債務者さんからのご質問

自己破産を弁護士に依頼するメリットはどんなものがあるのでしょうか?

自己破産は自分ひとりでも手続きができるそうですし、それだと費用も安く済むと聞きました。
なのに弁護士に数十万円もの高い費用をかけて依頼する理由がよく分かりません。

雨宮先生雨宮先生

弁護士に依頼するメリットは、債務者の取り立てが早く止むことと、もし処分する必要がある不動産・動産がある場合は”少額管財手続き”と”即時面接”が利用できる裁判所管轄で自己破産した場合、予納金が安く免責決定までの期間が大幅に短縮できることです。

処分する財産が無い場合は自己破産は自分一人で手続きを

一人で自己破産手続き

もし処分するような財産が無い場合は、ご自身一人で行われた方が費用はかなり安く済みます。

処分する財産が無い状態で自己破産申し立てをすると、”同時廃止”という手続きに進みます。
これは「債権者に配分する財産が無いので、早く免責を与えて借金をゼロにさせて自己破産を終えてしまいましょう」というもので、申し立てから2~3カ月で終わります。

そして同時廃止の場合は申し立てにかかる費用も安く、合計で2万円もあれば十分です。

財産が無い人の自己破産申し立て・同時廃止にかかる費用や書類

【費用】

  • 収入印紙(申し立て手数料)・・1,500円分
  • 80円切手(郵送料)・・債権者の数+20枚
  • 破産予納金・・現金で10,290円

【必要書類】

  • 破産手続開始及び免責申立書(同時廃止用)
  • 陳述書
  • 債権者一覧表
  • 資産目録
  • 家計状況

破産手続開始及び免責申立書(同時廃止用)
自己破産申し立て書類ダウンロード先:申立て等で使う書式例 | 裁判所

雨宮先生雨宮先生

財産が無い場合の自己破産手続きは、用紙を数枚提出と2万円の費用があれば終ってしまいます。ですので、一人でやってしまった方が良いでしょう。

ですが、住宅や土地、有価証券など、債権者に配布できるような財産がある場合は弁護士に依頼するメリットがあります。

自己破産を弁護士に依頼するメリット

自己破産を弁護士に依頼メリット

それでは、自己破産を弁護士に依頼するメリットを具体的にご説明します。主なメリットは5つです。

弁護士に依頼するメリット

  1. 取り立て行為が早く止まる
  2. 即日面接
  3. 債権者集会に行かなくて良い
  4. 何度も裁判所に足を運ぶ必要がなくなる
  5. 少額管財手続きが利用できる

1.取り立て行為が早く止まる

自分で自己破産手続きをした場合、免責が下りるまでの3カ月から半年間は取り立て行為がなかなか止みません。

ですが、弁護士に自己破産を依頼して、債権者が”債務整理受任通知”を受け取った時点から、取り立て行為の一切が止まります。これは貸金業法も定められていて、もし受任通知を受け取ったのに取り立て行為をした場合は違法になってしまうのです。

自己破産債務整理受任通知書式

雨宮先生雨宮先生

弁護士が自己破産を依頼されたら、債権者に↑のような「債務整理開始通知」を債権者に一斉に送ります。これを受け取った債権者は、取り立て行為の一切を禁止されます。

つまり、自分で自己破産をするよりもかなり早い段階で取り立て行為が止まります。

2.即日面接が利用できる

東京地方裁判所など主要都市では、弁護士を代理人(自分の代わりに破産手続きをいろいろやってくれる人)にすることで”即日面接”を利用することができます。

これは、申し立てしたその日のうちに自己破産手続きの開始決定がされるものです。弁護士が必要書類を作成したということで、裁判所側もその書類を信用して手早く破産手続きを進めるシステムです。

普通の自己破産では免責許可の決定まで3~4カ月ほどの時間がかかりますが、即日面接を利用した場合は1カ月ほど短縮されます。また、破産審尋(裁判所から自己破産に至る経緯を詳しく聞かれる事情聴取)も無くなります。

雨宮先生雨宮先生

即日面接制度が行われていない裁判所では、利用できないこともあります。

3.債権者集会に行く必要が無い

自己破産をした場合に、債権者を集めて残った財産を分け合ったり破産に至る経緯を説明する”債権者集会”があります。

破産者はこの集会に足を運んで、債権者側と顔を合わせる必要があるのですが、弁護士に依頼すれば弁護士がやってくれますので、本人は行く必要がなくなります。

4.何度も裁判所に足を運ぶ必要がなくなる

財産が無い自己破産の同時廃止では、裁判所に足を運ぶ回数は最低でも4回になります。
ですが、処分する財産を持っている管財事件の場合だと、最低でも6回は裁判所に足を運ぶ必要が有ります。(もっと多くなる可能性も有る)

弁護士に自己破産を依頼した場合、本人が裁判所に足を運ぶ回数は免責許可が下りた時の1回のみになります。

5.少額管財手続きが利用できる

主要都市の地方裁判所では”少額管財手続き制度”というものがあります。これは、裁判所が破産管財人を弁護士に外注化のようにしてしまうことで、予納金を安く、破産決定までの期間を短くしましょうというものです。

例えば、処分する財産に不動産や動産がそれなりにある場合、自己破産免責決定までは6カ月から長いと1年ほどかかってしまいます。ですが、少額管財手続きでは2~4カ月で終了させることができますので、給料の差し押さえをされている債務者にとっては大きなメリットです。

また、通常の管財事件では予納金が最低50万円もかかりますが、少額管財手続きでは20万円の固定額です。
これに加えて弁護士費用が30万円くらいかかりますので、破産手続きにどちらの場合も結局は50万円ほどかかることになります。

ですが、自分ひとりで手続きを行う手間は大幅に減りますし、免責までの時間が大幅に短縮されるメリットが受けられます。

雨宮先生雨宮先生

少額管財手続きについて詳しくは、早く自己破産をしたいのですが、少額管財手続きとは?のページもご参考ください。

今回のまとめ

処分するような財産が無い自己破産(同時廃止)の場合は、弁護士に依頼するメリットはあまりありません。

ですが、処分する財産(不動産・動産)がある管財事件になる自己破産の場合、「取り立て行為が早く止まる」「即日面接」「債権者集会に行かなくて良い」「裁判所に足を運ぶ手間が1回になる」「少額管財の利用」が大きなメリットです。

雨宮先生雨宮先生

弁護士に依頼するメリットをざっくり言うと、「財産処分が絡む場合の面倒な自己破産手続きは、全部弁護士に丸投げできる」「期間の大幅短縮」です。

自己破産はデメリットも多いので、他の解決方法が無いか相談されることも考えてみた方が良いと思います。借金問題や債務整理が専門の弁護士相談は無料になっている所が多くなっています。