債務者さんからのご質問

飲食店を経営していますが、近くにあった大手会社の移転でお客さんが激減して赤字、借金がかさんで自己破産に至りそうです。

もし自己破産した後は新たな店を出したいと考えていますが、自己破産後は新しく借り入れ(借金)することはできないのでしょうか?

雨宮先生雨宮先生

自己破産をすると7年~10年間は個人信用情報機関にブラックリスト登録されてしまうので、基本的には新しい借り入れをすることができません。ですが、金融機関との交渉次第では借金が出来ます。

個人事業者が自己破産をした場合

個人事業主自己破産した場合の新規借り入れはできるか

飲食店を経営されている個人事業主の方が自己破産をしてブラックリスト登録されれば、ご本人の名義では新たに借り入れを申し込んでも断られる可能性が高いです。
個人事業主の場合は、屋号に加えて個人名が登録されているからです。

自己破産の影響は個人にしか及ばないとはいえ、仮に名義をご家族(妻か夫)にして新規借り入れを試みても、借り入れを断られてしまう可能性が高いです。

ですので、新規事業の為にどうしても借り入れをしたい場合は、親の名義を借りて住宅を担保に入れるなどの方法をとることもあります。

自己破産後に就職して優良企業に勤めて数年間過ごした後、銀行に交渉することで借り入れができたケースもあります。ですがこれは住宅ローンのケースで、独立開業のための借り入れではありません。

闇金は貸してくれるが絶対NG

自己破産をすると闇金から融資の勧誘があるかもしれませんが、絶対に手を出してはいけません。

闇金は元々法律外のところで商売をしていますので、利息制限法を無視して高い利息でお金を貸し付けてきます。自己破産直後だと返済能力がほとんどありませんので、再び借金の泥沼にはまることになります。

さらに、1度自己破産をすれば、その後7年間は自己破産が出来ません。返済できなければ、ずっと闇金から搾り取られる日々を送る事になりますので注意してください。

自己破産ではなく民事再生を利用する手もある

なお、自己破産ではなく民事再生を利用した方が、再び新規事業を行うことに合っている場合もあります。

民事再生手続きを行って再生計画の認可を受けた場合は、日本生活金融公庫の「企業再建・事業承継支援資金(企業再生貸付)」があります。

小規模貸付は4800万円まで受けられますので、民事再生の検討をされると良いでしょう。この場合は借金問題・債務整理を専門にしている弁護士に相談する必要があります。

クラウドファウンディングを利用しての資金集め

クラウドファウンディングCampFireで資金集め

また、自己破産後でも銀行などの力を借りず、個人で準備資金を獲得する手段として「クラウドファウンディングの活用」もあります。

例えば熱い想いを抱いている新規事業を計画している場合、ネット上にあるクラウドファウンディングで「こういうビジネス・店舗を作りたいので、賛同されるかたは寄付をお願いします。その代わり、こういう条件で店舗を利用頂けます」といった条件付きで寄付を募集します。

私が印象的だったクラウドファウンディングの成功例は、「森の図書館」で、本好きの個人が「渋谷で夜でも利用できる図書館+お酒も楽しめる」というプランで募集したところ、1737人から合計1000万円ほどの支援金が集まって、無事に開業されています。支援者には図書館の利用権利やドリンクを配布する条件です。

雨宮先生雨宮先生

面白いビジネスアイデアがあれば、クラウドファウンディングで支援を募集して資金集めをする道も有りだと思います。

個人が生活費のための借り入れをしたい場合

自己破産後に生活費不足の借り入れ

個人が自己破産をして生活費などが足りなくなった場合は、借り入れを考えるのは止めて、まず就職先やアルバイト・パートを探す事、生活保護の申請を考えて下さい。

日雇いで即時払いのアルバイトであれば、ネットで「日雇い アルバイト」などのキーワードで検索すれば、紹介サイトが沢山出てきます。生活費はこれでしのぎながら就職活動や生活保護申請をするべきです。

雨宮先生雨宮先生

自己破産は、あくまでも「再生へ向かうための救済措置」です。新たに借金を繰り返すための措置ではありませんので、再生するためには個人の努力は不可欠です。

会社経営者の破産の場合

会社法人が破産した場合の新規借り入れ
会社経営者・法人の破産の場合、経営者個人とは関係がありません。ですので、個人の名義を使って金融機関との交渉次第では新たな借り入れをすることはできます。ただし、保証人が必要になるかもしれません。

もし会社の経営をするにあたって個人の財産を担保や抵当に入れていた場合は、会社が破産すれば個人も破産することはまぬがれないでしょう。

そうなれば、個人名義でも7年間以上は新たな借り入れをすることはほぼ不可能です。それでも新しく事業を行う場合は、親族・友人・知人からお金を集めるしかありません。

または先に紹介した民事再生を検討して、日本生活金融公庫の「企業再建・事業承継支援資金(企業再生貸付)」で事業資金を融資してもらう選択になります。

今回のまとめ

個人事業主も法人でも自己破産をした場合は、7年間は新たな借り入れ(借金)をすることはかなり難しくなります。
個人信用機関の情報に「自己破産者」としてのブラックリスト入りしてしまうからです。

ですので、新規事業を再開したい場合は、親族・友人・知人から資金を集めたり、クラウドファウンディングの活用を検討します。

または、民事再生をして企業再建・事業承継支援資金(企業再生貸付)で資金調達する方法もあります。

生活費が足りない理由で新たな借り入れをしたい場合は、働き口を探すか生活保護を申請しましょう。

雨宮先生雨宮先生

闇金からの借り入れは絶対NGです。民事再生については、借金整理・債務整理を専門にしている弁護士にご相談するようにしましょう。無料相談をしている事務所も多くなっています。