債務者さんからのご質問

個人事業主で飲食店経営をしていますが、新たな施策が失敗して2000万円の借金を抱えて返済できず困っています。

個人再生をして飲食店経営を続けていこうと思っていますが、所得税・県民税・市民税・年金・健康保険料を滞納しています。
これらの税金は個人再生手続きに影響があるでしょうか?

雨宮先生雨宮先生

税金関係は債務整理で免除も減額もされませんので、滞納している場合は優先的に支払う必要があります。
滞納した税金は個人再生計画でどう支払っていくか慎重な話し合いになると思います。

税金の支払い問題をクリアすれば、個人再生は認められます。

債務整理では税金関係は減額も免除もされない

個人再生では税金免除や減額はされない
債務整理には個人再生(個人民事再生)の他に、自己破産・特定調停・任意整理があります。

これらの手続きは借金を減らしたり免除するものですが、所得税・県民税・市民税・年金・健康保険料などの税金関係は一切減額も免除もされません。
また、NHK受信料、水道代・電気代・下水道代も免除されることはありません。

例えば税金の滞納分が100万円あるとしたら、仮に個人再生や自己破産をして借金が減ったとしても、税金滞納分100万円の支払い義務はまるまる残ったままになります。

これをいつまでも支払わないと、行政側から督促状が届き、最終的には強制執行で財産の差し押さえに至ります。
税金を滞納し続けた場合について詳しくは「所得税や住民税を滞納して払わないとどうなりますか?」の記事もご参考ください。

国民保険料・国民年金は減免・支払い猶予制度がある

ですが、国民保険料・国民年金は減免や支払い猶予制度があります。
収入が一定額より少ない人や学生の場合だと、年金の支払い免除はよく利用されている制度です。

【関連ページ】
保険料を納めることが、経済的に難しいとき | 国民年金機構
※国民健康保険については、各市町村の役場にご相談ください。

税金を滞納しつづけたまま個人再生手続きを行うとどうなるか?

税金を滞納し続けた

各種税金を滞納したままでも、個人再生の申し立てから手続きを行うことはできます。

個人再生では”再生計画案”を作る必要があるのですが、税金は一般優先債権として扱われます。(他の借金よりも優先的に支払うべきお金という意味)。

ですが実際の再生計画案では「共益債権及び一般債権は随時支払う」というぼやけた書き方にする例が多くなっています。つまり「税金も借金も得ている収入から少しずつ支払っていきます」という意味です。

あまりにも税金の滞納額が大きい場合

もし税金の滞納額があまりにも大きいと、通常の借金の返済に大きな支障が出てしまいます。
何とか再生計画案を出したとしても、債権者から却下されて個人再生じたいがダメになって最初から個人再生手続きをやり直すことになるか、自己破産をして事業をあきらめざるを得ないケースもあります。

個人再生は、あくまでも借金整理の1つの方法です。「再生が無理」と判断されれば、個人再生は却下されます。この場合は自己破産をするしかありません。

自己破産をすることで損をする債権者もいる

ですが、自己破産をすることで損をする債権者がいる場合もありますので、「これくらいの税金が滞納していれば個人再生はできない」という目安がありません。

個人再生申し立てをして、再生計画案を出して、債権者に判断してもらうまでは最終的にどうなるか分かりません。
事業を継続して何としても再生させたい場合は、がむしゃらに働いて成功させる熱意と具体的な再生計画を詰めて提出する必要もあります。

雨宮先生雨宮先生

税金の滞納が残った借金の返済を圧迫する事は仕方がないので、これからどうやって事業を再生してプラスにしていくかの再生計画案が焦点になります。

今回のまとめ

所得税・県民税・市民税・年金・健康保険を滞納しても、個人再生申し立てや手続きを行うことはできます。

ですが、これらの税金は減額や免除はされません。(年金と健康保険は場合によって免除・支払い延滞は可能)

再生計画案には税金の支払い計画も盛り込まれますので、借金の返済額と合わせてみて、返済に無理が生じそうであれば、個人再生は却下され、自己破産を選択することになるかもしれません。

雨宮先生雨宮先生

税金の支払い義務は何をしても残ってしまうので、借金と並行して支払っていけるかがポイントになります。