雨宮先生雨宮先生

自己破産の申し立てをして、裁判所から破産を認められたとき、無くなる借金と支払い義務が残る借金があるのをご存じでしょうか?

借金は全部無くなるとは限らないのです。

自己破産が認められた場合に無くなる借金は?

裁判所が自己破産を認めて免責決定がされると、どんな借金が免責されるのでしょうか。大まかに例をご紹介します。

自己破産をして無くなる借金

  • 金融会社(消費者金融・銀行)からの借金
  • 知人・友人からの借金
  • 悪意や重過失・故意によらない損害賠償金(例:浮気による慰謝料・店舗内にて品物を破損した損害賠償金・軽過失による交通事故の慰謝料など)
  • 家賃の滞納分
  • 光熱費の滞納分(ガス・電気・水道代:上水のみ)
  • 携帯やスマホなどの通話料金や商品購入に使用した滞納分
  • 日本放送協会(NHK)の受信料の滞納分

これらの借金は、自己破産の申し立ての際に“債権者一覧”に記載しておかないと免責されないので、注意しましょう。
そして、見落としがちな個人間での借金・携帯料金・光熱費の滞納分なども、忘れずに記載してください。

雨宮先生雨宮先生

携帯・スマホの滞納金がある場合、自己破産で免責を受けると滞納分の支払いは無くなりますが、強制解約になるため注意が必要です。

自己破産手続きで支払い義務の残る借金とは?

自己破産をして残る借金

法人の破産の場合は、会社自体が解散して債務者の存在が無くなるため、債務(借金)を支払う義務がなくなります。
ですが、個人の場合は自己破産が認められても、支払い義務が残る借金があります。

この支払い義務がある借金を”非免責債権”といいます。

自己破産をしても残る借金

  • 税金(健康保険料・年金・地方税・下水道代など)
  • 罰金・追徴金・刑事訴訟費用など
  • 悪意で加えた不法行為による損害賠償金
  • 故意・重過失による生命または身体を害する損害賠償金
  • 妻・夫に対するDVが原因の慰謝料
  • 婚姻費用・養育費の滞納分(支払い義務は残りますが、実質は減額するか収入が安定するまで支払えない状況になります)
  • 個人事業主の従業員の給料・預かり金など
  • 破産者が故意に債権者一覧に載せなかった債権(債権者が破産の決定を知っていた場合を除きます)

国民年金に関しては、保険料の全額・3/4~1/2の免除や延滞金の免除、または、納付猶予が受けられる可能性があります。詳しくは、日本年金機構に保険料免除・納付猶予の相談に行きましょう。

【関連外部サイト】日本年金機構「経済的に国民年金の支払いが難しいとき」

また、非免責債権も含めた全ての借金は、債権者一覧に記載する必要があります。
「どうせ、免責されないなら記載しなくていいや」と故意に債権を記載しないことは、免責不許可事由に該当するため、必ず全ての債権を記載しましょう。

雨宮先生雨宮先生

個人の破産の場合は、”非免責債権”にあたる借金は残ることになります。

ですが、破産手続きの開始が決定されると借金の取り立てが無くなるため、金融会社へ支払っていた分を税金や養育費などの支払いにまわすことができます。

自己破産後に必要な注意事項!

自己破産で免責許可が下りたからといって、収入分を好きに使える訳ではありません。
免責が認められない借金の返済・家賃・光熱費・携帯代を含めたお金の使い方を考えてみましょう。

自己破産後に生活やお金の使い方の見直しをしたAさんの例

Aさん
(男性 33歳 手取り収入20万円)
家賃 5.5万円
光熱費 1.2万円
携帯代 0.6万円
食費 3万円
交際費 1万円
税金
(滞納分の分割支払い含む)
6万円
支出合計 17.3万円

Aさんは、自己破産決定後に、携帯のプランを安いものに変更したり、国民年金の延滞金と1/2の保険料の免除を受けました。その他の税金の支払いも分納にしてもらいました。

破産前の生活では、外食中心でしたが自炊するようになって、食費を1ケ月6万円から3万円に減らすことが出来ました。生活用品に不必要な買い物も、控えるように心がけました。

結果として、Aさんは自己破産後でも現在の収入で人並みに生活をすることができていて、少しずつ貯金もしています。

自己破産後にお金の使い方の見直しをしなかったBさんの例

Bさん
(男性 28歳 収入23万円)
家賃 5.7万円
光熱費 2万円
携帯代 1.4万円
食費 8万円
交際・娯楽費 3万円
税金
(滞納分の分割支払い含む)
2.8万円
支出合計 22.9万円

Bさんは、「金融会社から借金していないんだから、普通に生活していいんだ」と深く考えずに、自己破産後も破産前と変わらないお金の使い方を続けました。毎月もらった分の給料を全て使う生活で、貯金もありません。

そんな中、体を壊して3カ月休職。有給も無くなり病院費用が負担になって、ついには税金滞納分が支払い不能になりました。

結果としてBさんは、税金の滞納により給料の1/4を差し押さえされてしまいました。
その後、考えが甘かったことを反省して食費や娯楽費を控えて、収入にあった生活をするようになりました。

雨宮先生雨宮先生

貯金がゼロだと、いざという時に生活がパンクしてしまって、借金返済も滞納することは明白です。

借金が無くなったからといって浮かれてはいけない。生活を変える必要がある!

Bさんのように、自己破産をして免責決定がされると、借金から解放されたと浮かれてしまう人も居ます。

お金の使い方を見直さなかったために、最悪の場合はヤミ金に手を出して、取り立てに怯える生活に戻ってしまう人もいます。

自己破産後に借金で生活が苦しくなっても、自己破産をしてから7年以内はふたたび自己破産をして免責が受けられません。

自己破産は7年に1回しか利用できない最終手段です。それを利用してしまうのですから、次は借金をしない生活を心がけるべきです。

闇金はあなたを狙っている!

借金の返済が免責されないことを理解している悪徳な金融会社から、「無条件でお金を貸しますよ」などのダイレクトメールなどが届くこともよくあって、ずるずると借金地獄に引き込もうと機会をうかがっているのです。

自己破産をすると官報に掲載されてしまうので、それを悪徳金融会社は常にチェックをしていて、リストを作っているのです。

いいですか。
自己破産をしたら、お金に困っても借金をしないで下さい

雨宮先生雨宮先生

自己破産が決定しても、免責されない借金や破産決定後に生じた料金については、支払い義務があるのです。

自己破産をしたら、支払い分のことを考えたお金の使い方を心掛けましょう。


今回のまとめ

裁判所に自己破産が認められても、全ての借金が無くなるわけではありません。免責される借金とされない借金があります。

免責されない借金は、税金・罰金・悪意による不法行為の損害賠償金・重過失による損害賠償金・婚姻費用・養育費・従業員への給料や預かり金の返還などがあります。
この免責されない借金については、支払い義務が残ります。

雨宮先生雨宮先生

自己破産後は、生活をしっかり見直して、免責されない借金の返済の計画を立てましょう。税金については分納での返済が可能です。
身の丈に合った生活を心がけて、無理の無い金額で、少しずつでも返済していくことが大切です。