債務者さんからのご質問
どうしても借金を繰り返してしまいます。いい加減に借金癖を治したいのですが、治し方が分かりません。どうしたらよいでしょうか?

借金癖の理由・原因・特徴を理解して、過度に誰かに必要とされたいと思う事をやめる事、そして債務整理をすることです。
目次
借金癖が治らない理由
借金癖が治らない理由は簡単で、次々に借金をしてしまう”弱い自分”が心に存在しているからです。
弱い自分とは?
ここで言う”弱い自分の心”とは、つまり自信が無い自分のことです。
自信が無い人の特徴
- 見栄っぱり
- 常に自分が正しいと思っている
- 自意識過剰
- 他人を認めない
- 異常に頑張り屋さん
- 寂しさ・孤独感を感じている
- プライドが高い
- 忍耐力が無い・我慢することを知らない
- 自分が出来る人間だと周りに主張する癖がある
- 他人の悪口が多い
- 嫉妬・僻み(ひがみ)が多い・・など
例を挙げるとたくさんありますが、これらの例の核心は「誰かに必要とされていることを感じられない」ということです。
自分の弱さを埋めるために借金をしてまでお金を使ってしまう
自分の中に存在している弱い自分、誰かに必要とされている事を感じられない、自信が無い。こういった人は、”お金”で手に入る一時的な価値や快楽で、弱い自分を誤魔化そう(ごまかそう)とします。
例えばお酒、キャバクラ、ホストクラブ、ギャンブルで熱中する、ファッション、風俗、うわべだけの関係の付き合いなどです。
これから自分が努力したことで何かを得られるものではなく、全てお金の力で簡単に手に入るものです。
教育での借金で多重債務に陥る方もいますが、「子供のため」と言いつつも、ご自身の見栄が原因になっていることもあります。
カウンセリングなどで話を突き詰めて聞くと、自分がお金を出して子供に良い教育を受けさせることで、実は自分が誰かに自慢したい・満足するためにしている事が多いようです。そもそも、多重債務に陥るほどの計画性の無い教育費をかけること自体、おかしな話です。
このように、自分に自信が無くて、寂しすぎて、自分を必要と思ってくれる人がいないと感じる気持ちが強いほど、お金で手に入る価値への依存心が強くなっていきます。
自分で仕事をして稼いでいるお金だけでは心の穴を埋めるのに不十分さを感じた時に、借金をしてしまうのです。
借金は癖になって習慣化してしまう
いったん借金をしてしまうと、借りることに慣れてきてこれが段々と習慣化します。
今では消費者金融や銀行で気軽にカードローンや、クレジットカードで気軽にキャッシングできる環境があります。ATMにカードを入れれば、気軽にお金を借りられます。
ですが、これは自分の貯金からお金を引き落とすのではなく、あくまでも借金です。なのに気軽にお金を引き出せてしまうので、機械から引き出せる限度額が自分のお金のように思い込んでしまうんですね。
1社目のカードの貸し出し限度額がくれば、次のカードを作って借金。また次のカードを使って借金。この時には借金癖が完全に習慣化してしまうので、もう泥沼です。
借金が習慣化してしまうことで、友人や知人にも気軽に「○○円貸してくれない?」と言えるようになってしまいます。
多重債務者に陥った人が言う言葉
ここで、借金整理の相談に来られる多重債務者の方がよく言う言葉をご紹介しておきます。
多重債務者が弁護士相談でよく言う言葉
最初は数万円借りただけだった。
でも気が付いたら数百万円もの借金になっていた。
「人生コツコツ」という言葉がありますが、数万円の借金もコツコツ積み重ねれば大金になります。自分の弱い心と、気軽にお金を借りられる環境の2つが組み合わされることで、借金癖・借金習慣・多重債務者を沢山生み出しています。
「お金を返せないような人にお金を貸す業者が悪いんだ」という多重債務者の方もいますが、これは間違っています。あくまで金利を納得して契約して自分の意志でお金を借りたのですから、それを貸金業者のせいにする考え方はおかしいと言えます。
お金を貸す時の貸金業者は、基本的に悪くはありません。(その後の取り立て方法に問題がある業者もいますが)。「お金を貸してください」とドアを叩いたあなたに原因があることを理解してください。
借金癖の治し方
ここまでをまとめると、借金癖の習慣が付いてしまう最大の要因は「誰かに必要とされていることを感じられないこと」とお話ししました。また、お金を気軽に借りられる貸金業者の存在がある環境も主な原因の一つです。
では、借金癖を治すにはどうすれば良いでしょうか?
