雨宮先生雨宮先生

自己破産をする場合、売却できる資産があるか・無いかで手続きが変わってきます。

資産が無い場合は”同時廃止手続き”に進み、資産がある場合は”管財事件手続き”に進みます。

同時廃止になる条件と手続きとは?

同時廃止の条件と手続き

同時廃止になる条件は、簡単に言うと、「借金が沢山あって、売却できそうな資産も無いし、借金抱えた理由がまっとうなら、早く借金をゼロにして(免責して)終わらせてしまおう」というものです。

同時廃止になる条件は?

同時廃止が認められる条件は、20万円以上の売却できる資産や20万円をこえる現金や預貯金を持っていない場合と、自己破産の理由が”免責不許可事由”にあたらない場合です。

自己破産を申し立てると、資産・財産や自己破産をした理由が調査・審査されます。

免責不許可事由とは、「法律で定められた借金をゼロにできない理由」のことで、これに当てはまっていると免責が下りずに借金を帳消しにすることは出来ません。

【免責不許可事由の例】

  • 故意に資産を隠したとき
  • ギャンブル・投機行為・高額な飲食・遊興(ホスト・キャバクラ)などに使用するために借金をしていたとき
  • ローンを完済前の物を不当な安価で売却したとき
  • 故意に債権者を隠していたとき(特定の人にだけ、返済をしている疑いがあるため)
  • 返済できない状態を隠して借金をしたとき(詐欺行為)
  • 自己破産免責を受けて7年以内のとき
  • 破産管財人に非協力的なとき

免責不許可事由について詳しくは「自己破産免責が許可されるケース、されないケースと理由は?」をご参考ください。

同時廃止手続きになるケース

同時廃止手続きになる場合は、売却できる資産がない・預貯金が20万円以下・免責不許可事由がない場合と言いました。

それでは具体的に、同時廃止になるケースをご紹介します。

同時廃止になったケース1

Aさん(男性 31歳)
借金総額 500万円
預貯金・現金 15万円
普通自動車評価額 12万円
不動産評価額 なし

Aさんの資産は、預貯金と普通自動車評価額の合計で20万円以上になっています。
ですが、普通自動車などの動産は、1種類の資産の評価額が20万円以上の場合に資産(財産)と見なされますので、自己破産手続き上では自動車の評価額はカウントしません。

よって、Aさんは売却できる資産が無いと判断されて、同時廃止になって免責の許可が出ました。

もし同じくらいの評価額の自動車を2台所有している場合は、2台の評価額の合計が20万円以上になってしまいますので、立派な資産となり同時廃止にはなりません。管財事件の手続きに進むことになります。

同時廃止になったケース2 ローンを抱えた不動産資産がある場合

Bさん(男性 40歳)
借金総額 670万円
預貯金・現金 10万円
普通自動車評価額 17万円
不動産評価額
(住宅ローン残金)
1300万円
(1600万円)

Bさんのケースのように不動産を所有していても、住宅の残高が不動産評価額よりも1.5倍以上の場合には、免責の許可がおりることがあります。

ですが、自己破産後はそのまま住宅に住み続けられる訳ではないので、注意が必要です。

住宅ローンの支払い残額が多く資産とされない理由には、その住宅ローン債権者(銀行)に、債権回収の権限が認められているためなのです。ですから、免責決定がされると住宅ローン債権者(銀行)により、不動産は競売され債権の回収がされます。

競売が終わるまでの1年間ほどは住み続けることができます。

【関連ページ】自己破産をするとマイホームはどうなる?

同時廃止手続きの流れ

同時廃止手続きの流れは、裁判所側がPDFで公開していますので、こちらに貼り付けておきます。

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なお、他にも破産手続き開始・免責許可申立書提出の注意事項など、沢山の書類と注意しなければいけないことがあります。こちらも裁判所のホームページに掲載されていますが、個人でこの手続きをすることは難しいし失敗て免責が下りない事もありますので、できるだけ弁護士さんの力を借りることをお勧めします。

【関連外部サイト】破産( 同時廃止)について 免責について – 裁判所

管財事件手続きとは?

