雨宮先生雨宮先生

住宅ローンが滞納して支払えなくなっても約1年半はそのまま住むことは出来ます。ですが、滞納した時点でリスケ債務整理などの対処法を頭に入れておきましょう。

もし住宅ローンが滞納して支払える見込みが立たなくなったら

住宅ローンが滞納して支払えない家族

住宅ローンが滞納した時の対処法

  1. 銀行に相談してリスケをお願いする
  2. 他の借金があれば個人再生(個人民事再生)や任意整理をして借金を減らす
  3. 銀行と親族に協力してもらって任意売却をする

1.まずは住宅ローンを組んでいる金融機関に相談してリスケをお願いする

住宅ローンが滞納して支払える見込みが立たなくなったら、まずは住宅ローンを組んでいる金融機関に相談して、”リスケ”をお願いします。

リスケとはリスケジュールの略で、返済スケジュールを組み立て直すことです。

例えば月々10万円・ボーナス払い25万円で25年間のローンを組んでいた場合、「家族の入院医療費の支払いが家計の負担になっている」「会社が不況で給与やボーナスが減っている」などの理由で、現在の返済プランでは支払いが難しくなったとします。

こういった場合に、住宅ローンを組んでいる金融機関に事情を説明すれば、収入や家計状況を審査したうえで、「では月々の返済は月々7万円にして、35年ローンに変更しましょう」というように、支払い続けられる返済プランに変更してくれます。これがリスケです。

リスケの条件は安定収入が見込める事と信用が必要

ですが、リスケが見込める条件は、安定収入が見込める事と、金融機関からの信用が必要になります。

信用とは、「過去に何度も滞納していないか」「今既に何カ月も滞納していないか」などです。

あなたがお金を貸している金融機関の立場だと想像すれば分かりやすいです。過去に何度も滞納していて「リスケしてください」と言われたら、「この人は危ないな」と思いませんか?
今既に滞納している状況で「リスケして欲しい」と言われたら、「どうしてもっと早く相談しなかったんですか?滞納してから相談するってどういうことですか?」と思いませんか?

マイホームの維持は二人三脚

つまり、マイホームの維持は銀行と毎月の返済で成り立っている、二人三脚のようなものです。

ローンを組んでいる人の多くは「銀行はお金を貸してくれている立場だから、相談は尻込みしている」と思われていますが、これは大きな勘違いです。銀行もローンを組んでもらって金利で儲けているのですから、お互いの立場は対等です。

そして「じゃぁ毎月こういう返済プランでお願いします。そのかわり〇千万円融資します」とお互い合意の上で約束しているのですから、住宅ローンを相談もなく滞納させるのは約束を破ったことになります。

ですので、お金を借りた銀行には滞納して支払えなくなる前に相談するべきです。

2.住宅ローン以外の借金がある場合は個人再生(民事再生)や任意整理を考える

住宅ローンを残して借金整理(個人再生と任意整理)

もし住宅ローン以外にも借金がある場合は、”個人再生(民事再生)”や”任意整理”を弁護士に相談して検討します。

個人再生(民事再生)は、マイホーム以外の借金を5分の1~10分の1に減額できる債務整理方法です。マイホームの借金は減額できませんが、個人再生手続きと同時に行う事で金融機関側がリスケに応じる可能性もあります。

個人再生手続きは裁判所を通して再生委員会とのやり取りも入り複雑ですので、借金問題に強い弁護士や認定司法書士に依頼する必要があります。

個人再生でマイホームを守った新田さんの例

個人再生でマイホームを守った新田さんの例をご紹介します。

新田さんは47歳で会社でも部長職、毎月の手取り給与は38万円で恵まれた生活を送っていました。マイホームも購入し、月々13万円のローン返済をしています。

ですが、子供が成長するにつれて教育費や仕送りの負担が増え、さらに競馬・競輪が趣味だったこともあり、銀行のキャッシングで生活費や娯楽の借金をし続けた結果、住宅ローン以外の債務が300万円、毎月の返済が7万円まで膨らんでしまいました。

それでもギリギリ返済は続けられていたのですが、会社の景気悪化で手取り給与が28万円に大幅減額。住宅ローンと銀行のキャッシング返済ができなくなりました。

ここで弁護士に借金相談をして個人再生手続きを行う事になった結果、銀行のキャッシングの借金は5分の1の60万円に減らすことが出来ました。奥さんにはパートで働いてもらうようにして、住宅ローンの返済と残った銀行のキャッシング返済を続けています。個人再生を行ったことで7年ほど新しいローンを組んだり新規クレジットカードを作る事はできなくなりましたが、マイホームは守ることができました。

このように、マイホームを守りながら他の借金を減額できる制度が個人再生です。

【関連記事】
個人再生のメリットとデメリット
個人再生ではマイホーム(持家)を手放さなくて良い?

