債務者さんからのご質問

自己破産の申し立てをしようと思っています。ですが、自己破産で手続きが完了するまで3カ月から長いと1年ほどかかると聞きました。

この間に銀行やサラ金などの債権者が強制執行で、財産の差し押さえを申し立てた場合はどうなるのでしょうか?

雨宮先生雨宮先生

現在の破産法では、自己破産申し立てをすればその時点から強制執行ができなくなりました。ですので、財産は差し押さえられません。

新しい破産法では自己破産手続き中に強制執行できなくなった

自己破産申し立てと免責許可申し立て手続き

自己破産をする目的は「借金をゼロにすること」で、2つの手続きが必要になります。

1つは”自己破産の申し立て”で、もう1つは”免責の申し立て”をする必要があります。

平成16年12月31日までは、この2つの手続きが完全に別扱いされていたので、自己破産申し立てをしても、債権者が強制執行をして財産を差し押さえることができていました。

ですが、平成17年1月1日からの新しい破産法では、破産手続き開始の申し立てと免責の申し立てが一本化されるようになりました。自己破産の申し立てと同時に、ほぼ自動的に免責許可の申し立てをしたことと見なされるような流れに変わったのです。

つまり、自己破産の申し立てをした時点で、債権者が強制執行による財産の差し押さえはできなくなりました。

【関連ページ】破産法

雨宮先生雨宮先生

平成16年までは自己破産をしても、債権者側が公正証書による強制執行手続きを踏んで、債務者の給料を差し押さえることはよく行われていました。

既に強制執行で債権者から財産を差し押さえられていた場合

もし自己破産手続き前に債権者側から給料などの財産を差し押さえらていた場合は、”同時廃止”と”管財事件”どっちの手続きに進むかで、「強制執行の解除になるか」「強制執行の中止になるか」が変わります。

雨宮先生雨宮先生

自己破産には2種類あって、取れる財産がほとんど無い場合は”同時廃止手続き”へ、住宅や99万円以上の現金・預貯金・解約返戻金がある生命保険加入している場合は、”管財事件”になります。

同時廃止の場合

まずは、財産が無い”同時廃止”の場合。同時廃止の場合は、強制執行が「一時的に中止」になります。

「解除」ではなく「中止」ですので、例えば給料を差し押さえられている場合は、自己破産の免責許可がされるまでは、差し押さえられている部分は裁判所側で預かることになります。

ですので、おおよそ2~3か月の間は差し押さえられていた財産分を利用することができません。ですが、免責の許可が下りた後に、差し押さえられていた部分はまとめて自己破産申立者に支払われます。

管財事件の場合

それなりの財産を持っていて自己破産する”管財事件”の場合は、自己破産を申し立てて手続きに入った時点で、強制執行は解除されます。

強制執行は解除されるので、例えば差し押さえられていた給料の振り込みは通常通りに戻ります。

今回のまとめ

現在の破産法では、自己破産申し立てをすれば、その後に債権者が強制執行で財産の差し押さえをしようとしても出来ません。

ですが、既に強制執行された後に自己破産をしていた場合は、同時廃止の場合は免責許可がされる2~3か月の間は強制執行が中止に、同時廃止の場合は解除になります。

雨宮先生雨宮先生

給料を差し押さえられたくない場合は、早く自己破産申し立てをする必要があります。