債務者さんからのご質問

5つの貸金業者で多重債務しています。返済ができなくなって滞納することが多くなっていますが、先日裁判所から支払いの督促状が届きました。

支払っても利息分だけで精いっぱいで元本が減りません。まともな生活ができなくなっています。もし返済し続けなかったら、給料を差し押さえられることがあるのでしょうか?

雨宮先生雨宮先生

貸金業者でも裁判所に訴訟をして判決をとったり、公正証書を取って強制執行申し立てをすれば、給料は差し押さえられます。

給料が差し押さえられるまでの流れ

貸金業者から差し押さえられた給料明細

最初は支払い督促状が届く

借金返済の滞納が2~3カ月続くと、裁判所から「〇〇金融に対し〇〇円の金額を支払え」という督促状が届きます。

この督促状が持つ効力はいわゆる”圧力”で、法的に強制力はありません。あくまで債権者が国の力を使って、簡便かつ低費用で返済支払いの圧力をかける目的で行われます。

支払い督促にかかる手間は、申し立て用紙を1枚裁判所に提出して手数料を数千円支払うだけですので、貸金業者が割と多く使う手段です。

【参考】支払督促を申し立てる方へ | 裁判所ホームページ

督促受け取りからさらに3カ月ほど放置すると強制執行

支払い督促状を受け取ってから3か月ほど返済をしないでいると、ついに”強制執行”される可能性が高くなります。

つまり、給料を差し押さえられます。差し押さえられる金額は手取り給与の4分の1です。もし手取りが44万円を超える場合は、ここから33万円を超えた部分が毎月自動的に差し押さえの対象になります。

強制執行による給料の差押さえ

基本は手取り給与の4分の1が差押え対象

手取り44万円以上なら、33万円を超えた額が差押え対象

雨宮先生雨宮先生

手取り25万円の給与の場合は、毎月62,500円が自動的に差し押さえられます。残りは187,500円です。
複数の貸金業者から強制執行をされた場合、残った額からさらに差し押さえられる事もあります。

給料の振込口座が知られていなければ差押えはできない

給料の差し押さえに至るまでは2通りあります。
1つ目は貸金業者が裁判所に借金返済支払いの訴訟を提訴して判決が下された場合。
2つ目は、貸金業者が”公正証書”を作成して、裁判所に対して強制執行の申し立てを行ってそれが受理された場合です。

ほとんどのケースでは2つ目の”公正証書”での強制執行になります。

公正証書とは?

公正証書とは法律行為や権利に基づいた約束書類です。例えば借金における公正証書であれば「この借金を約束通りに返済しなければ、給料や財産を差し押さえたり権利を金融業者側が有することができます」と約束が書かれた内容になっているはずです。

また、借金に関する公正証書では、貸金業者側が給料が振り込まれる銀行口座や、住所を申立書に記載する必要があります。

よって、貸金業者側に自分の給料振込口座が知られていなければ、強制執行されることは難しくなります。

雨宮先生雨宮先生

とはいえ、貸金業者もお金の回収に必死ですから、いろんな手を使って給料の口座情報を得ていることもあります。

過去に白紙の紙に印鑑を押している場合は要注意

もし、過去に白紙の紙に印鑑を押している場合は、それで公正証書を作っている可能性が高いので要注意です。

普通の大手貸金業者であればこんなことはしないのですが、個人の貸金業者や闇金はこの方法を使っていることもあります。

【関連ページ】貸金業者から白紙の紙に署名と判子、印鑑証明を送付してくれと言われた

給料の差し押さえへの対抗手段

もし給料が差し押さえられてしまったら、ほとんどの方が”個人再生”か”自己破産”という借金整理・債務整理を検討します。

裁判所から個人再生や自己破産が認められれば、給料の差し押さえが解除されるからです。

個人再生の場合

個人再生は、住宅を持っている債務者にメリットが多い債務整理方法です。住宅を処分することなく、住宅ローン以外の借金を5分の1から10分の1に減額することができます。

手続きに半年ほどかかりますが、申し立てた時点で貸金業者の取り立てが止まります。
さらに住宅ローンが残っている場合は、裁判所が設置された再生委員会によって住宅ローンへの返済を優先されますので、給料の差し押さえも解除されます。

【関連ページ】個人再生のメリットとデメリット

自己破産の場合

自己破産の場合は個人でもできますが、不動産・動産などの財産があると、自己破産手続きが終了するまで半年~1年かかることもあります。
ですが、弁護士に依頼すると、地方裁判所によっては”即日面接”や”少額管財手続き”という制度を利用できるので、手続き終了まで2~3カ月と大幅な期間短縮ができます。

【関連ページ】
自己破産をするメリットとデメリットは?
早く自己破産をしたいのですが、少額管財手続きとは?

雨宮先生雨宮先生

もし給料が差し押さえられてしまって、なるべく早く差し押さえ解除したい場合は、借金問題や債務整理を専門にしている弁護士へ依頼するようにしてください。
ご自分の状況に合った債務整理方法を提案してくれます。

今回のまとめ

貸金業者でも公正証書による強制執行が裁判所から認められれば、給料を差し押さえることができます。

給料を差し押さえられた場合の対抗策は、いち早く弁護士に相談して債務整理を行う事です。

個人再生や自己破産を行う事で、取り立てが止まって給料の差し押さえも解除されます。

雨宮先生雨宮先生

給料を差し押さえられそう、差し押さえられるかもしれない場合は、早めに債務整理弁護士にご相談されることをお勧めします。
振込口座の変更も考えた方が良いかもしれません。