債務者さんからのご質問
消費者金融から借金の催告状が届いて、給与の差し押さえをすると書かれていました。
会社に差押えの書類が届く前に何とかしたいのですが、猶予期間はどれくらいあるのでしょうか?

債権名義を取られていれば、すぐにでも差押えられてもおかしくありません。
裁判前とか、公正証書を作っていないのであれば、早くても1カ月はかかると思われます。
給与の差し押さえには「債権名義」が必要である
お金を貸した側がお金を借りた人の給与を差し押さえるためには、かならず「債権名義」が必要になります。
債権名義とは?
”債権名義”とは、借金をしていることや借金の返済に関する事を法的に証明する公文書です。
債権名義には「公正証書」「判決」「和解調書」「仮執行宣言付き判決」「調停証書」の5種類があります。
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債権名義が無ければ給与の差し押さえはできない
お金を貸した人が給与を差し押さえるためには、”債権名義”と一緒に強制執行の申し立てを裁判所に提出する必要があります。
つまり、お金を貸した側が債権名義が無ければ、給与の差し押さえをすることはできません。
消費者金融によっては、債権名義を持っていないのに、催告状や督促状で脅しの効果を狙って「給与差押えをする」と書いてくるケースもあります。
債権名義を取るのにどれくらいの時間がかかる?
まだ債権名義を取られていない場合は、早くても1カ月はかかると思われます。
例えば公正証書であれば、お金を借りた人の印鑑が必要になります。印鑑さえ押さなければ、債権名義を取られることもありません。
ですが、もし過去に「白紙に判子を押した」ということがあれば、それを使って委任状を作られて公正証書を発行されている可能性もあります。(この場合はいつ差し押さえられてもおかしくありません)
もし裁判を起こされた場合は、裁判で負けるまでは債権名義は取られません。申し立てから裁判開始まで1カ月はかかります。

1カ月の猶予期間があれば、給与差押えの対策をすることができます。
債権名義を取られている場合は?対処法は?
ですが、もし既に債権名義を取られている場合は、明日にでも給与を差し押さえられる可能性はあります。
給与差押えの対処法は、弁護士に債務整理の依頼することです。
例えば弁護士に破産申請を依頼すると、弁護士が債権者に”債務整理の受任通知”を送ります。そうすればほとんどの債権者は提訴を控えますので、給与の差し押さえをされる可能性はほとんど無くなります。
稀に強行して差し押さえに来る貸金業者もいますが、破産手続きが行われれば給与の差し押さえは解除されることになりますので、差押えをする意味が無くなります。

給与の差し押さえ前であれば、急ぐほど差押え対処できる可能性が高くなります。
はやめに債務整理専門の弁護士にご相談されることをお勧めします。