債務者さんからのご質問

個人事業で飲食店を営んでいた頃の借金が4000万円、サラ金や銀行から借りていた借金も含めると5000万円を超えてしまうようです。
さらに住宅ローンも2000万円ほどありますが、この場合個人再生は利用できますか?

雨宮先生雨宮先生

個人再生はあくまでも住宅ローンの借金を除いた総額が5000万円より低くないと、利用が出来ません。

個人再生をしようと思って、もし借金が5000万円を超えていたら

借金が5000万円を超える場合の個人再生

個人再生は、住宅ローンの借金を除いた金額が5000万円を超えないことが条件です。

この借金の総額に含まれるものは、銀行・消費者金融・個人からの借金になります。
税金や電気・水道料金は借金に含まれませんので、もしこれらの未払い料金も借金に含めている場合は、借金の総額から除外してください。

2008年より前の借金があったら利息も確認する

また、もし2008年以前に借金をしていたことがあれば、その時に支払っていた利息も確認してみましょう。

というのは、2008年以前の借金返済の場合、利息制限法の上限年利15~20%を超える利息を支払っていた可能性が大きいからです。

もし利息を多く払い過ぎていた場合は、”過払い金”として貸金業者側に請求する権利が発生しています。
この分を相殺することで、さらに借金の総額が減る可能性が有ります。

【関連記事】過払い金はなぜ生じる?グレーゾーン金利とは?

雨宮先生雨宮先生

ただし、過払い金請求ができるのはその貸金業者との最終取引日から10年以内になっています。これを超えると時効が成立しますので、過払い金請求権利は消えてしまいます。

持っている財産を売って借金を減らせないか確認する

次に、住宅以外に持っている財産をお金に換えて、借金を減らすことができないか確認してみます。

例えば車、不動産の一部、家財、生命保険の解約返戻金などです。考えられる財産をお金に換えて残った借金を少しでも返済できれば、借金総額が5000万円より下回ることもあります。

いろいろ確認してそれでも借金総額が5000万円を超えてしまったら

税金や水道・電気代、住宅ローン、過去に支払い過ぎていた返済利息の引き直しをしても、借金総額が5000万円を超えていた場合は、個人再生は諦めなければいけません。

この場合の借金整理方法は、普通の民事再生か自己破産の2択になります。

通常の民事再生にかかる費用

個人再生のメリットは予納金など手続きにかかる費用が30~40万円と安く済ませられることがメリットでした。
ですが通常の民事再生になると、借金総額が5000万円~1億円未満の場合は、予納金を300万円裁判所に納める必要があります。

この予納金が高額であることが障害になって、準備できない場合はやむなく自己破産を選択することになります。

自己破産する場合

最終手段として自己破産せざるを得なくなった場合、住宅やその他財産ががありますので、自己破産手続きの一つであれ”管財事件”に振り分けられます。

管財事件でも予納金が必要になりますが、これにかかる費用は借金総額が5000万円~1億円未満の場合でも最低80万円を用意する必要があります。

さらに、その他諸費用が3万円ほど必要になります。弁護士に依頼すれば、加えて30万円ほどの報酬が必要になります。

自己破産をすることで借金はゼロになりますが、住宅は競売にかけられて失うことになってしまいます。

自己破産について詳しくは、自己破産をするメリットとデメリットは?をご参考にしてみてください。

親族に個人再生の予納金を用意してもらうケースも

不動産がある状態で自己破産をすれば、なんだかんだで費用が100万円以上かかってしまう上に、住宅まで失ってしまいます。

ですが、個人再生では予納金さえ準備できれば、住宅を失わずに借金が10分の1ほどまでに減らすことができます。(5000万円の借金であれば500万円まで減らせます)

自己破産と比較すると、無理をしてでも民事再生の予納金を準備した方が得になりますので、これが分かっている債務者の場合は親族に個人再生の予納金を用意してもらうケースもあります。

親族から借りた形にするとこれも借金になってしまいますので、あくまでも「予納金を準備して貰う」という形にして、その後の処理は双方で話し合って解決されているようです。

個人再生の予納金

(1)申立手数料(印紙代)として1万円。
(2)裁判所に予納するお金(予納金)として,
・個人再生委員が選任される場合
31万1928円(個人再生委員の報酬+官報公告費用)

・個人再生委員が選任されない場合
1万1928円(官報公告費用)

なお,個人再生委員の選任が必要かどうかは裁判所が判断しますが,札幌地裁 では,代理人(弁護士)がついていない方が申立てをする場合には,個人再生委 員を選任することを原則としています

【引用】個人再生手続に関するQ&A | 裁判所HP

雨宮先生雨宮先生

個人再生でかかる予納金は、弁護士に依頼しなければ約31万円、弁護士に依頼した場合は約1万円と大きな開きがあります。
個人再生は書類も多く複雑ですので、裁判所側も弁護士への依頼を推奨しています。

今回のまとめ

個人再生の利用条件は、住宅ローンや税金未払い分を除いた借金総額が5000万円を超えないことです。

超えた場合は、住宅以外の財産を売って借金を減らせないか、2008年以前の借金で過払い金が無いか確認してみましょう。

借金総額がどうしても5000万円を超えてしまう場合は、企業が行うような民事再生か自己破産になりますが、予納金が100万円~200万円ほど必要になります。

雨宮先生雨宮先生

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