債務者さんからのご質問

借金の返済が滞ってまともな生活ができないくらいだと、自己破産した方が良いと聞きます。
ですが、借金の額や収入の状況にもよると思いますので、具体的な目安が知りたいです。

雨宮先生雨宮先生

定期収入がある人の場合、手取り年収から住居費を引いて3で割った金額が、借金の年間返済額を超えるような場合は自己破産が認められる可能性は高くなります。

自己破産が認められる条件は?

自己破産が認められる収入と借金額
自己破産は破産法で細かい決まりが定めらています。
その中の15条1項では、「債務者が支払い不能にあるときは、裁判所は申し立てにより、決定で破産手続きを開始する」と規定されています。

そして2条11項では支払い不能についての定義を「債務者が支払い能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に返済することが出来ない状態を言う」としています。

法律で定められているのはこれだけで、具体的に「借金がこれくらいなら自己破産を認めますよ」とは法律で定義されていないのです。

つまり、自己破産が認められるかは”継続して借金の返済が不能状態であるかどうかがケースバイケースで審査される”ということです。

支払い不能であるとされる借金と収入の目安

このように自己破産が認められるかはケースバイケースになっていますが、”一応の借金と収入の目安”がありますのでご紹介します。

自己破産認定の借金・収入の目安


借金年間返済額 > 手取り年収-居住費÷3
or
借入総額 > 年収×1.5
雨宮先生雨宮先生

上記のような2つの目安が設定されていて、どちらかに当てはまれば自己破産が認められる可能性は高くなります。

それでは次に、具体的に自己破産が認められる・認められないケースを借金額と収入別でご紹介していきます。

自己破産が認められるケース

自己破産が認められるケース

Aさん:サラリーマン
手取り年収:350万円
居住費(家賃):50万円
借金総額:360万円(3年で完済する契約)
年間借金返済額:120万円

(350万円-50万円)÷3=100万円(年間返済可能額)

サラリーマンのAさんは手取り年収350万円、アパート暮らしで居住費が年50万円。

ここから計算するとAさんが1年間で借金を返済できる能力は100万であることに対して、1年間に返さなければいけない借金額は120万円。返済できる能力をオーバーしています。

この場合は、自己破産が認められる可能性が出てきます。

財産次第では認められないことも

ですが、これは財産が全くない場合を仮定して計算しています。

もし売却して60万円くらいの財産を持っている場合は、1年間の借金返済能力が上がってしまいますので、自己破産が認められない可能性も出てきます。

自己破産が認められないケース

自己破産が認められないケース

Bさん:サラリーマン
手取り年収:550万円
居住費(家賃):70万円
借金総額:360万円(3年で完済する契約)
年間借金返済額:120万円

(550万円-70万円)÷3=160万円(年間返済可能額)


年収550万円 × 1.5=825万円

BさんはAさんより年収も家賃も高いです。ゆえに、1年間に返済できる能力は160万円です。

借金総額は360万円と一見高額ですが、3年間の返済プランですので1年間の借金返済額は120万円。年間返済可能額も160万円で、現状でも完済できるの見込みは十分にあります。

2つ目の条件である「借金総額が年収に1.5を掛けた額を上回る」に当てはめても、Bさんが借り入れられるお金は825万円。それに対して現在の借金は総額360万円です。

つまりこの場合は、自己破産が認められる可能性は低くなります。

サラリーマンの場合は借金総額よりも年間返済可能額で審査される

このように、サラリーマンのような定期収入がある仕事に就いている場合は、「1年間で返済できるお金はいくらなのか?」が自己破産審査のポイントになります。

借金総額が大きくても、居住費が少なかったり年収が多ければ、自己破産が認められる可能性がどんどん少なくなります。

自営業者の場合は?

自営業者の場合も基本的にはサラリーマンと同様です。自営業者は継続的な安定収入があることが少ないので、確定申告の総額から経費や税金を差し引いた金額から、自己破産可能かどうかが審査されます。

借金総額が150万円でも支払い不能と認められるケースもある

とはいえ、サラリーマンでなく、病気で働くことが出来なくなった人の場合はどうでしょうか。

働くことが出来なければ無職の扱いになりますし、収入がゼロになっているわけですから、継続して返済支払いが不能と認められる可能性は高くなります。

実際に、借金総額が150万円以下でも自己破産が認められた判例は存在しています。

もし自己破産が認められなそうだったら任意整理を

自己破産が認められない場合は弁護士に任意整理相談をする

もし「自分の収入と借金額、年間返済額を計算してみたら、自己破産は認められなそうだ。でも諸々の事情で借金返済が辛い。今は返済が続けられるけど、将来的に自己破産に追い込まれてしまいそうだ」という場合は、自己破産以外にも借金整理をする”任意整理”という方法があります。

任意整理は、借金問題を専門にしている弁護士や認定司法書士に依頼して、貸金業者に「こういう事情ですので、借金を少し減らしてください。でないと債務者が返済不能に陥って将来的に自己破産まで追い込まれますよ」と交渉する手続きです。

貸金業者にとっては「将来的に自己破産されたら回収がゼロになってしまう。であれば、借金を減額して借金をなるべく多く回収しよう」と、交渉に乗ってくれるのです。

【関連ページ】任意整理のメリットとデメリットは?

雨宮先生雨宮先生

任意整理を行う事で、平均的には借金総額が2~3割減らすことが出来たり、これから発生する利息がカットしてもらえます。
取り立て行為も一切止まりますので、静かな生活の中で残った借金を着実に返済していくことができます。

今回のまとめ

自己破産が認められる目安は、『借金年間返済額 > 手取り年収-居住費÷3』か、『借入総額 > 年収×1.5』に該当する場合です。

特にサラリーマンの場合は、借金総額よりも年間返済可能額で審査されます。無職や病気で働けない理由がある場合は、支払い不能者と認定されて150万円以下の借金でも自己破産が認めらた判例があります。

もし自己破産が認められそうになく返済が辛い場合は、借金問題を専門にしている弁護士や認定司法書士に任意整理ができるか相談してみてください。

雨宮先生雨宮先生

借金問題を専門にしている弁護士であれば、最初の相談は無料で行っている事務所が多くなっています。