管財事件手続きの資産

管財事件手続きとは、裁判所に破産手続きの決定が認められたときに、売却できる資産がある・免責不許可事由がある場合に進む手続きです。

この管財事件手続きには、4つのタイプがあります。

4つの管財事件手続き

1.偏頗弁済型(へんぱべんさいがた)

特定の債権者への返済だけをしていた場合、偏頗弁済型(へんぱべんさいがた)が用いられます。この管財事件手続きは、申立人が支払い不能と判断された後に、一部の債権者に支払っていた返済金を取り戻し、改めて全ての債権者に平等に分配を行います。

例えば、破産決定後に、債務者(あなた)友人の借金15万円を返済をしていたとします。

管財人は、「債務者さんは自己破産をしたので、債務者さんのお金は債権者に平等に配布しなければいけないのです」と言って友人から15万円分を破産財団に戻してもらう義務があります。その後、平等に債権者への分配を行います。

つまり、自己破産後は勝手に一人の人に多めに借金を返済することが禁止されているのです。

2.過払調査型

消費者金融などの貸金業者の借金に過払金があるときは、管財人に依頼をして過払い分の回収の依頼をします。
裁判所によっては、この過払金を回収してから自己破産・免責許可の申し立てを要求されることもあります。

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消費者金融やヤミ金への返済を長く続けている場合、過払い金が発生している可能性があります。過払い金があるときは、その金融会社への借金が大幅に減ったり、返金されます。

消費者金融の返済で苦しんでいて自己破産を考えている場合は、まずは弁護士や司法書士に相談してみてください。

3.免責調査型

「免責不許可事由があるかの調査をする必要がある」と裁判所が判断したときに、管財事件手続きに進みます。この手続きは、”裁量免責“を許可してもいいか判断するための調査です。

つまり、例えばギャンブルや娯楽目的で借金をして首が回らなくなったという理由で自己破産を申し立てた場合、裁判所側が「そんな理由じゃ簡単に自己破産は通りませんよ。だからすんなりと免責を出す同時廃止にはしません。管財事件にしてちゃんと調査しますね。調査したうえで、大きな問題が無ければ、裁判官の裁量(権限)で、免責を出しますから」というものです。

4.資産換価型

管財人が資産を換価(現金化)して債権者への配当を実施します。

管財事件手続きの場合、手続きが終了するまでに半年~1年程度かかります。資産に不動産がある場合は、換価に時間がかかるためもっと期間がかかる可能性もあります。
一般的には、資産換価型で管財人が資産を換価(現金化)して債権者に分配します。

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ちなみに不動産を所有している人が自己破産をする場合は、同時廃止・管財事件のどちらになっても、不動産を手放すことになります。
不動産を手放したくない場合は、個人再生・任意整理で借金の問題が解決しないか、専門家に相談をしてみましょう。

売却できる財産があって管財事件になる場合は弁護士に依頼した方が良い

管財事件に進むことが分かっているくらいの財産を持っている場合は、できるだけ債務整理弁護士へ自己破産手続きを相談・依頼されることをお勧めします。

先ほど4つの管財事件手続きを解説しましたが、おそらく一般的には分かりにくいと思います。また、できるだけ財産を守るためには、弁護士の知識を借りたほうが良い結果に繋がります。

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何も知らずに一人で自己破産手続きをした結果、本当は没収されない財産も没収されてしまっていた、というケースもあります。

公務員だからといって法律知識が完璧な人はいません。自分を守るための法律知識を持って無ければ、相手の言いなりになるしかないのです・・。

今回のまとめ

自己破産手続きの決定をされた時点で、資産が無いと時と免責不許可事由に当たらない場合は同時廃止手続きになります。
同時廃止手続きになったときは、免責許可がされて借金がなくなります。

資産がある場合や借金の理由が免責不許可事由にあたるは、管財事件手続きに進みます。
管財事件手続きの場合は、管財人が資産を換価して債権者へ分配することで借金がなくなります。

雨宮先生雨宮先生

自己破産を申し立てる前に、資産を不当に安い価格で売却することは、これも”免責不許可事由”になるため注意しましょう。

借金で首が回らなくなると冷静な判断も出来なくなってきますので、自分の判断でいろいろ行動してしまう前に、債務整理弁護士に相談されることをお勧めします。