債務者さんからのご質問

年収が300万円未満で、借金が400万円あります。
債務整理に留めた方が良いのか自己破産をした方が良いのか知りたいです。

雨宮先生雨宮先生

借金額と返済契約年数がどのくらいかにもよりますが、借金総額が手取り年収から住居費を引いた3分の1を超える場合から債務整理を検討します。

借金の返済が苦しい人ってどんな人?

「借金の返済が苦しい」と一言で表していても、人それぞれ苦しい理由が違います。

普段から趣味・娯楽・酒・たばこにお金を使っていれば、返済は苦しくなって当たり前で、これらを止めれば返済できる人もいます。スマートフォン代も、今は格安SIMなどにすればドコモ・au・ソフトバンクで契約しているよりも、月々5,000円は節約できます。

本当に返済が苦しい人は、娯楽・趣味・酒・たばこを全くたしなんでいなく、しっかり働きながら節約も限界の生活を送っているような人です。こういう方は、債務整理や自己破産が認めれる可能性は高いです。

しかし、生活状況は人によってさまざまですから、この部分だけを債務整理や自己破産の判断基準にすることは難しいですよね。

ですので、”借金返済不能の一般的な目安”が存在します。

借金返済不能の目安

借金返済不能の定義

借金返済不能の目安は、手取り年収から住居費を引いた金額に1/3を掛けた額より、借金の総額が高いことです。

最初に返済可能な例を見ていきましょう。

謝金返済可能な目安

借金の総額は140万円、手取り年収500万、居住費は年60万円です。この方の年間返済可能額は146.7万円で、借金総額よりも上回っていますから、債務整理をしても借金は減りません。

ちなみにこれは、1年返済契約の場合です。次に数年返済契約の例をご紹介していきます。

3年・2年分割返済の場合

さらに36カ月(3年間)の分割払い契約であれば、1年の返済可能額に3を掛けて判断されます。

3年返済契約の返済可能額

この人が3年間の分割返済契約だと、最低でも146.7万円×3=440万円の返済はできるとみられます。

つまり、3年返済計画で契約していれば、借金総額が440万円を超えていれば、返済不能と見なされる可能性は高くなります。

もし2年間の分割返済契約なら、2を掛けます。

2年間分割返済契約の例

2年返済契約なら、借金総額が293.4万円を超えると、支払い不能と判断されます。

雨宮先生雨宮先生

ここでご紹介しているものは、あくまで簡易的な目安です。実際は利息の支払い分が加算されますので、支払い不能になる金額はもっと低くなります。

返済不能の例

ではここからはご相談債務者さんの例に沿って返済不能か見ていきます。

借金返済不能の例年収300万未満

年収が300万、居住費が年60万だとして、3年分割のカードローンを複数の貸金業者で契約していたとします。
この債務者さんの場合は、3年間で240万円の返済が可能と判断されます。

ですが、借金総額は400万円。返済能力を大幅にオーバーしていますので、この場合は債務整理や自己破産が認められる可能性は大いにあります。

もし借金総額が200万円くらいであれば、「債務整理をしなくても返済ができる見込みがある」と判断される可能性が高くなります。

雨宮先生雨宮先生

今回は収入と借金総額だけで目安を判断していますが、介護費用、子育て費用、医療費などがかかっていて家計を圧迫している場合は、これも含めて債務整理をした方が良いケースも沢山あります。

どの債務整理方法を選ぶか?

債務整理の選び方

自分が借金返済不能だと分かったら、次はどの債務整理方法を選ぶかです。

最初に言っておきますが、自己破産は最終手段です。

借金がゼロになるかわりにデメリットもいろいろあります。財産は処分する必要があります。また、1度自己破産をしてしまうとその後7年間は自己破産ができませんので、他の債務整理方法で借金を減らして返済できそうなら、自己破産はもっとイザという時の為に温存しておく方が良いと思います。

【関連記事】自己破産をするメリットとデメリットは?

