債務者さんからのご質問

個人再生の申し立てを予定していますが、個人再生手続き中は債務を返済すると、偏頗弁済(へんぱべんさい)になって再生手続きが認められなくなると聞きました。

この場合、水道光熱費・クレジットカード・生命保険・住宅ローン、税金などの滞納分や返済についてはどうすれば良いのでしょうか?

銀行口座の自動振り替えをしているものもあります。

雨宮先生雨宮先生

クレジットカードについては支払いや自動振り替えを停止するべきです。その他は個人再生中も支払い続けて良いでしょう。

個人再生手続き中は債務を返済してはいけない

個人再生手続き中の水道光熱費

個人再生の申し立て後に、債権の一部を少しでも返済してはいけません。
これを”偏頗弁済(へんぱべんさい)”と言って、個人再生手続きの利用が認められなくなったり、弁済額(返す借金の金額)が高くなってしまうおそれがあります。

危ないのが自動振り替えです。もし再生手続き後に自動振り替えで通帳から引き落とされた場合に、支払先によっては個人再生手続きがNGになってしまいます。

ですので、個人再生申し立て前に、「どんな借金が個人再生手続きの対象にするのか」を知っておいて、銀行の自動振り替えなどを止めておくべきです。

ですが、生活の一部になっている出費については、どれが借金に該当するか分かりにくいものもあります。例えば水道光熱費は後払いですから、「これは借金になるのか?」と悩む方もいるでしょう。

クレジットカードの利用は借金になる

個人再生手続き中のクレジットカード利用も返済も禁止

個人再生前に自動引き落としを止めるべきものの一つに、クレジットカードの利用があります。

クレジットカードはショッピングであっても立替払いで借金になりますし、リボルビング払いやキャッシングは当然借金になります。

個人再生の再生計画案には、現時点で抱えている債権を全て記載する必要があります。この時にクレジットカード利用分の債権も記載する必要がありますので、自動引き落としであれ個人再生手続き中に返済した事実があれば、個人再生手続きが廃止になってしまう可能性がありますので注意してください。

もちろん、クレジットカードの利用もしてはいけません。

雨宮先生雨宮先生

自動引き落としを止めるか、引き落とし銀行口座を残高ゼロ円の口座に変更する方法もあります。

共益債権の支払いは個人再生手続き中でも問題無い

個人再生手続き中でも支払いして良しとされる、”共益債権”に分類されるものがあります。

共益債権とは、個人再生申し立て者の業務や生活、財産を維持するために必要な費用だったり、再生計画通りに行動するために必要な費用などのことです。

例えば、債務者の再生を目的としているのに、「水道光熱費を支払っちゃダメです」となってしまえば、債務者の生活や仕事が困難になって、再生活動に支障が出る可能性が高くなりますよね。

ですので、水道光熱費、生命保険、住宅ローンについては、個人再生手続き中でも支払いを継続して問題有りません。

そして各種税金類は、もともと国民の義務になっていますし、個人再生が認められたとしても減額はされないものに該当されます。借金や共益債権などに関係なく、優先して支払うべきものとされています。

雨宮先生雨宮先生

個人再生は貸金業者からの借金を減額できますが、共益債権と税金については減額されません。

自動引き落としの場合は銀行口座の凍結ロックにご注意

もし債務者側が銀行からなんらかの借金をしていて、その契約書にて「銀行口座の凍結ロックを認めていた場合」は、個人再生手続き前に銀行口座からお金を引き出しおく方が良いと思います。

なぜなら、個人再生申し立てをしたことが銀行側に知られると、銀行側が口座の凍結ロックをする可能性があります。
もし凍結された口座から住宅ローンや水道光熱費の自動引き落としをしていた場合は、債務者が知らないうちに支払い滞納になってしまうケースもあります。

雨宮先生雨宮先生

銀行口座が凍結ロックされてしまうと、入金はされますが引き落としが出来なくなってしまいます。この辺は契約書内容にもよりますので、弁護士へのご相談をお勧めします。

今回のまとめ

個人再生手続き中は、借金の返済は禁止されています(偏頗弁済といいます)。

銀行からの自動引き落としになっているクレジットカードについては、個人再生申し立て前に止めておきましょう。

その他住宅ローン、水道光熱費、生命保険、各種税金は共益債権といい、個人再生手続き中でも支払い続けて問題ありません。

雨宮先生雨宮先生

個人再生は難しい決まり事や問題が沢山出てきますので、借金問題や債務整理を専門にしている弁護士に依頼されることをお勧めします。