債務者さんからのご質問

税金の滞納(未納)が全部で120万ほどありますが、個人再生はできるでしょうか?

手取りの月収が26万円、住宅ローン残金が1500万円で月々5万円の支払い、消費者金融と銀行のカードローン合わせた借金が400万円ほどあります。

家を残したいので何とか個人再生をしたいのですが、難しいのでしょうか。

雨宮先生雨宮先生

税金は個人再生で減額の対象になりませんので、再生後に毎月の弁済額に税金の分割支払い分を加算しても返済を続けられる見込みであれば、個人再生が認められるかと思います。

返済し続けられれば個人再生は利用できる

税金が滞納しても個人再生の手続きはできる

税金を滞納していたとしても、個人再生はできます。

具体的には、税金の分割滞納分を弁済額に上乗せして計算してみて、3年~5年間お金を返済し続けられると再生委員会に認められることが必要になります。

税金の分割返済に関しては官庁と交渉する

個人再生をすれば、税金の未納分が自動的に分割返済を認めてくれるわけではありません。
その税金を担当している官庁に、ご自身で分割支払いを交渉する必要があります。

つまり、税金は個人再生とは別扱いになります。

税金未納分の分割払いの交渉官庁

  • 所得税・・・各地方の税務署
  • 住民税・市県民税・・・県庁・市役所の税金課など
  • 固定資産税・・・各市町村の資産税課など
  • 年金・・・各市町村の年金事務所
  • 国民健康保険・・・各市町村の健康保険課
  • 下水道料金・・・各市町村の上下水道局
雨宮先生雨宮先生

下水道料金も対象になります。上水道の未納分は個人再生の債権に含まれます。
また、分割交渉が成功しても延滞料金が年9.2%上乗せされることも覚えておいてください。

住宅を残したい場合にチェックしておくべきこと

また、個人再生で住宅を残したい場合は、住宅ローンの特別条項を適用する用件(住宅資金特別条項)を満たしていることが条件になります。

住宅ローンの特別条項を適用する主な用件

  1. 住宅に住宅ローン以外の債務に関する抵当権が設定されていないこと
  2. 住宅に住宅ローン以外の担保が設定されていないこと
  3. 保証会社が代わりに住宅ローンを支払っていないこと

抵当権については登記簿を見れば確認することができます。住宅ローン以外の抵当権や担保が設定されていなければ大丈夫です。

そしてよく問題になるのが、住宅ローンの支払いを滞納していて、保証会社が住宅ローンを代わりに支払ってしまっているケースです。

既に保証会社が住宅ローンを支払っている場合

通常、住宅ローンを3ケ月滞納すれば、保証会社がかわりに一括で銀行などに返済します。これを”代位弁済”と言います。

すると、今度は保証会社から債務者(あなた)に借金の請求が行われて、一括返済できなければ保証会社が抵当権を実行して住宅を競売にかけてしまいます。

雨宮先生雨宮先生

代位弁済が始まる前に、住宅ローンの借り先から「〇月〇日を限界として債権を保証会社に移行する」と通知があります。
通知は移行する前か、移行した後、どちらになるかは住宅ローンの借り先によって変わります。

代位弁済がはじまって6ケ月以内なら巻き戻せる

ですが代位弁済が始まってから6ケ月以内に個人再生をすれば、「住宅ローンの巻き戻し」をすることができて、代位弁済をリセットすることができます。

つまり、保証会社が代位弁済する前まで時間を巻き戻すことができますので、住宅の持ち主は債権者(あなた)に戻ることになります。

そして個人再生手続きが進んで再生計画が認められれば、住宅ローンの返済を続けて住宅に住み続けることができます。

このことは民事再生法204条で定められています。

もし代位弁済が始まってから6ケ月を過ぎた場合は?

もし保証会社による代位弁済から6ケ月が過ぎていれば、残念ながら住宅は失うことになります。

返済目途が立たない場合はすぐに債務整理弁護士に相談を

ですので、住宅ローンが滞納してきて借金返済の目途が立たない場合は、すぐに債務整理専門の弁護士に相談し、個人再生の依頼をするようにされることをお勧めします。

税金が滞納していれば延滞料金が加算されていきますし、その他の借金も遅延損害金が発生して、個人再生後の毎月の返済額がどんどん膨れ上がっていきます。

税金の分割支払い交渉がうまくいったとしても、税金の滞納額と借金額が多ければ多いほど、毎月の収入が多く必要になってしまいます。

雨宮先生雨宮先生

借金は放置するほど傷口が膨れ上がって、個人再生が認められる可能性が低くなっていきます。
早めの行動をされることをお勧めします。