債務者さんからのご質問
公務員ですが自己破産をしても仕事を続けられるでしょうか?
母の介護費がかさんで、銀行のカードローンや消費者金融で合計600万円の借金が返済できず、途方に暮れています。
住宅は持ち家に住んでいます。

公務員だからといって必ずしも自己破産の職業制限には該当しませんので、仕事を続けることができると思います。
自己破産をしたからといって職場に知られるわけではない
「自己破産をするといろんな人に知られたり、何かとんでもない事になるんじゃないか?」と思われる方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。
自己破産をした事実は国の広報誌である官報に掲載されるだけです。誰かが職場に「この人は自己破産をしましたので」と連絡するようなことはありません。
もし誰かが官報をチェックして「〇〇さんは自己破産したんだ」という事実が知られたとしても、職場に解雇する権限はありません。ですが、職場での評価や立場は変わる可能性はあるかもしれません。
自己破産はあくまでそのひと個人の借金の問題ですから、職場は関係ありません。厚生年金や健康保険にも影響はありません。
合わせて読んでおくと良いページ
職業の制限を受ける資格はある
ただし、自己破産には職業の制限を受ける資格があります。
主に「〇〇士」というような職業に就いている方は、自己破産手続き中の3か月~1年間はその職業で仕事を仕事をすることができません。
公務員といっても様々な職種がありますし、資格を用いた仕事をしている場合もありますから、もしかしたら制限を受ける職業の対象になっているかもしれません。
どんな職業が制限の対象になっているかは、以下の関連ページで解説しています。
合わせてチェックしておくべきページ
職業制限の対象になっていた場合
もし職業制限の対象になっていた場合は、職場に報告する義務があります。制限中に行った仕事は全て法的には無効になってしまいますので、後々に問題になることもあります。
ですので、自己破産手続き中だけ休職できないかを交渉するか、退職することになります。
これは困るでしょうから、自己破産をせずに”任意整理”か”個人再生”の方法で借金が整理できないかを検討されると良いでしょう。
持家は手放すことになる
また、問題になるのは持ち家です。
自己破産をすると持ち家は没収されて競売にかけられてしまいますから、自己破産手続きをしてからおおよそ1年以内には退去して、引っ越さなければいけません。
もし持ち家を手放したくないのであれば、”個人再生”という方法を利用します。
借金が600万円であれば、おそらく120万円ほどに減額されるでしょう。残った借金は3年~5年かけて返済していきます。持ち家は没収されず、そのまま住む事ができます。
合わせて読んでおくと良いページ

自己破産は最終手段ですので、債務整理の経験が豊富な法務事務所に相談して、最初に任意整理か個人再生で解決できないかを検討されると良いでしょう。