自己破産した場合の奨学金返済はどうなるか

雨宮先生雨宮先生

自己破産をすると奨学金を借りた本人の返済義務は無くなりますが、連帯保証人である親へ請求されます。

もし奨学金を返せなくて自己破産をしたら

奨学金が返せず自己破産した場合の流れ

もし自己破産をした場合、奨学金を借りた本人の借金は免責が下りて返済義務は無くなりますが、連帯保証人である親の元へ全ての請求がいきます。

例えば残り400万円の奨学金返済義務を残して自己破産した場合、400万円そのまま裁判所を通じて親の元へ請求されます。

連帯保証人である親の返済方法や借金整理方法

連帯保証人である親が借金を丸抱えするわけですから、返済していくか借金整理をする必要があります。この場合は主に4つの選択肢があります。

連帯保証人の親が奨学金返済を被った場合

  1. 一括で奨学金を返済する
  2. 分割で奨学金を返済する
  3. 民事再生(個人再生)をする
  4. 自己破産をする

1.一括で奨学金を返済する

もし親に資産がある場合は、一括で返済されることをお勧めします。もし分割で支払った場合は利息を支払う必要が出てきます。
例えば残金400万円を分割で20年支払った場合は、利息だけでも100万円以上支払うことになってしまいます。

「手元になるべくお金を残しておきたい」という考えも分かりますが、将来的に支払う利息が多額になる事を考えると、できるだけ一括での支払いが良いと思います。

2.分割で奨学金を返済する

連帯保証人による奨学金の返済は分割方法を選ぶこともできます。多くの人は、15年~25年の分割を選ばれます。奨学金の返済残金400万であれば、15年間・月々2万円の支払いが目安です。

返済期間が長くなるほど支払う利息も高額になることを忘れないでください。
もし日本学生支援機構の第一種奨学金であれば利息は付きませんが、第二種奨学金であれば変動制の金利が適用されています。金利は年0.1%から最大でも3%まで、その年によって金利が変わりますが、年利1%以下である年が多いようです。

日本学生支援機構の奨学金年利

雨宮先生雨宮先生

銀行の教育ローンだと年利4%前後ですので、日本学生支援機構の奨学金年利はかなり低く設定されていることがわかります。

3.民事再生(個人再生)をする

もし住宅ローンが残っている場合は、民事再生(個人再生)という方法もあります。
これは、住宅を処分せずに抱えている奨学金返済残高を5分の1程度に減額することが出来る制度です。住宅が残すことが出来ますが、住宅ローンの返済を減らすことは出来ませんし、持っている財産も住宅以外は処分する必要があります。

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4.自己破産する

連帯保証人である親側でも返済できる見込みがない場合は、最終手段として自己破産をせざるを得ません。
中には1000万円にもなる奨学金返済が降りかかってくる親御さんもいて、親子共に自己破産を行うケースもあります。いわゆる、”破産の連鎖”です。

親も自己破産をすれば奨学金を返済する義務は無くなりますが、もし住宅を持っていたら処分して競売にかけられますし、職業の制限、ローンが組めない、クレジットカードが作れなくなるなど、さまざまなデメリットもあります。

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もし親が奨学金返済が延滞したり拒否したら

もし親の方も奨学金返済を延滞したり拒否をしたら、5%の延滞利息、ブラックリストへの掲載、債権回収会社の督促、最終的には裁判所から返済命令が下されます。

奨学金返済が滞り続けて自己破産迄の流れ

さらに裁判所の支払い命令を無視し続けた場合は、財産の差し押さえ、年金受給者であれば年金の強制差し押さえを受けることになります。

奨学金自己破産を考える前に

多くの方が日本学生支援機構の奨学金を借りていると思いますが、「もう返せないから自己破産を・・」と考える前に、奨学金の制度を見直してみましょう。こんな特約も用意されています。

日本学生支援機構の免除・猶予・減額制度

  • 返還免除制度・・精神もしくは体の障害で奨学金が返済できない場合に適用
  • 期限猶予・減額返還・・災害・病気・失業など経済的に返済が困難な場合

【関連外部サイト】JASSO 返還期限猶予減額返還返還免除

雨宮先生雨宮先生

返還免除は「もう返さなくて良いですよ」というものですが、減額返還は「毎月の支払いを最大2分の1まで下げてあげますよ」というもので、返済の合計金額が少なくなるものではありません。返済期限猶予制度も含めて、最大10年の延長が可能になっています。

今回のまとめ

自己破産をすると借りた本人は奨学金返済からは解放されますが、連帯保証人の親の元へ請求がいきます。
親は一括・分割・民事再生・自己破産を選択することになります。

自己破産を考える前に、日本学生支援機構などの減額返還・返還免除・期限猶予を利用して返済を続けらないか確認してみてください。

それでも返済の目途が立たない場合は、民事再生(個人再生)を検討されると良いと思います。

雨宮先生雨宮先生

民事再生(個人再生)は債務整理の相談を受けている弁護士事務所で相談ができます。

借金は放置するほど遅延損害金などで傷口が広がりますので、早めの行動をされた方が良いと思います。