もし個人再生が認められなかったら

もし個人再生が裁判所側から認められなかった場合は、”任意整理”で住宅ローン以外の借金を、貸金業者と弁護士や司法書士が直接交渉して減らす方法もあります。

任意整理は裁判所も介さずに行える借金整理方法で、借金の減額・将来利息のカット・未払い分の利息カット・短期で交渉ができるメリットがあります。
また、家族に知られずに借金整理をしたい場合も、任意整理をする方は多い状況です。

もし住宅ローン以外の借金がある場合は、任意整理も考えてみてください。

【関連ページ】
任意整理のメリットとデメリットは?

3.任意売却でマイホームを親族や第三者に一旦売る

マイホームの任意売却

最後の対処法は”任意売却”です。
任意売却とは、「マイホームの借金を残したまま自分で第三者に不動産を売ること」です。任意売却は銀行の許可が必要です。

もし50歳になった一家の大黒柱が勤めている会社が倒産したりリストラされたら、その後の再就職は難しく、就職できたとしても年収は大幅に下がって、まともに借金を返せる見込みは無くなります。

そこで通常は、マイホームの返済が滞納し続けた場合は銀行からマイホームを差し押さえられて、競売にかけられます。ですが競売の場合、市場相場の6~7割と安く買われてしまいます。

もし自分で第三者に売る任意売却をすれば、市場の相場でマイホームを売る事ができるので、売ったお金でなるべく多くの借金を銀行に返済できます。

残った借金は返済するか、個人再生するか、自己破産して借金整理をします。

マイホームを売ったら住めなくなるのでは?

「マイホームを売ったら住めなくなるじゃないですか」と思われたでしょう。ですので、マイホームの売却先をあなたのことを理解してくれる親族にします。売った後は、なるべく安い賃貸料で住み続けられるように交渉する必要があります。

例えば、銀行から5000万円の借金をしてマイホームを購入。ローンの返済が難しくなったので、理解のある親族(または理解のある第三者)へ一旦4000万円で売却します。

1000万円の借金が残ったので、個人再生または自己破産します。個人再生をした結果、借金は200万円まで減らすことができたので、これを3年かけて返済。
親族へ売ったマイホームは、なるべく安い賃貸料でお願いして住まわせてもらって、収入に余裕が出たらまたマイホームを買い戻します。

これが任意売却でマイホームを守る対処法です。

任意売却は簡単に銀行側が許すものなの?

「任意売却して残った借金を個人再生か自己破産されたら、お金を貸した銀行側は大損するのでは?銀行はローン返済中に売る事を許してくれるものなの?」と思われますよね。

その通り、任意売却ではローン会社(銀行など)の許可を得る必要があります。

任意売却では銀行側は損をすることが多いのですが、損を最小限に食い止められるメリットがあるのです。

例えば、マイホームを差し押さえて競売にかければ相場の6割ほどで買われてしまって、これでは銀行側の損になります。ですが、任意売却で相場に近い値段で売れてそのお金を返済してもらえれば、銀行側にとっては競売にかけるよりは得になります。

また、残った借金を個人再生や自己破産されたとしても、さらに少しのお金は回収できます。

つまり、「この人にお金を貸したけど、返済不能になったのでは仕方ない。なるべく借金を返してもらうようにベストな方法を取ろう」と銀行側が判断した場合に、任意売却することを許してくれます。

最終手段は自己破産

住宅ローンが払えなくなった時の自己破産

もし、リスケ・個人再生(民事再生)・任意整理・任意売却を検討しても、返済できる見込みが全く無い場合は、最終手段として自己破産を選ばざるを得ません。

自己破産をすればマイホームは失ってしまいますが、借金はゼロになります。デメリットは7年~10年は新たな借金やローンが組めなくなったり、自己破産免責が認められるまで仕業の職業制限がかかったりするくらいで、十分に新たな生活をスタートすることは出来ます。

ですが、もし連帯保証人を設定している場合は、残った借金は連帯保証人に一括返済を求められて、連帯保証人も自己破産におちいるケースがあります。

ですので、自己破産をする前に、連帯保証人を設定している場合は、他に手段が無いかしっかり情報収集をしたり、銀行や借金問題に強い弁護士に相談して対処法をお決めになることをお勧めします。

今回のまとめ

もし住宅ローンの返済支払いが滞納しそうになったら、まずは住宅ローンを組んだ銀行にリスケ(返済プランの変更)ができないか相談しましょう。

住宅ローン以外の借金がある場合は、個人再生や任意整理を、借金問題に強い弁護士や司法書士に依頼してください。

リスケしても返済の目途が立たない場合は、銀行と相談して任意売却を許してもらい、親族に安い値段でマイホームを買い取ってもらって賃貸として住み続け、残った借金は個人再生や自己破産をして借金整理をします。

自己破産は最終手段です。連帯保証人を設定している場合は、なるべく迷惑のかからないよう情報を集めて法律家にご相談してください。

雨宮先生雨宮先生

住宅ローンの支払いができなくなった時、家族に迷惑をかけまいと保険金のために自殺を選ばれる方がいます。
ですが、連帯保証人がいない場合は、自己破産をしたりリスケをお願いすれば何とかなっていた場合もあります。
一人で抱え込まず、債務整理弁護士などに相談されることも考えてみてはいかがでしょうか。