雨宮先生雨宮先生

「借金が返せない、でも住宅ローンが残ってて売りたくない」という方の為の債務整理方法として、個人再生(民事個人再生)という方法があります。

これは住宅ローン以外の借金を5分の1~10分の1に減らすことができる制度です。

個人再生(民事個人再生)とは

借金を返せない住宅ローンで売りたくない場合の個人再生手続き

個人再生(民事個人再生・小規模個人再生)は2000年頃から出来た借金整理方法で、主に住宅を持っている方の生活を壊さずに、借金整理することを目的としたものです。

この制度を利用するためには、弁護士に依頼して裁判所の個人再生委員会から許可を得る必要があります。

個人再生が認められるとこうなる

個人再生のメリット

  • 借金総額が100万円~500万円以下は最大100万円の減額
  • 借金総額が500万円~1500万円以下は最大5分の1に減額
  • 借金総額が1500万円~3000万円以下は最大300万円の減額
  • 借金総額が3000万円~5000万円以下は最大10分の1に減額
  • 住宅は残せるが住宅ローン残高は減らない
  • 自己破産のように持っている財産を処分されずに済む
  • 借金した理由が問われない
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詳しくは「個人再生のメリットとデメリット」のページもご参考ください。

自己破産と個人再生を比べた場合のメリットデメリット

自己破産と個人再生を比べたメリットデメリット

借金が5分の1から10分の1に減額されるって、何だか不思議な話に思われているのではないでしょうか。

ではここで個人再生を自己破産と比べた場合の、債務者(お金を借りた側)と債権者(お金を貸した側)のメリットとデメリットをご紹介しましょう。

住宅ローンを抱えながら自己破産した場合と個人再生した場合の比較

住宅ローンでお金を貸した銀行側から見た場合

例えば住宅ローン残り3000万円返せずに自己破産した場合、住宅は銀行の担保になっているので取り上げられて競売にかけられてしまいます。

ですが競売だと市場価格の6~7割程度のお金しか回収できないので、銀行側にとってみれば「自己破産されては損だ。何か別の方法で住宅ローンを完済してもらった方が得だ」となります。

ということで、個人再生をしてもらった方が住宅ローンでお金を貸している側にとっては嬉しいのです。住宅を買った債務者も、できればそのまま住み続けたいと思うでしょう。

住宅ローン以外のお金を貸した貸金業者から見た場合

次に住宅ローン以外の借金について考えてみます。

例えば〇×金融が400万を貸していて、債務者(あなた)が返済できず自己破産されてしまいました。
〇×金融が回収できるお金は、債務者(あなた)の全財産から99万円の現金や預貯金と20万円以下の物品資産を差引いたものになります。

借金を返せなくなっている債務者の場合、財産はほとんど残っていないことの方が多いので、金融会社などの貸金業者は借金をほとんど回収できないケースが多いのです。

さらに、住宅はローンのお金を貸した銀行が抵当権を持っていますから、住宅を競売にかけて売れたお金は消費者金融に分配されません。

もし個人再生をした場合は、400万円の借金なら80万円まで減額されるとはいえ、自己破産をされるよりも返してもらえる借金は多くなります。金融会社も「仕方ない。自己破産されるよりは少しはお金を回収できるか・・。」と個人再生することを認めます。

個人再生の方がお金を回収できるので金貸しにとってもメリット

つまり、銀行側や貸金業者側からすれば、自己破産されるよりも個人再生してもらった方が、借金の回収額が多くなるから、借金の減額を了承するのです。

そして債務者(あなた)も住宅を失わずに済むので、あなたと住宅ローンを組んだ銀行、貸金業者みんなが救済されることになるのです。

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とはいえ、1番損をするのは金融会社などの貸金業者です。「自己破産されて全くお金を回収できないよりは・・」という損得勘定です。

個人再生をして減額された借金はどうやって支払う?

個人再生後の残った借金返済方法
裁判所から個人再生が認められたら、残った借金は3年をかけて振り込みで返済していくことになります。
この時は残った借金に利息も付かないので、落ち着いた気持ちと生活のなかで返済を続けることができます。

住宅ローンは減額されないので、従来通りに返済を続ける必要があります。ですが、自己破産を考えるほど生活に困窮してた状況ですから、銀行側にお願いして返済プランを変更してもらう事も可能です。(これを”リスケ(リスケジュール”と言います)

例えば、毎月8万円返済でボーナス払いは25万円で組んでいた住宅ローンを、個人再生にあたって向こう3年間は毎月6万円とボーナス払い15万円に変更してもらう、といった感じです。これはばあいによっては銀行側に事情を説明して、直接交渉する必要があります。

滞納する前に、事前に相談した方が銀行の心証を悪くせずに交渉がまとまりやすくなります。

【関連記事】住宅ローンが滞納しそうな、支払えない時にマイホームを守る対処法

もし返済が滞ったら?

もし個人再生後に残った借金の返済が滞ったら、債権者側から申し立てられて、個人再生が取り消されて借金の減額措置がリセットされる事も有ります。

ですが、会社が倒産したりリストラされたなどのやむを得ない事情で返済が厳しくなった場合は、事前に裁判所側に相談することで、毎月の返済額を少なくして、返済期間を5年以上に延長してもらう事も出来ます。

3分の2を返済しおえていれば、残りの借金返済が免除される”ハードシップ免責”という制度もあります。

これらの救済制度を受けるには、個人再生を担当した弁護士に早めにご相談することをお勧めします。

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個人再生をしたら、滞納する前に住宅ローンを組んでいる銀行や返済中の金融会社、弁護士に相談することです。

滞納してから相談すると「なんでもっと早く相談しなかったんですか」と言われてしまい、交渉が上手くいかなくなってしまいます。

今回のまとめ

借金が返せなくて住宅ローンを残ってて売りたくない場合は、個人再生(小規模個人再生・民事個人再生)という債務整理方法が役に立ちます。

住宅ローンを減らすことはできませんが、それ以外の借金を5分の1~10分の1に減らすことが出来ます。

裁判所が絡み手続きが難しいので、弁護士を代理人にする必要があります。

雨宮先生雨宮先生

日本経済が不況の影響を受けて、借金や住宅ローンの返済が厳しくなって個人再生手続きをする債務者さんが年々増加しています。

自己破産すると住宅を失ってしまいますので、困った場合は弁護士に相談して手続きを検討してみてください。