債務者さんからのご質問

多重債務になって、もう完済できる見込みが無さそうなので自己破産をしようと思います。

ですが、自己破産後はどんな生活になるのか心配です。暮らしていくことはできるのでしょうか?

雨宮先生雨宮先生

自己破産後は人間らしい最低限の生活を送る事はできますが、生活基盤を立て直すために、自力で頑張るしかありません。

自己破産後の生活について

自己破産しても没収されない財産・守られる権利

ポイント

  • 会社はクビにならない
  • 賃貸住宅・アパートは家賃を払っている限り追い出されない
  • 生活に必要な家具・衣服・調理器具・食料はそのまま
  • 現金・預貯金を合わせた99万円以下のお金は残される
  • 選挙権は守られる
  • 国民健康保険等は料金を支払っていれば守られる
  • 年金の受給権利は変わらない
  • 自分以外の家族には自己破産は適用されない

自己破産をしたからといって、身ぐるみ全てはがされて社会不適格のような生活を送るわけではありません。
自己破産後の生活に最低限必要なものは残されますし、国民の権利については守られます。

自己破産をしても会社はクビにならない

もし会社勤めをしているのであれば、自己破産をしたからといって会社をクビになることはありません。

ですが、稀に国が毎月2回発行している官報の自己破産者リストを会社の誰かがチェックしていて、退職を促してくる場合もあります。法律上ではこのケースでクビを言い渡すことは違法ですが、現実的には会社に居づらくなって辞めてしまう方もいます。

とはいえ、自己破産後は生活するための基盤づくりに毎月得られる給料は欠かせません。石にかじりついてでも、会社を辞めないように努力する必要があります。

住居について

マイホーム(持家)を持っていた場合

マイホーム(持家)を持っていた場合は、自己破産をすることで没収・競売にかけられて処分されます。

次の買い手が見つかるまでには約1年かかりますので、その間は住み続けることが出来ます、いずれは引っ越す必要があります。

雨宮先生雨宮先生

マイホームを手放さずに借金整理をしたい場合は”個人再生”という方法も有ります。

個人再生については個人再生のメリットとデメリットのページをご参考ください。

賃貸住宅やアパート暮らしの場合

家賃さえ支払っていれば、自己破産をしたからといって追い出されることはありません。

ですが家賃滞納をしていれば、契約不履行で大家さんから退去を命じられることもあります。住居は生活の基盤になりますので、優先して支払うべきでしょう。

生活必需品と99万円以下の現金は残される

自己破産では高価な宝飾品・有価証券・不動産や時価20万円を超える財産は没収されてしまいますが、生活必需品と99万円以下の現金は残されます。

贅沢をしなければ普通の暮らしはできます。

自己破産は家族には適用されない

自己破産は自分以外の家族には適用されません。
例えば自己破産申し立て人が夫だった場合、妻や子供個人の現金・預貯金や財産は没収されません。

雨宮先生雨宮先生

「自己破産をしたから生きていけない」ということは全くありません。借金返済の義務がなくなるので、住居と仕事さえ確保できていれば通常の生活を送ることができます。

自己破産後の生活で変わる点

7年間は自己破産できない

自己破産をしたら、もう7年間は自己破産をすることができません。もしその間に闇金などに手を出してしまったら、元の多重債務と返済の生活に戻ってしまいます。

自己破産もできないので、ひたすら高い利息の返済だけに追われる日々になって、生活も滅茶苦茶になってしまいます。

ですので、もう絶対に借金はしないと心に誓って、最初は日銭でも良いので稼ぐ努力をして、仕事を探す努力も同時に行いましょう。

新規借り入れやローンが組めなくなる

自己破産をするとブラックリストに登録されてしまいます。ブラックリストはいわゆる”信用情報”のことで、自己破産者として登録されてしまうと7年から10年間は借り入れや新規ローンが組めなくなります。クレジットカードを作る事も出来ません。

