雨宮先生雨宮先生

個人事業主が個人再生を利用する場合は、”小規模個人再生”を利用することになります。利用条件は、住宅ローンを除いた借金総額が5000万円以下、定期・反復収入があることです。

個人事業主用の民事再生「小規模個人再生」とは

個人事業主の個人再生「小規模個人再生」利用条件
個人再生には”小規模個人再生””給与所得者等再生”の2種類があります。

給与所得者等再生は、字の通りに「給料をもらっている人のための個人再生」ですので、個人事業主は小規模民事再生を利用することになります。

ですが、この制度を利用するためには次の条件を満たしている必要があります。

小規模個人再生を利用出来る条件

  • 住宅ローンを除いた借金総額が5000万円以下であること
  • 将来にわたって定期的・反復的に収入が見込めること

小規模個人再生でどのくらい借金が減らせる?

小規模個人再生は「このくらいまでは借金を減らせますよ」という金額が決められています。

この金額を”最低弁済基準額”といって、借金額によって5種類のパターンに分かれています。

小規模個人再生の最低弁済基準額

  1. 借金総額100万円未満・・減額無し
  2. 借金総額100万円~500万円・・100万円の減額
  3. 借金総額500万円~1500万円・・5分の1に減額
  4. 借金総額1500万円~3000万円・・300万円に減額
  5. 借金総額3000万円~5000万円・・10分の1に減額

例えば3の「借金総額500万円~1500万円」に該当していたとします。この場合は小規模個人再生を利用すれば、借金が5分の1になります。1000万円の借金があれば、200万円まで減らすことができて、残った借金は3年~5年をかけて支払っていくことになります。

定期的・反復収入があることが利用の最低条件

個人事業主のための小規模個人再生を利用するには、「定期的・反復収入があること」が最低条件です。

小規模個人再生では借金を減らすことはできますが、ゼロにすることは出来ません。残った借金を返済できると見込める人のための救済制度ですので、それなりの定期・反復収入は最低限必要なのです。

どのくらいの定期・反復収入が必要?

小規模個人再生利用に必要な収入額
具体的にどのくらいの定期収入が必要になるかですが、毎月収入から住宅費を差し引いて3で割った数字が最低弁済基準額を36の数字で割ったよりも上回っていることです。

例えば、個人再生をして1000万円の借金が200万円に減るとします。この場合は200万円を3年間(36カ月)で返済する必要があるので、毎月5.6万円ずつ返済することになります。

そしてこの個人事業主の方の住宅費が月10万円だとして、手取り月収28万円であれば、

”(28万円-10万円)÷3=6万円(この人の毎月の返済能力はこれくらい)

つまり、この個人事業主の方の返済能力は毎月6万円はあるということになります。対して小規模個人再生で残った借金の返済額は毎月5.6万円ですから、ギリギリですが何とか返済を続けられる収入とみられて、個人再生が認められる可能性は高いでしょう。

もし手取り月収が20万円程度であれば、毎月の返済能力は3.3万円になるわけですから、これだと3年かけて200万円の返済はできない事が分かります。これだと個人再生が認められない可能性は高いでしょうですが、家族が新たに働きに出て家計収入が増えることが証明できれば、個人再生が認められる可能性もあります。

不定期の収入の場合

個人事業主は季節によって売り上げが変動したりする不定期収入のことも多いので、3ケ月に1回は返済金額を用意できることが認められれば、個人再生できます。

例えば、個人再生をして毎月6万円の返済になるとすれば、3カ月分だと18万円です。つまり、3ケ月ごとに18万円返済できる能力を提示する必要があります。

雨宮先生雨宮先生

年に1回大きな売り上げがあるような事業形態だ状況だと、個人再生が難しくなるかもしれません。

もし定期収入・反復収入が無い・少ない場合は?

もし定期収入・反復収入が無かったり、少ない場合は、個人再生委員会との交渉・相談次第では返済期間を4年、5年と延長してもらえる可能性はあります。

ですが、この交渉・相談でも無理と判断された場合は、自己破産を選択することになってしまいます。

雨宮先生雨宮先生

交渉・相談のためには弁護士の力を借りることがベターです。個人再生は手続きが複雑で準備書類も多いので、手続きや交渉・相談について熟知している必要があります。

今回のまとめ

個人事業主が個人再生を利用する場合、”小規模個人再生”を利用できます。

ですが、利用条件は借金総額が5000万円以下であること、定期的・反復的に最低弁済基準額上回る収入を得ていることが条件になります。

雨宮先生雨宮先生

個人事業主の個人再生は、定期収入・反復収入の条件がポイントになりますが、他に財産や資産を持っていることでも利用条件が変わることもあります。
いろんなケースがあるので、債務整理や借金問題を専門にしている弁護士にご相談されることをお勧めします。