ですが、今の仕事を続けられる見込みが無い、健康面でも不安があって収入が途絶える要素がある、他の債務整理をして借金が減ったとしても返済できない可能性が高いと思われる場合は、自己破産をして借金をゼロにしてしまう方が良いと思われます。

住宅ローンを抱えている場合は個人再生を

もしマイホームを購入して、まだ住宅ローンを抱えている場合は、”個人再生”を検討されることをお勧めします。

個人再生が認められれば、マイホームなどの財産を処分されることなく、借金の総額を5分の1ほどに減らすことが出来ます。もし400万円の借金であれば80万円ほどに減額され、3年をかけて分割で支払っていきます。

手続きがとても複雑で難しい救済制度ですが、債務整理専門の弁護士に依頼すれば大丈夫です。弁護士費用は20万~30万円ほどかかりますが、これも分割で支払うことが出来ます。

【関連ページ】個人再生のメリットとデメリット

自分で貸金業者と交渉できる知識があるなら特定調停

次の債務整理方法は”特定調停”です。

裁判官が貸金業者と債務者(あなた)との間に入って、「この借金、返済が厳しいけどどうしますか?」と交渉をする方法です。

交渉力がカギになりますので、借金が減るかは自分の交渉力や貸金業者の交渉力に左右されます。

注意点としては、貸金業者が借金の減額に同意しないと調停不成立になって、他の債務整理方法を選んでやり直しをすることになります。
調停ですので判決と同じような効果がありますので、交渉後に借金の滞納が起こった場合は、給料も含めた財産が貸金業者にすぐに差し押さえられます。

雨宮先生雨宮先生

特定調停では弁護士が何かしてくれることはほとんどありませんので、依頼そのものを受けていない事務所も多い状況です。

簡便に早期解決を望むなら任意整理

「なるべく短期で借金問題を解決したい」「会社や家族に知られたくない」「あと少し借金が減れば分割で返済ができる」という方には、”任意整理”が適していると思います。

任意整理は裁判所を通さずに、弁護士が債務者(あなた)の代わりになって貸金業者と借金の減額・利息のカット・遅延損害金のカットを交渉します。取り立ても全て止まります。

複雑な書類も必要なく国を介さない直接交渉ですので、簡便で早期解決できるメリットがあります。

【関連ページ】任意整理のメリットとデメリットは?

自己破産を決断する場合

最後に自己破産についてです。

取られる財産が無い場合

もし「取られる財産も無いし借金をゼロにしてすっきりさせたい」思われる場合は、自己破産を選択しても良いと思います。

ただし、自己破産後はキャッシングやカードローンに手を出さないことです。先ほども書きましたが、自己破産は7年間、再申し立てをすることができません。

また、仕業に就いている場合は、自己破産手続き中の半年ほどは仕事をすることが出来なくなります。職業によっては収入が途絶える可能性もありますので注意しましょう。

【関連ページ】自己破産手続き中に制限を受ける職業資格は何がありますか?

住宅などの財産がある場合

住宅を持っていて家族を抱えている場合は、自己破産をすれば住宅は差し押さえられて住むところを失ってしまいます。(とはいえ、1年くらいは住み続けられます)

また、住宅やその他20万円以上の価値がある財産を持っている場合は、”管財事件”に分類されて手続きが終わるまで半年~1年はかかります。

住宅は手放すことは基本的にはもったいないので、この場合はできるだけ個人再生で何とかならないかを弁護士に相談して検討された方が良いと思います。

雨宮先生雨宮先生

収入、家計の状況、仕事の将来など人によって状況はいろいろです。借金問題・債務整理専門の弁護士に相談して、自分に合った債務整理を提案してもらうことをお勧めします。自分の判断だけで決断したことで、後で後悔することになりかねません。

弁護士相談する場合は、必ず借金問題・債務整理専門で

「弁護士」といってもいろいろな専門があります。刑事事件を専門にしている弁護士もいれば、企業の民事裁判を専門にしている弁護士もいます。

それぞれ得意分野・不得意分野がありますので、相談をされる場合は必ず借金問題・債務整理の専門弁護士事務所を選んでください。

専門外でも債務整理を受け付ける事務所もありますが、知識や経験不足で良い結果にならないケースも少なくありません。

今回のまとめ

借金返済が苦しい状況になったら、自分の収入と居住費から返済能力を計算して、債務整理が認められるか判断します。

医療費、介護費、子育ての費用がかかっていれば、これも返済が苦しい原因に加えて、債務整理をするか検討します。

個人再生、特定調停、任意整理の3つの方法で解決ができない場合は、最後の手として自己破産に踏み切ります。

債務者さんによって借金の状況や生活状況がさまざまですので、できるだけ借金問題・債務整理専門の弁護士に相談してください。

雨宮先生雨宮先生

借金問題・債務整理専門の弁護士は最初の相談料を無料にしている事務所もあります。