【関連ページ】ブラックリストに載るとどうなる?仕事は続けられるか

自己破産は借金をゼロにするだけの救済措置

自己破産後の生活

自己破産は、借金の返済ができなくて膨らむ一方になった債務者のための救済措置です。借金はゼロになりますが、自己破産後の生活を保証する制度ではありません。

ですので、自己破産後は自分の力で生活を切り開く努力が必要になります。

無職の場合はとにかく働き口を探す

もし無職の場合は、必死になって働き口を探す事です。

自己破産後の生活で困っている人に多い言い訳が「ハローワークに行っても良い就職先が見つかりません」という言葉です。

もちろん正社員として就職する方が生活基盤が安定して安心は得られますが、今の世の中はそんなに簡単に就職が決まるほど甘くはありません。1年間就職先が見つからないことはザラにある状況です。

生活保護を貰う選択肢もあるのですが、体が健康であれば日雇いのアルバイトを探せばいくらでもあります。ネットで「日雇い アルバイト」などで検索してみてください。アルバイトをしながら就職先を探す方法もあるのです。

クレジットカードを使わない

自己破産後でも、過去に作ったクレジットカードはそのまま使えることもあります。
ですが、クレジットカードでの買い物も借金です。一括払いとはいえ、これも借金です。もしリボ払いを選択してしまったら、一括払いよりも高いお金を払って購入することになるので損になります。カードローンやキャッシングの利用は絶対にNGです。

自己破産後はお金を使うことよりも、お金を得ることの方が大事です。
ですので、「クレジットカードがまだ使える」と思って、気軽にお金を消費するような考えは絶対にしないことです。

節約癖と収入に見合った生活を心がける

多重債務・返済不能になった人の特徴として、「借金癖」「自分の収入に見合った生活で満足できない」といったものがあります。

自己破産後は、これを「節約癖」「足るを知る」に頭を切り替えるようにしましょう。

例えば多くの人が使っているスマートフォンは、月に7000円以上もドコモ・au・ソフトバクなどに支払っていますよね。これを格安SIMに切り替えれば、月に2,000円未満の利用料金で済みます。

【関連記事】
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タバコ・お酒も嗜好品で、無くても生活に困るものではありません。
どうしてもタバコやお酒をたしなみたいのであれば、まず優先すべき「生活の基盤を整えること」をクリアしてから、ご褒美として自分に与えてはいかがでしょうか。

また、心がどこか満たされない気持ちであるなら、どうすれば今の環境で自分の心が満足できるようになるか、つまり「足るを知る」をよく考えることです。

雨宮先生雨宮先生

人によってはお金のかからないペットを飼って、生活習慣と気持ちを安定させた人もいます。犬猫はお金や手間がかかりますが、小鳥を幼鳥から飼うことで犬猫並みに懐いてくれて、生活習慣も安定して寂しい気持ちも無くなったという元自己破産者がいます。小鳥は餌代も安く、年間3,000円程度です。

自己破産すれば生活は安定することの方が多い

自己破産後の生活

自己破産をしても、普通の生活を送ることが出来ます。人生がとんでもなく悪い方へ行ってしまうということはありません。
借金がゼロになりますので取り立ても無くなりますから、むしろ以前よりも安らかな生活を送れるでしょう。

普通の生活を送る為のスタート地点に立つことができますので、そこからどうなるかは自分次第です。

健康であれば、頑張って仕事を見つけて、働いて、節約して「足るを知る」を心がければ、以前よりも安定した生活を取り戻すことが出来ます。

もし病気で働けなくなった場合は、その時は国の制度に甘えて生活保護を受ければ良いのです。

雨宮先生雨宮先生

官報の自己破産者情報を見て、闇金が「無審査・即日融資」と言って勧誘をしてきます。これには絶対に手を出さないでください。
7年間は自己破産できませんから、その間ずっと苦しい思いをすることになります。