債務者さんからのご質問

個人事業主ですが、経営が悪化して1000万円の借金を抱えています。
現状だと返済が難しいですし、借金は膨らむ一方ですので、廃業して債務整理を考えていますが、どのような方法がありますか?

雨宮先生雨宮先生

今後どのくらい返済できるか、持っている財産によりますが、おそらく個人再生か自己破産になると思います。

債務整理には4種類ある

個人事業主が債務整理をする方法

債務整理には、任意整理・個人再生・特定調停・自己破産の4つの方法があります。

任意整理と特定調停は似ているのですが、任意整理は裁判所を通さずにお金を貸した側と借金について和解交渉をする方法、特定調停は裁判官を通して和解交渉する方法です。

ですがこの2つの方法は、将来利息や遅延損害金をカットすることを基本にした目的になります。

つまり、任意整理や特定調停では、今回のご相談にある借金の元金1000万円を減らすことはできない可能性は高いので、個人再生か自己破産を検討する方向になるでしょう。

個人事業主で個人再生をした場合

個人再生は、持っている財産を手放すことなく、借金を5分の1~10分の1に減らして、残った借金を3年~5年かけて返済していく方法です。

”給与所得者再生”と”小規模個人再生”の2種類がありますが、個人事業主の場合は給与所得者ではありませんので、小規模個人再生を選択することになります。

借金額(住宅ローン除く) 減額幅
100万円未満 減額無し
100万円以上500万円未満 100万円に減額
500万円以上1500万円未満 5分の1に減額
1500万円以上3000万円未満 300万円に減額
3000万円以上5000万円以下 10分の1に減額
雨宮先生雨宮先生

借金が1000万円であれば、個人再生をすることで借金がおおよそ5分の1、つまり200万円に減らすことができます。

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定期的な収入があることが必要条件

個人再生は住宅などを手放すことなく借金を減らすことができますが、定期的な収入があることが必要な条件になります。

「定期的な収入」とは、少なくても3ケ月以内に1度返済できるだけの収入があることを意味しています。

今回のご相談では、経営が厳しいとのことですから、定期的な収入が得られるかが焦点になると思います。既に廃業を考えられているのであれば、いったん就職をして毎月の給与を確保したうえで個人再生を手続きする方法も考えます。

雨宮先生雨宮先生

もし手放したくない財産があれば、債務整理専門の弁護士の先生に相談して、個人再生から検討されれば良いと思います。

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自己破産をした場合

次に考えるのが自己破産です。
自己破産をすれば1000万円の借金はゼロにすることができます。ただし未払いの税金や公共料金は免除されません。

ですが自己破産をした場合はデメリットも大きく、住宅などの財産は全て没収されます。
現金や預金は99万円以上の部分も没収、評価額20万円以上の財産も没収されます。生活に必要な家財道具は没収されません。

収入を得るあてが全くなかったり、再就職ができない場合は、自己破産を選ばざるを得ないと思います。

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債務整理をすればしばらくの間新たな借金はできなくなる

個人事業主さんの場合だと、廃業して借金を整理した後に、すぐに新しい事業を立ち上げたくて借金を考える人がいます。

ですが個人再生や自己破産をすれば、信用情報に傷が付いてしまいますので、7年から10年か新たな借金をすることができなくなります。

いわゆる”ブラックリスト”に登録されてしまうからです。他には新しいクレジットカードも作ることができませんし、教育ローンなども組むことは基本的にはできません。

お金を貸してくれる人が納得できる理由があれば、7年~10年以内であってもローンを組むことができるケースもあります。

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雨宮先生雨宮先生

どの債務整理が良いのかは、持っている財産や家庭や収入の状況によって変わってきます。
債務整理を専門にしている弁護士の先生によく相談されて方向を決められることをお勧めします。