債務者さんからのご質問

借金の返済が滞っていたら、貸金業者に白紙の紙に署名と判子を押すように言われました。そして印鑑証明書を送付するように言われました。

これは何に使われるのでしょうか?

雨宮先生雨宮先生

これは”白紙委任状”というもので、公正証書や不動産の抵当権を設定することに使われます。

白紙委任状があれば公正証書を作ることが出来る

貸金業者の白紙委任状
白紙に印鑑と署名だけを要求されて、それを行ってしまった場合、貸金業者が白紙の部分に都合の良い条件を書いて公正証書を作ることに利用します。

公正証書があれば、裁判所に申し立てて強制執行をすることができます。
強制執行とは、つまり財産の差し押さえです。貸金業者側が裁判所の力を利用して、住宅・給料・家財道具・有価証券・銀行口座を差し押さえることできるようになってしまいます。

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白紙委任状の取得は禁止されている

とはいえ、貸金業法20条2項では、「貸金業を営む者は、貸付の契約について債務者から、当該債務者などが特定公正証書の作成を公証人に嘱託することを代理人に委任することを証明する書面を取得してはならない」と定めています。

つまりこの法律では、白紙委任状を使って公正証書の作成を代理人(行政書士など)に委任する書類の取得は禁止されていることを意味しています。

もしこの法律に違反した場合、貸金業法48条4-2で定められている通り、貸金業者は1年以下の懲役・300万円以下の罰金です。

既に白紙委任状を書いてしまった・強制執行されてしまった場合

もし既に貸金業者の言われるがままに白紙委任状を書いてしまった場合や、強制執行で財産を差し押さえられてしまった場合は、すぐに弁護士や警察に相談して告訴してください。

高い確率でその貸金業者から出された白紙委任状による公正証書を無効にすることができます。
また弁護士に相談することで、借金整理(債務整理)の相談もできるメリットがあることも付け加えておきます。

雨宮先生雨宮先生

借金問題・債務整理を専門にしている弁護士であれば、白紙委任状の無効化だけでなく、法律を利用して返済が滞っている借金問題の解決や提案をしてくれます。

今回のまとめ

貸金業者が白紙に印鑑と署名を求めて来たら、それは”白紙委任状”といって、公正証書作りに利用されます。そして財産を差し押さえるための裁判所強制執行に利用されてしまいます。

もし既に白紙委任状を書いてしまったら、借金問題や債務整理を専門にしている弁護士に相談して無効化するよう即座に行動しましょう。

雨宮先生雨宮先生

白紙委任状を利用することは禁止ですが、それを証明することは簡単ではないこともあります。