雨宮先生雨宮先生

自己破産免責を許可されるケースと許可されないケースの違いは、“免責不許可事由があるか・無いか”です。

免責不許可事由がある場合は、自己破産免責が認められない可能性が高くなります。

自己破産免責が許可されない理由は?

自己破産申し立てをした理由が“免責不許可事由”の対象になっている場合、免責(借金がゼロになること)が認められないことがあります。

破産法第252条によって「自己破産申し立てをしても、○○の理由で借金が返せないのでは免責は認めません」と決められています。

【関連外部サイト】破産法

免責不許可事由には何があるか?

自己破産の免責不許可事由

免責不許可事由とは、自己破産を申し立てたときに免責を許可できない事由(理由)のことです。

例えば以下のような事由です。

免責不許可事由の例

  • 故意に資産を隠したとき
  • ギャンブル・投機行為・高額な飲食・遊興(ホスト・キャバクラ)などに使用するために借金をしていたとき
  • ローンを完済前の物を不当な安価で売却したとき
  • 故意に債権者を隠していたとき(特定の人にだけ、返済をしている疑いがあるため)
  • 返済できない状態を隠して借金をしたとき(詐欺行為)
  • 自己破産免責を受けて7年以内のとき
  • 破産管財人に非協力的なとき

このような事由がある場合、自己破産申請を申し立てても、免責不許可になる可能性があります。

ですが、詐欺や故意にした悪質な事由ではない場合には“裁量免責”により、免責許可決定がされることもあります。

裁量免責とは?

”裁量免責”とは、免責不許可事由がある場合でも、裁判官の裁量で免責許可をあたえられることです。
もし、免責不許可事由がある場合でも本人が反省していると裁判官が判断した場合には、この裁量免責にて免責許可決定がされることがあります。

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この裁量免責をもらうためには、破産者は裁判官に好印象を抱いてもらう必要があります。裁判官との面接の際には、清潔な服装・誠実な態度を心掛けましょう。

裁量免責になった方の例(免責不許可事由がある場合)

Aさん:33歳 女性 借金総額:320万円

高額なブランド品や旅行にカードを使用した。
Aさんは、裁判官との面接の際に、きちんと反省していること・今後は、家族のためにも同じことをしないことを伝えました。
裁判官は、Aさんが反省していることを認め、今後は生活を改善するものと信用して免責の許可をした。


Bさん:40歳 男性 借金総額:280万円

パチンコ・競艇に使うために消費者金融から借りた。
Bさんは、最初は利息だけでも払っていたことを伝え、消費者金融の怖さを実感したため、2度と借りない旨を話した。
裁判官は、Bさんの生活再建の可能性を考えて免責の許可をした。

Cさん:27歳 男性 借金総額:600万円

キャバクラに通うためのお金をカードで借りていたが、減給により返済が難しくなり消費者金融から借りた。
Cさんは、裁判官に正直にキャバクラに通っていた経緯と話し、甘い考えで消費者金融からお金を借りたことを反省しました。
裁判官はCさんが反省していると認めて免責を許可した。


このように、免責不許可事由がある場合でも、免責が許可される可能性があるのです。

現実には自己破産申請をした約9割の方が裁量免責されています。結局、支払い能力のない人を免責しないままでいると、次のスタートを切ることがいつまでも出来ないからです。

雨宮先生雨宮先生

免責不許可事由がある場合に自分で自己破産手続きをすると、無知識のうえに書類不備が多くなって、免責不許可になる可能性が高くなっています。

ですから、免責不許可事由のリストに自分が当てはまる場合は、弁護士に相談依頼するようにした方が、面倒な手続きから後処理、適切なアドバイスの元で自己破産と免責を成功させることができやすくなります。

自己破産で絶対に免責が受けられない例

稀にですが、自己破産をしても免責を受けられないケースがあります。

その多くが、借金を返済する能力があるのに資産を隠していた、所得を隠していたことが裁判所側に知られてしまうケースです。いわゆる、計画的な自己破産や詐欺です。

絶対に免責が受けられないケース

  1. 計画的な自己破産
  2. 財産隠しをしてからの自己破産申し立て
  3. 返済能力が無いのに騙して借金を借りて自己破産をする等(詐欺罪にあたる)
雨宮先生雨宮先生

特に3番目の理由は詐欺罪にあたりますので、他の債務整理方法を行っても借金を整理することはできません。

今回のまとめ

自己破産の申し立てをしただけで、免責を受けられる訳ではありません。“免責不許可事由”があるときは、免責が許可されないケースもあります。

ですが、裁判所に反省文を提出したり、裁判官との面接時に誠実に対応することで、“裁量免責”が受けられる可能性も残っています。

雨宮先生雨宮先生

自己破産を申し立てる前に、ご自身の借金が免責不許可事由ではないかの確認をしましょう。
自分が免責不許可事由に該当する場合は、債務整理専門の弁護士の力を借りて裁量免責を受けるような手続きを踏むことが重要です。