債務者さんからのご質問
妻が内緒で私名義でカードローンを組んでいました。私に返済義務があるのでしょうか?

配偶者が勝手に名義を使用した場合は、本人に返済義務はありません。
ですが返済を逃れるためには、被害届けを警察に提出する必要があります。
目次
配偶者が勝手に組んだカードローンの返済義務はない
夫婦であっても、本人に知らせずに勝手に名義を使った借金の返済義務はありません。
返済義務の免除を受けるには被害届の提出が必要
ですが、借金返済の免除を受けるために、警察に被害届を出す必要があります。そして、債権者から返済の督促がきても支払わずに事情を説明します。
なぜなら、1度でも返済をすると「この借金は自分が返済します」と認めたことになるからです。
もし被害届を出した場合、債権者である信販会社から詐欺罪で訴えられ妻は犯罪者になり、懲役10年以下の刑罰を受けます。実際の刑罰は、有罪判決のうち8割程度が1~3年の刑期となり、初犯であっても執行猶予がつくのは全体の半数です。
この可能性を考えた上で、被害届を出すか考慮して下さい。
債権者に説明する前に用意するもの
債権者に、自分には返済義務がないことを証明するには、口頭説明だけで納得してもらえません。そのため、自分に責任のないことを証明するものを提示する必要があります。
配偶者が契約書にサインをした場合は、契約書と自分の筆跡の違いを確認するための自分のサイン・インターネット経由の契約は、配偶者に「自分が勝手に名義を使用して契約をしました」と書面にしたものを提出します。
配偶者と離婚しても返済義務がありますか?
はい、返済義務があります。なぜなら、離婚をしても婚姻期間中に発生した借金はマイナスの財産として、二人で分けることを定められているからです。これを”財産分与”といいます。
もしプラスの財産がある場合は、そこから借金分を引いた金額・プラスの財産が無ければ借金を夫婦で折半します。
返済できないほど高額な借金は任意整理を利用する
夫婦の収入を合わせても返済が出来ない場合は、”任意整理”を利用して将来利息をカットをすることで、借金を減らすことができます。
借金の減額を弁護士(司法書士)の依頼費用は、1社あたり2~6万円程度で出来ます。
合わせてチェックしておくべきページ
利息のカットではどれくらいの借金が減るのか?
「任意整理で将来利息をカットしたくらいでは借金の返済が難しいのでは?」と思われている方もいらっしゃると思います。
実は、将来利息をカットしただけでも借金が全体の20~30%程度減額されることもあります。

例えば、金利15%で300万円を借り入れて毎月7万円づつ返済していくとすると、利息分だけで140万円にもなるのです。
借入れ金額と返済期間別の利息金額
借入金額(金利) | 毎月の返済金額 | 返済期間(回数) | 完済までの利息金額 (総返済金額) |
200万円(15%) | 5万円 | 4年9ケ月(57回) | 84万円 (284万円) |
200万円(15%) | 7万円 | 3年1ケ月(37回) | 53万円 (253万円) |
300万円(15%) | 5万円 | 6年8ケ月(80回) | 265万円 (565万円) |
300万円(15%) | 8万円 | 4年4ケ月(52回) | 114万円 (414万円) |

上記の表に注目してください。利息だけでも凄い金額になりますよね。返済期間が長くなるほど、利息は膨れ上がります。
返済が苦しい場合は任意整理をすることで、この利息分をカットすることができます。
任意整理の減額については、任意整理をすれば借金がいくら減るのか知りたいのページも参考にしてみて下さい。
今回のまとめ
妻(夫)名義で配偶者が勝手にカードローンを組んでも、本人(名義人)に返済義務はありません。ですが、妻に対しての被害届を警察に提出する必要があり、犯罪者になります。
離婚した場合でも、マイナス財産として財産分与されるため借金は折半になります。
返済ができない高額な借金の場合は、任意整理をして将来利息分をカットすることで、返済を軽くできます。

妻が犯罪者になるのを避けるために、被害届けを出すケースはほとんどありません。