雨宮先生雨宮先生

借金をしたのにお金が戻ってくるのは、法律で定められた利息よりも多く払い過ぎていた場合です。

借金をしたのにお金が戻ってくる仕組み

では、借金でお金が戻ってくる仕組みを、なるべく難しく書かずに解説していきたいと思います。

お金を借りると必ず利息を支払わなければいけない

銀行や消費者金融などの貸金業者からお金を借りる場合、かならず利息を付けて返済しますよね。例えば、2016年だとプロミスから50万円の借金をしたら、年に17.8%の利率、つまり、1年で89,000円の利息が発生します。

これは借金をする時に、

金融業者金融業者

ウチはこの金利であればお金を貸しますよ。


債務者さん債務者さん

はい、その金利条件で大丈夫ですのでお金を貸してください。


金融業者金融業者

じゃぁ契約書です。印鑑とサインをお願いします。


債務者さん債務者さん

分かりました。毎月○○円、利息を付けて返済することを約束します。

という、お金の貸し借りの契約を結んでいます。
ここまではほとんどの人が分かりますよね。

金利(利息率)の上限は法律で決められている

では次に”法定利息・法定利率”についてです。
日本にはお金を貸す業者向けの法律があって、「このくらいのお金を貸す場合は、1年での利息はこれくらいまでなら請求してもいいですよ」と決められています。

これが”利息制限法”です。


貸金業の法定利息率


2016年現在では、「10万円未満なら年利20%以内、10万~100万円未満は年利18%以内、100万円以上なら15%以上の利息を取ってはいけませんよ」となっています。

法を超えた利息を取る事が許されていた時代がある

借金をしたのにお金が戻ってくる仕組みところが、金利についての法律は2008年頃までは”利息制限法”と同時に”出資法”が同時に存在していました。

この出資法を適用させてお金を貸すと、貸金業者は年間最大29.2%もの利息を取ることが許されてしまっていたんです。

利息制限法と出資法の違い

おかしな話ですよね。100万円を借りたら、利息制限法では年間の利息は多くても15万円です。ですが出資法で契約していたら年間の利息は29万円にもなってしまいます。

お金を貸している側からすれば、「利息が高いと儲かって嬉しいのは当たり前。でも法の決まりの範囲内だし消費者も納得している。」と思うでしょう。
ですがお金を借りている側からすれば「お金が無い人の足元を見て、利息制限法を超えた貸し付けをしてるなんておかしいでしょう」と思うでしょう。

裁判でも「利息制限法と出資法、どっち?」とずっと争われてきていました。ですが、こんな矛盾があっても長い間黙認され続けていたんです。その背景には、サラ金や消費者金融側と政治家資金提供の癒着があったとも言われています。

これがグレーゾーン金利!

そして、この当時の利息制限法の最大利率から出資法の最大利率29.2%までの金利範囲のことを、”グレーゾーン金利”と言います。

グレーゾーン金利の金利範囲

白でも黒でもない、「サラ金側と借りる側のお互いの合意があれば、29.2%以内の金利なら悪く無いですよ」というまさに灰色の金利です。

人は「お金がどうしても必要、借りたい!」と思えば、ちょっと高い金利でも借りてしまうものです。2008年頃までのサラ金などの貸金業者は、このグレーゾーン金利を利用して利息制限法よりも高い利息を取っていたんですね。

債務者さん債務者さん

今さらですけど、この29.2%って金利、高くないですか?利息制限法こえてますよ!


金融業者金融業者

いやいや、出資法で貸してますからね。法律に従ってますよ。それに契約書もありますから。


債務者さん債務者さん

出資法?2種類の金利制度があるんですか?それおかしいですよね。この国はどうなってるんだ・・。裁判で決着を付けます!

2008年の裁判で利息制限法と出資法に決着!

貸金業法改正利息制限法と出資法

そんな中、2008年の裁判で「みなし弁済は無効」という判決が下されました。みなし弁済についてはちょっとややこしいので、詳しくは消費者金融から「みなし弁済になってるから」と言われたら?のページも読んでみてください。

簡単に言うと、「利息制限法を超えた金利でお金を貸して、それまで得ていた利息は無効ですよ」という判決になったのです。

つまり、利息制限法よりも高い利率計算で利息を払っていた人は、貸金業者に請求すればその分のお金を”過払い金”として返してもらえる権利が認められました。

これが、「借金をしたのにお金が戻ってくる仕組み」の答えです。

過払い金請求がブームになる

過払い金請求

この判決から、過払い金請求がちょっとしたブームになりました。
今まで利息制限法の2倍近い利息を貸金業者に払っていたわけです。5年、10年と返済し続けていた人の場合は、戻ってくるお金が100万円を超す事は珍しくありませんでした。

さらに、過払い金には年5%の利息を貸金業者に請求することができます。
例えば過払い金が100万円あったとして、完済して5年後に過払い金請求をしたとすれば、利息込みで約125万円の返還請求をすることができます。

過払い金の支払いに耐えかねて倒産していくサラ金

このことはサラ金側にとっては大事件です。今まで利益として計上していた利息を、請求されれば逆に利息を付けて返さなければいけなくなったのです。

2008年以降、過払い金請求額は年間5000億円という凄まじい金額になりました。ですがこの返済に耐えかねて、大手から中小のサラ金がつぎつぎに倒産していきました。
一時期はダンスのCMで有名になった武富士、SFコーポレーション(三和ファイナンス)、アエル(日立信販・ワールドファイナンス・ナイス)、丸和商事(ニコニコクレジット・ダイレクトワン)、マキコーポレーション、NISグループ(ニッシン・オリエント信販)が破産していきました。

残念ながら、倒産してしまったサラ金からは過払い金請求は出来なくなっています。

過払い金の返還請求には時効がある

もし、今から過払い金の返還請求をしようとお考えであれば、すぐにでも行動を起こしてください。
なぜなら、過払い金の返還請求には時効があって、「最後の取引から10年以内迄」と法律で定められています。

ポイントは「最後の取引まで」です。つまり、最終返済日が今から10年以内で、その貸金業者がまだ倒産していなければ、過払い金を請求できるということです。

近年の貸金業者は利息制限法を守っている

2008年の裁判判決があってから、貸金業法も改正が行われて、出資法の金利も利息制限法と同じになりました。ですので、2010年頃から借りた借金については、過払い金はほとんど発生していない可能性が高いと思います。

ですが、中には利息制限法を守らず、高い利息を取っている貸金業者もいるので、もしそういったところからお金を借りていれば、お金が戻ってくる可能性はあります。

雨宮先生雨宮先生

「10年くらい前にサラ金からお金を借りていて、数年かかって返済していたな・・」と心当たりがある人は、過払い金が発生していてお金が戻ってくる可能性が高いと思います。
過払い金請求相談であれば、無料相談・着手金無料を行っている弁護士事務所が多くなっています。