債務者さんからのご質問

「債務名義」とはなんですか?消費者金融が差押えに使うと聞いたことがあります。

雨宮先生雨宮先生

債権者(お金を貸した側)が給料などの財産を差し押さえるために使う公(おおやけ)の文書のことです。

債務名義には5種類ある

債務名義とは
”債務名義”とは、「〇〇さんに□□円の借金があります」「△△さんに〇〇さんは~~円支払いなさい」と法的に証明する公文書のことです。

この公文書があれば、裁判所に「〇〇さんが返済期限を過ぎてもお金を返してくれないので法的に請求したい」と裁判や強制執行を申し立てることができます。

債務名義になるものは主に5種類あります。

1.公正証書

1つ目は公正証書です。
これは公証役場の公証人が作る契約書のようなもので、借金に関するもの(債務承認)だけではなく、離婚給付契約や遺言、委任契約など様々なものに対して作成されます。

債権名義公正証書1

債権差押え命令申立書

雨宮先生雨宮先生

↑の画像は公正証書と、債権差押命令申立書の見本です。

白紙に印鑑を押しても公正証書が作られてしまうことも

債権に関する公正証書を作るには、本来であればお金を貸した側(債権者)とお金を借りた側(債務者)の間に公証人が立ち会う必要があります。

ですが委任状があれば、債権者か債務者どちらか一方がいれば作成することができます。
たまに「白紙にハンコを押すように言われ、印鑑証明も渡してしまったけど大丈夫ですか?」と相談される方がいますが、これは金融業者が委任状を作って公正証書を得る目的です。

公正証書があれば裁判所に強制執行を申し立てることが可能になって、債務者の財産(給料も含む)を差し押さえることができます。

雨宮先生雨宮先生

公正証書は法的な契約ですから、差し押さえに関する力は強いのです。家財は差し押さえられませんが、給料は4分の1、銀行口座の預金が差押えられます。

(差押えを解除する方法は無くはありませんが)

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2.判決

2つ目は裁判の判決です。
判決は裁判所が審理をおこなったうえで、「AさんはBさんに□□円支払いを命じる。期日は〇月〇日迄、Z銀行へ振込」「財産を差し押さえる」など、とても強制力が高い債務名義です。

判決が出てしまえば、その内容に従うか、控訴(さらに上級の裁判所で裁判を行う)する必要があります。ですが、自分がした借金の返済を迫られて支払いの判決が出たものに対して再び裁判をしなおしても、結果は見えています。よほど不条理な判決ではない限り、控訴をすることはありません。

3.和解調書

和解調書は、裁判の途中で和解をした際に作られる公文書です。裁判判決と同じ執行力を持っているものです。

主に簡易裁判所に申し立てる区分の内容で作成されることが多いです。

4.仮執行宣言付き判決

仮執行宣言付き判決とは、「判決が確定する前に、仮としてでも強制執行することができる」というものです。

この判決には不服申し立てをすることもできますが、申し立てをしたからといって即座に強制執行を解除することはできません。

5.調停証書

最後に調停証書です。

調停証書は、”特定調停”を行って金融業者と和解できた時に作られる債務名義です。
これは裁判判決と同等の効力がありますので、和解した結果には従う必要があります。

「特定調停をして借金は少し減ったけど、やはり返済が続けられない」という相談もありますが、この場合は調停証書が作られた後でも債務整理をやり直すことが出来ます。

具体的には、個人再生か自己破産をすることになります。ですが、調停証書が作られた後に返済が滞ると、次の債務整理を申し立てる間に強制執行で財産を差し押さえられることもあります。

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借金をして債務名義を取られたらどうするか?

もし借金をした相手に債務名義を取られている状況で、返済が滞って強制執行をされそうな場合は、すぐにでも債務整理専門の弁護士に相談して対処された方が良いでしょう。

返済が滞って支払い能力が無い状態であれば、おそらく自己破産をすることになるかもしれませんが、住宅を持っていて手放したくない場合は、個人再生を行うことで強制執行を回避できる可能性もあります。

雨宮先生雨宮先生

個人再生は住宅などの財産を残しつつ、借金を5分の1~10分の1に減らせる債務整理です。