債務者さんからのご質問
1社だけのクレジットカードを任意整理した場合、他のクレジットカードの利用は続けられますか?
消費者金融かと現在2社のクレジットカードを使っていて、消費者金融と1社のカードの借金が多額で任意整理をしたいと思っています。

1社のクレジットカードを任意整理した場合、任意整理をしていない他社のクレジットカードも使えなくなる可能性はあります。
目次
問題になるのは、クレジットカード会社がどこの信用情報機関から信用情報を得ているか
任意整理をすれば、信用情報に傷が付いて新しく借金やクレジットカードが作れなくなります。この信用情報を管理しているのが、CICやJICCといった個人信用情報機関です。
クレジットカード会社によって、CICとJICC両方から信用情報をチェックしていることもあれば、どちらか片方の期間からチェックしていることもあります。
今回は2社のカードをご利用とのことですので、この記事ではカードAとカードBとして説明していきます。
2枚のクレジットカードが使えなくなる可能性が高いケース
もしカードAの会社がCICとJICCに加盟していて、カードBの会社がJICCだけに加盟していたとします。
そして、カードAを任意整理した場合は、JICCにブラックリスト登録されますので、それがカードBの会社にも知られてしまう機会は高くなります。
よって、カードAとカードB両方のカードが利用できなくなる可能性はとても高くなります。
任意整理したカードだけが使えなくなる可能性が高いケース
カードAがJICCに加盟、カードBがCICに加盟していたとします。
カードAを任意整理すれば、JICCにブラックリスト登録されますが、CICには登録されない可能性があります。
よって、使えなくなるのはカードAだけで、カードBは引き続き使える可能性があります。(あくまで可能性です)

ほかにも、全国銀行個人信用情報センターがあります。
個人信用情報機関はCRINを通して情報共有をしている
債務整理後のクレジットカード利用は、カード会社がどこの個人信用情報機関に加盟しているかがポイントにはなるのですが、”CRIN”の存在があることも知っておいた方が良いでしょう。
CRINとは、個人使用情報のデータを共有化するネットワークのことです。ネットワークの形態を簡単に図で解説しておきます。
↑このようにCRINネットワークでJICC,CIC,全国銀行個人信用情報センターのデータを共有しています。ですので、どこか一つの信用情報機関にブラックリスト登録されれば、金融関係の全ての業者は情報を引き出すことができてしまいます。
結論:任意整理を1社でもすればクレジットカードが使えなくなる可能性はある
ですので結論は、カード会社1社だけ任意整理をしても、他のカードが使えなくなる可能性はあります。ですが、そのまま使い続けられる可能性もあります。
使えなくなるかはクレジットカード会社さんの営業方針や、今までの支払い状況によっても変わります。
マメにCRINに照会して任意整理事故者リストをピックアップしているカード会社もあれば、していないカード会社もあります。
また、今まで1度も返済延滞していなければ、そのまま使い続けられていることもあります。
確実に言えることは、「クレジットカードを任意整理すれば、全てのカードが使用不可になるリスクはゼロではない」ということです。

「任意整理しないカードは使い続けられた」「全部使えなくなった」の両方のケースがありますので、確実なことが言えないのが実情です。