債務者さんからのご質問

夫に内緒でカードローンやキャッシングをしていますが、借金が膨らみすぎてもう返済が出来なくなってきました。
どうしたらよいでしょうか?

借金をして購入したものは、生活費・教育費・私の娯楽です。

雨宮先生雨宮先生

旦那さんにご相談したうえで、債務整理(任意整理や個人再生)をされると良いと思います。

身内に内緒の借金はよくある話

「夫に内緒で借金してる」「妻に内緒で借金してる」というのはよくある話です。

日本の平均年収

年収ラボさんから画像お借りしました。上記の画像は日本の平均年収推移グラフです。

ご覧の通り、日本の平均年収がどんどん下がっているのに(平成25年頃はアベノミクスの影響でちょっと上がってますが)、スマホなどで通信費は上がって、娯楽費も上がって、子供の教育にかけるお金も増えているからです。

これらの費用は給料でなんとかギリギリ支払えていたところに、予想外の大きな出費が必要な時に、カードローンやキャッシングに手を出す。
最初は「生活をちょっと頑張って何とかやりくりすれば返せるだろう」と思う人が多いのですが、その中で「お金って足りない時に簡単に借りられるんだ」と勘違いをする人もいます。

こういう勘違いをした人が、「カードローン・キャッシング=ATMから引き出せる自分が使えるお金」と錯覚を引き起こして、多重債務に陥っていきます。

そして「もう返済できない」と分かった時に、いやでも現実を突きつけられます。そして「どうにかなりませんか?」と青ざめながらご相談にくる流れが一般的です。

いちど借金をするということは、自分で真綿を首に巻き付けたと同じようなものです。
最初は痛みは感じないのですが、繰り返していくうちに綿がどんどん厚くなって気が付いたらギューっと首が絞められることになります。

家族だからといって身内に借金を打ち明けるべきか?

家族に借金を打ち明けるか

今回のご相談者さんは「夫に内緒で借金をしている」ということですので、やはり気になるのは「夫に借金が返済できないことを打ち明けたら、どう思われるか?何を言われるか?」がいちばん気になる部分でしょう。

一般的な考え方だと「家族なんだから、内緒にしておかずに正直に話して理解を得た方が良いよ」と言います。確かにこれは日本の道徳的な価値観からすればまっとうな意見で正論です。

正論が通じない人もいる。人だから。

ですが、この正論を受け入れてくれるのは「人」によります。
借金があることを身内に正直に打ち明けたことで、家庭がめちゃくちゃになってしまうこともあります。

元々仲睦まじいご夫婦だったら、正直に話せば「何とかしよう」と言ってくれるでしょう。

ですが、普段会話もスキンシップも無い、お互い何を考えているか分からない夫婦だったらどうでしょう?返済できない借金があることを打ち明けたことが離婚・家庭崩壊の引き金になることも珍しくはありません。

これらを踏まえたうえで、返済できない借金をどうするかを考えましょう

夫に内緒の借金返済方法

ということで、夫婦の普段の仲の具合、コミュニケーションや家族の状況によって、借金返済の方法を考える必要があります。

夫と仲が良い、家族の仲が良い場合

「長年連れ添ってきてて夫は良き理解者」「まだ新婚でお互い凄く仲が良い」というような状態であれば、これは勇気を出して夫に打ち明けるべきだと思います。

それで、もし家族で家計を工夫して返済できる見込みがあるのなら、弁護士に相談も債務整理もせずに、自力で返済される方が良いでしょう。

債務整理をしてしまうと借金を減らすことができますが、個人信用情報機関のブラックリストに載ってしまって、その後5年~10年はクレジットカードを作れなくなったり、住宅ローンなどを組めなくなってしまうからです。

【関連ページ】ブラックリストに載るとどうなる?仕事は続けられますか?

妻名義の借金を整理するだけなら、夫の信用情報に傷はつかない

とはいえ、妻の名義借金を債務整理した場合であれば、夫の個人信用情報に傷が付く事はありません。債務整理後の新規ローンは全て夫名義にすれば審査は通る可能性は高いです。

もし自力で返済できないくらいの借金額まで膨れ上がっているのであれば、借金問題や債務整理専門の弁護士に依頼して、まずは”任意整理”から検討してみれば良いと思います。

雨宮先生雨宮先生

夫婦の仲が良いと、旦那様の協力を得られる点は大きなポイントになります。二人で協力すれば、何とか乗り越えられたりできることもあります。”任意整理”については、これから説明します。

夫と仲が悪い場合

「借金のことを話せば間違いなく関係が悪化する・離婚に発展しそう」と感じる場合は、夫に内緒で債務整理(借金整理)をする方法はあります。

債務整理とは、借金を減らしたりゼロにする方法で、国が「困った人にはチャンスを与えましょう」と認めている救済制度です。具体的には、”自己破産・個人再生・特定調停・任意整理”があります。

どの債務整理方法を選ぶか?

自己破産・個人再生・特定調停はお勧めしない

「ではどの債務整理方法を選ぶか?」となりますが、自己破産はNGです。
借金がゼロになりますが、持っている家や財産のほとんどが没収されてしまいます。これでは旦那様や家族に内緒にはできません。

次に個人再生。これは借金を5分の1ほどに減らして、残った借金を3年計画で返済する方法です。
しかし問題になるのは、裁判所を通す必要があることと、提出書類の中に夫の会社に関する書類の提出(給与明細や退職金見込み額証明書など)を求められる可能性が非常に高いことです。(提出は裁判所や裁判官にもよります)

これだと旦那様に知られる可能性が高くなります。そして特定調停も同じく、旦那様に関する提出書類を多く求められます。

雨宮先生雨宮先生

自己破産・個人再生・特定調停は裁判所を通すので、解決までの時間が長く、半年~1年ほどかかります。郵送物関係は弁護士を代理人にすることで、自宅に届かないようには出来ますが、財産調査などが絡みますので、夫に知られる可能性はその分高くなります。

お勧めの債務整理方法は任意整理

ということで、残った債務整理方法は”任意整理”になります。

任意整理は裁判所を通さずに、貸金業者と直接交渉して借金の元本や利息を減らす方法です。複雑な手続きや手間も少ない、他の債務整理方法に比べて簡易的なメリットがあります。

具体的には、これから発生するはずの利息分をカットできたり、遅延損害金のカット、元本を返済できるくらいに減らしたりなど、債務者の状況や弁護士の交渉力に応じて、結果は様々です。

弁護士費用はかかってしまいますが、これは分割で支払うこともできますし、借金は結果的に減らすことができますので、「内緒に・秘密で・短期間で・複雑な手間をかけたくない」という方にはメリットが高い債務整理方法です。

任意整理について詳しくは任意整理のメリットとデメリットは?のページや、任意整理のカテゴリーページで説明していますので、こちらもご参考ください。

今回のまとめ

「夫に内緒で返せなくなるまでの借金を抱えてしまった」場合は、仲が良いご夫婦で有れば旦那様に打ち明けて、できるだけ自分たちの力で返済すること。

ご夫婦で協力しても完済できる借金額じゃない、または「夫に打ち明けると離婚や家庭崩壊になるかもしれない」という状態であれば、借金問題・債務整理専門の弁護士に依頼して、”任意整理”を行うことをお勧めします。

雨宮先生雨宮先生

弁護士に依頼する際は、必ず借金問題・債務整理専門の弁護士に依頼することが大切です。これら専門の事務所であれば、最初の相談料が無料のところが多くなっています。
専門外の弁護士も引き受けたりはしますが、慣れていないので任意整理の交渉結果が思わしくないけ結末になる可能性が高くなります。