答えは2つです。
1つは、「誰かに必要とされるような人になること」。もう1つは、「お金を気軽に借りられないような環境に身を置くこと」です。
誰かに必要とされるような人になるには
必要とされるような人になるには、必要とされたいと思う事をやめて、かわりに、あなたが他人に何かを与える側になる必要があります。
「必要とされたい」と思うと、どうしても「無い」という不足感を抱きます。「無い」と思うと「欲しい」と思うようになります。欲しいと思って、今まで借金を繰り返す生活になってしまったのです。
「必要とされたいなんて思った事も無い」という方もいらっしゃるかもしれませんが、それは気付いていないだけの事が多いと思います。もし気持ちが満たされた生活を送っていたら、借金をするはずがありません。
ですので、「必要とされたい」と思う事を止めます。難しいと思いますが、これを止めないと借金癖を治すことはできません。
かわりに与える側になる
必要とされたいと思う事を止めるかわりに、誰かに何かを与える側になろうと行動することです。
それは愛情だったり、手伝いだったり、ちょっとした優しさだったり。ポイントは「お金を使うこと以外で他人に与えられること」です。お金を使って何かを買い与える事は簡単です。また借金をする羽目になるので、これは絶対にやめましょう。
「じゃぁ何が与えられる?」「自分には何も与えられるものは無い」と思い込んでいる人も多いのですが、そんなことはありません。
最初はちょっとしたことからでも良いです。近所のゴミ拾いでも良いですし、体が動けなくて困っている近所のご老人の雪かきをしてあげる、話を聞いてあげる、誰かが元気になれるように、誰かが嬉しいと感じるように、あなたが行動します。
ですが、こういった行動をしても、最初のうちはほとんど誰からも評価されることはありません。我慢強く続けることが大切です。
考えてください。あなたが「これくらいなら大したことないだろう」と思って数万円ずつコツコツと借金したら、続ければ自分でも驚くような大金になりましたよね。
それと同じです。小さい行動でも、それが習慣化して、コツコツと積み上げていけば、自分でも驚くような大きな結果になります。
誰からも評価されないからといって、諦めて投げしてしまえば何も変わりません。まずは何か一つ、二つ、小さい事を続けてみてください。ことわざでも「石の上にも三年」と言いますよね。
借金できな環境に身を置く
次に、借金できない環境に身を置くことです。つまり、いちど債務整理をしてください。
今は「即日融資」「最短30分」などの言葉でキャッシングやカードローン広告が沢山あります。契約書も全国のコンビニで受け取れるようになったり、便利な時代ではあります。
ですが、こういった気軽に借金できる環境が、借金癖・借金習慣を助けてしまっています。
債務整理をするとどうなるか
債務整理とは借金整理のことで、主な方法は任意整理・個人再生・特定調停・自己破産があります。借金の種類や金額、持っている財産によってどの方法を取るかが変わります。
【関連ページ】
任意整理のメリットとデメリットは?
個人再生のメリットとデメリット
自己破産をするメリットとデメリットは?
債務整理をすれば、借金の額が減ります。人によりますが、2~9割まで減らすことが出来ます。さらに、これから発生する利息もカットされます。自己破産をすれば、借金はゼロになります。
そして、あなたの名前が個人信用情報機関のブラックリストに載ります。
「ブラックリスト」と聞くと大変なイメージを持たれるかもしれませんが、貸付に対する信用が無くなるだけです。貸金業者がお金を貸す時、個人信用情報機関にリスト照会をして、ブラックリスト入りしている人は審査落ちにします。そして、ブラックリストに1度掲載されれば、5年~7年ほどは消えません。
つまり、1度債務整理をすることで、5年~7年間は簡単に借金できなくなる環境に身を置くことが出来ます。
借金も減って(またはゼロになって)、しばらくの間は借金できない状態になります。債務整理をすれば取り立て行為も一切無くなるので、落ち着いた生活を取り戻すことができます。
闇金に手を出したら終わり
ここで絶対にして欲しくないことは、闇金には手を出さないこと。
法律外の暴利でお金を貸し付けてきますので、1度手を出してしまったら、もう抜け出せない本当の底なし沼にはまってしまいます。
「とご」「とさん」「といち」という言葉を聞いた事があるかもしれませんが、これは「10日で5割の金利」「10日で3割の金利」「10日で1割の金利」という意味です。もし「といち」で5万円を借りてしまったら、利息分は1カ月で15,000円にもなります。元本を減らすことも難しくなって、ひたすら利息だけを返す日々を送る事になります。
闇金はもともと法律外の世界で仕事をしているわけですから、法律は通用しません。きつい取り立てもありますので、生活が完全に破たんしてしまいます。
ですので、絶対に闇金には手を出さないでください。
債務整理は借金問題専門の弁護士を頼る
債務整理を行う場合は、借金問題を専門としている弁護士を頼ってください。
借金問題であれば、最初の相談は無料で行っている事務所が多いです。
実際に債務整理を依頼すれば、いくらかのお金はかかってしまいますが、その代わり借金を減らすことが出来ますし、利息のカットもできます。取り立ても止まります。弁護士料金は月賦で払う事もできます。
さいごに
これ以上借金を積み上げないためにも、すぐに債務整理をするようにしてください。
そしてこれを機会に、借金癖を止める習慣のスタートにしてください。
誰かに必要とされることを止めて、誰かにあなたが出来る事を少しで与える習慣を続けてください。
そうすれば、借金癖・借金習慣を治すことが出来ます。以前よりも満たされた日が送れるようになります。

借金癖は、考え方と習慣を変える事。習慣を変えることは難しいので、最初は忍耐。債務整理と日々の「誰かに何かを与える行動習慣」がきっかけで、借金癖を治された方は沢山います。