債務者さんからのご質問

個人再生をすればマイホームを売却せずに借金が減らせると聞きました。

ですが、返済を滞納していたことで保証会社が銀行の住宅ローンを払ってしまって、債権が保証会社に移っている場合は個人再生はできますか?

また、他にもマイホーム絡みで個人再生制度が利用できない条件はありますか?

雨宮先生雨宮先生

保証会社が銀行住宅ローンを弁済して6カ月以内に個人再生申し立てをすることが条件です。他にも利用条件がありますので、詳しく解説します。

個人再生の住宅資金貸付債権の特則制度

住宅資金貸付債権の特則利用条件

個人再生の申し立てをすれば、同時に”住宅資金貸付債権の特則”を利用することができます。

住宅資金貸付債権の特則

  1. 住宅ローンの延長・返済猶予が得られる
  2. 住宅の差し押さえ・競売手続きの中止と解除ができる
  3. 住宅ローンの総額は減らない
  4. 住宅ローン以外の借金は減らすことができる
  5. 個人再生手続きと一緒に手続きする必要がある

詳しくは「住宅資金貸付債権(住宅ローン)の特則とは?」のページもご参考ください。

住宅ローン以外の借金が増えて「マイホームを売却したくない」という人のほとんどが利用する制度です。
しかし、この制度の利用するには、一定の条件があります。

住宅資金貸付債権の特則を利用する条件

利用条件

  1. 保証会社がローンの弁済をして6カ月以内であること
  2. マイホームに他の担保権が設定されていないこと
  3. 住宅と合わせて他の不動産に住宅ローンを担保する抵当権が設定されていないこと
  4. 法定代位で住宅ローン債権を取得していないこと

今回の債務者さんのご相談は「住宅ローンの返済を滞納したことで、保証会社が既に銀行のローンを弁済してしまった」ということです。

この場合は、保証会社が銀行の住宅ローンを返済して(=代位弁済)6カ月以内に個人再生と住宅資金貸付債権の特則を申し立てれば、大丈夫です。

債権者は銀行から保証会社に移っていますが、個人再生と住宅資金貸付債権の特則を申し立てることで、債権者が元の銀行に戻る事になります。

また、住宅の差し押さえや競売手続きも中止・解除になって、そのままマイホームに住み続けることができます。

保証会社が代位弁済をして6ケ月を過ぎていた場合は?

保証会社が銀行住宅ローンを代わりに返済していた場合

保証会社が代位弁済をして6ケ月を過ぎていた場合は、残念ながら住宅資金貸付債権の特則は諦めなければいけません。

つまり、マイホームの差し押さえと競売手続きを止めることは不可能になりますので、個人再生をするよりも自己破産を選択する方向で考えた方が良いと思われます。

法定代位による住宅ローン債権の取得とは?

住宅資金貸付債権の特則の利用条件の一つに「法定代位で住宅ローン債権を取得していないこと」とありましたが、これについても解説しておきます。

たとえば、親族や知人が住宅ローンの連帯保証人に設定されていて、債務者にかわりに住宅ローンを返済した場合、”法定代位”になります。

法定代位になった連帯保証人は、実質的には住宅ローンの債権者になって、抵当権など住宅にかかわる権利を持てるようになります。
この場合は住宅資金貸付債権の特則を利用することが出来ません。

雨宮先生雨宮先生

つまり、連帯保証人が住宅ローン債権を支払った場合には、住宅資金貸付債権の特則は利用できないということです。

住宅資金貸付債権の特徴は「個人再生の申立人は住宅を手放さなくて良くなって、住宅ローンの返済期限の猶予を得られる」というものです。

今回のまとめ

保証会社が住宅ローンの支払いを代わりに返済している場合は、6ケ月以内に個人再生と住宅資金貸付債権の特則を申し立てる必要があります。

6ケ月以内に申し立てをしないと、住宅の差し押さえや競売を止めることは出来ません。

雨宮先生雨宮先生

個人再生手続きの申し立てはかなり難しく、申し立ての準備をするだけでも数週間かかります。
マイホームを守りたい場合は、早めに借金問題や債務整理専門の弁護士に依頼することをお勧めします。