債務者さんからのご質問
クレジットカードのショッピング・リボ払い・キャッシングは任意整理できますか?
いま限度額いっぱいなうえに、リボ払いとキャッシングの返済が苦しくなってきています。

クレジットカード利用の返済でも任意整理はできます。将来利息がカットできる可能性が高いので、返済額を減らすことができます。
目次
クレジットカードの利用分でも任意整理はできる
クレジットカードのショッピング、リボ払い、キャッシングを利用すると、自分でも気づかないうちに数十万円もの金利が発生していることがあります。
任意整理をすれば、金利と遅延損害金の分はカットできる可能性は十分にあります。
(なお、現在は利息制限法を守った金利設定になっていますので、過払い金が発生していることはありません。)
任意整理をすれば金利手数料はカットされる
任意整理をお考えの方は、おそらく複数のクレジットカードを利用されていることでしょう。どのカードも限度額ギリギリになっていて、毎月の支払額が膨れ上がってお困りになっているかと思います。
ですが任意整理をすれば、これから支払う予定の数十万円の金利手数料が、全てゼロになる可能性が高くなります。
これから支払う予定の数十万円の金利手数料が無くなるだけで、毎月の支払額はだいぶ楽になります。もし支払いを滞納して遅延損害金が発生していれば、カード会社との交渉次第でこれもカットできる可能性があります。
クレジットカードの金利
クレジットカードを利用した場合の金利がどのくらいか見ていきましょう。
沢山のカードがありますが、今は貸金業法の利息制限法にしたがった金利設定になっていますので、どこも似たり寄ったりの金利になっています。
ショッピング | 一括払いは金利手数料ゼロ |
リボ払い | 実質年率15% |
キャッシング | 年12%~20% |
遅延損害金 | 14.6%~20% |
クレジットカードで60万円の買い物をリボ払いをした場合の金利は?
ではここから「どのくらいの金利手数料がかかっているか?」を解説します。
リボ払いの場合、多くの方は”定額支払いコース”を選んで、月々1~3万円の支払いに設定しているのではないでしょうか。
仮にクレジットカードを利用して合計60万円分のショッピングをリボ払いにした場合、支払う金利手数料と期間は以下になります。
月々支払額 | リボ金利合計 | 支払い期間 |
1万円 | 22万7526円 | 4年11カ月 |
2万円 | 11万4945円 | 2年6カ月 |
3万円 | 7万7438円 | 1年8カ月 |
いかがでしょうか。毎月の支払額が少なくなると返済期間が長くなるので、その分だけ金利手数料が上積みされていきます。
月々2万円の支払いでも金利手数料合計で11万円以上にもなります。複数のクレジットカードでこれくらいの買い物をしてたら、支払いはかなりの負担になりますよね。
年15%は考え方によっては高いですよ。銀行にお金を預けても年利0.005%程度ですから。
クレジットカードで50万円のキャッシングを利用した場合の金利は?
次にクレジットカードのキャッシング金利手数料についてです。キャッシングの借入額にもよりますが、ほとんどのカードでは年利18%くらいになっています。
50万円のキャッシングをした場合の金利手数料を計算してみましょう。
月々支払元金 | 金利合計 | 支払い期間 |
1万円 | 19万4814円 | 4年1カ月 |
2万円 | 10万1003円 | 2年0カ月 |
3万円 | 6万9802円 | 1年6カ月 |
キャッシングでも結構大きな利息手数料になることがわかります。借金問題で悩まれている方は複数のクレジットカードのキャッシングを利用している方が多いです。合計借入額が100万円になっていることも珍しくありません。
100万円をキャッシングで借り入れした手数料は?
もしキャッシング借入額合計100万円になった場合の金利手数料も計算してみましょう。
月々支払元金 | 金利合計 | 支払い期間 |
1万円 | 76万4877円 | 8年3カ月 |
2万円 | 38万9652円 | 4年1カ月 |
3万円 | 26万4524円 | 2年8カ月 |
月々3万円元金の返済をしても、26万円以上の金利手数料を支払うことになります。
元金3万円返済であれば、毎月の返済額は4万円ほどになります。

いかがでしょうか?任意整理をすることで、これらの金利手数料がカットされる可能性は高いです。支払い滞納による遅延損害金のカットも見込むことができます。
任意整理をしたクレジットカードはどうなるか?
なお、任意整理をしたクレジットカードは、契約解除になって利用ができなくなります。
また、1枚のカードでリボ払いとキャッシング両方を利用している場合、「キャッシング分だけ任意整理したい」ということは出来ません。1枚のカード利用分をまるごと任意整理することになります。
そして、任意整理をすれば個人信用情報機関のブラックリストに掲載されてしまいますので、以後5年間は新しいクレジットカードを作る事はできません。
任意整理をしなかったクレジットカードは、そのまま継続しての利用ができます。もし「1枚は使えるカードを残しておきたい」という場合は、利用している額が少ないカードは任意整理をせずに、通常の返済を続ける必要があります。
【関連ページ】ブラックリストに載るとどうなる?仕事は続けられるか
任意整理の相談・依頼先
任意整理は、借金問題・債務整理専門の弁護士や認定司法書士に相談・依頼をしてください。
弁護士や認定司法書士とはいえ、いろいろと専門分野があります。とくに任意整理の場合は、カード会社との交渉力次第で和解の結果が変わってきます。
交渉の経験が不足していると、金利手数料が一部だけしかカットされなかったりするケースもあります。
ですので、必ず債務整理を専門に扱っている弁護士・認定司法書士を選ぶようにしてください。これを専門にしている事務所であれば、最初の相談料は無料に設定されていることが多くなっています。

このページ内でお勧めの相談先をご紹介しています。参考にしてみてください。
【余談】任意整理後は金利に対する認識を真剣に考えよう
クレジットカードのリボ払いやキャッシングを利用される方は、金利に対してどのようにお考えでしょうか?金利が年15%は安いか?高いか?どう思われますか?
ちなみに、私にとっては「金利が年15%はもの凄く高い」と思っています。もし1000万円貯金をしたら、年に150万円もタダで利息が付くんですよ。銀行に預けるよりよっぽどいいと思います。
リボ払いの落とし穴は知っていますか?
リボ払いの落とし穴についても少し解説しておきます。
ほとんどの人は、最初は10万円くらいの買い物からスタートします。リボルビング払いを選んで、月々1万円の固定支払いにします。この場合は手数料合計が6,652円です。
ここでほとんどの人が、「手数料が6千円くらいなら、まぁいいか。それで欲しい物がすぐに手に入るんだから。」と思ってしまうんですね。ここがリボ払いの落とし穴です。
1度欲しい物をカードですぐに買える楽しみと快感を味わうと、次に欲しい物が目の前に現れた時に「手数料数千円くらいなら、別に大丈夫だよね」と思って買ってしまいます。こうなると、完全にリボ払いの落とし穴にハマった状態です。
リボルビング払いは、毎月固定の支払いです。固定の支払いだからこそ、買い物した総額が大きくなれば、支払う期間が長くなります。支払う期間が長くなれば、支払う金利も多くなります。
「欲しい物が毎月少ない支払いですぐに買える」・・・これを繰り返した結果、自分で気付かないうちに金利手数料を数十万円も支払うはめになっていることになってしまうのです。
ですので、任意整理後は同じ過ちを繰り返さないように、「金利年15%~20%はとても高い!」という認識を持つようにされると良いかと思います。

クレジットカードは上手に使うと便利なものですが、自分の貯金や支払い能力を超えた使い方をすると、知らないうちに返済が大変なことにもなります。