全に撤廃されています。

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なぜみなし弁済やグレーゾーン金利が認められていた?

「法で定められた上限利息を超えてるのに、払った利息を返さなくて良いって矛盾してるんじゃないか?」と思われますよね。

この理由の一説では、政治家と消費者金融側が長いあいだ癒着(ゆちゃく)していたため、このような制度が認められていたと言われています。政治家の選挙資金の多くが消費者金融から出ていた時代があったのです。

出資法の上限利息は29.2%、利息制限法の上限は15%の両方が混在していたむちゃくちゃな時代があったのも、政治家と消費者金融の癒着によるものと言われています。

消費者金融側から「みなし弁済ですからね」と言われたら?

もし債務整理の過払い金交渉で、消費者金融側が「これはみなし弁済が成立するから、この分の過払い金はお支払いできません」と言われた場合は、「みなし弁済は今一切認められていません。2006年の最高裁判決が出ていることも知っています」と真っ向から反論してください。

あなたの事を何も知らないと思って出まかせを言っていまし、消費者金融側も嘘を言っている事は自分でも理解しています。ひるまずに、強気に反論してください。

みなし弁済が認められる条件

みなし弁済については、貸金業法43条、17条、18条で定められています。この5項目を全て満たさなければ、みなし弁済は認められません。

みなし弁済が認められる条件

  1. 貸主が貸金業法登録を受けた業者であること
  2. 借主が金利を理解して自分の意志で支払っていたこと
  3. 貸金業者は消費者に対して、法定の契約書面を交わしていたこと
  4. 貸金業者が利息を受領した都度、法定の領収書を交付していること
  5. 利息が年利29.2%以下であること

消費者金融側が利息を受け取った領収書を全て発行することは、業務手続上膨大な時間がかかるので、この1項目だけでもほぼ不可能なことです。

相手が未だにみなし弁済を主張してきた場合は、「利息を受け取った領収書や契約書を、過去にわたって全て発行していたことを証明できますか?」と聞き返すことも交渉のうえで有効です。


今回のまとめ

みなし弁済は現在、消費者金融側については一切認められていません。

もし強気にみなし弁済を主張してきた場合は、2006年の最高裁判例を持ち出して反論しましょう。

雨宮先生雨宮先生

消費者金融は過払い金請求の負担に耐え切れず、どんどん倒産している状況です。できるだけ過払い金を支払いたくないので、法律の知識があるように見せかけて今では無効になっている事例で言いくるめようとすることもあります。
また、倒産すると過払い金の請求はできなくなりますので、早めの行動をお勧めします。