債務者さんからのご質問

奨学金が返済できません。残り900万円ですが、給料が低いうえに、通勤には車が必要なので個人再生したいと思っています。

雨宮先生雨宮先生

奨学金の個人再生は出来ますが、減額された分は連帯保証人に一括請求されます。

奨学金返済は個人再生・自己破産ができる

奨学金の個人再生はできますか
日本の奨学金は海外と違ってただの借金ですので、個人再生もできますし、自己破産をして借金をゼロにすることもできます。

6年制の大学に行ったり、大学院に進んだ学生さんだと、借りた奨学金が1000万円に達していることも珍しくありません。
卒業後に返済し続けていくだけの給与を得られる職に就けず、債務整理をする方は大勢います。

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問題は連帯保証人に請求されること

奨学金はご本人の名義で借りられたと思うのですが、おそらく親や親族が連帯保証人になっていると思います。

この場合、債務整理をすれば、返済できなかった借金は親の方に請求されることになります。

親に奨学金の一括請求がされる例

例えば1000万円の奨学金が返済できなくなって、個人再生を申し立てたとします。

この場合、法律で定められた最低弁済額は借金総額の5分の1、つまり、奨学金の返済額は200万円に圧縮できます。車も手放さなくて済み、200万円は3年~5年をかけて返済していくことになります。

ですが、圧縮された800万円分については、連帯保証人である親や親族に一括で請求されることになります。

もし親が一括返済できない場合は自己破産や個人再生をすることになります。多くの場合は家を手放せない状況ですので、個人再生をします。

親が個人再生をすれば、800万円の借金は5分の1に圧縮、つまり160万円になるでしょう。もし財産や預貯金がたくさんあれば、返済額はもっと増えます。

一括返済できた場合

親の場合だと一括返済できるほどの預貯金や財産を持っていることもありますので、この場合は個人再生を申し立てても認められません。
ですが、老後のための貯蓄を失ってしまうことになります。

雨宮先生雨宮先生

親に甘えて債務整理をする方もいますが、親御さんの貯金を奪ってしまうことになりますので、正直言うとあまり債務整理はお勧めできません。

頑張って働いて返済するべきだと思う

奨学金の個人再生をしても介護問題にあたる

ですので、本当は職種を選ばず頑張って働いて、奨学金は自分の力で返済していくべきだと思います。

「〇〇の専門の大学を卒業したから、仕事もその専門を選びたい」と思われる気持ちもよく分かります。ですが、親御さんの老後の資金を奪ってしまうと、それが将来自分に跳ね返ってくることがあります。

具体的な例を挙げると、介護です。介護にはお金が必要です。お金があればヘルパーさんを雇うこともできるのですが、お金が無ければ子供が介護することになります。

親の介護に時間を奪われれば、収入を得るための仕事の時間も奪われます。これが長く続くといずれは親子ともにお金が尽きてしまって、結果的に共倒れになってしまいます。

国が用意している安価な老人ホームは施設数が足りず、現在は数年待ちの状況です。要介護認定も厳しくなってきていますので、この先はもっともっと介護施設に入居できにくくなるでしょう。

職を選びたいと思われますが、将来生き続けるためには、果たして職を選んでいて良い状況なのかと考えると、どうでしょうか?

奨学金の貸主にも交渉できる

知らない人もいらっしゃるかと思うので書いておきます。

例えば日本学生支援機構の奨学金であれば、返済が苦しい場合は一定期間だけ返済額を半額にしてくれたり、返済を一時ストップできる制度があります。

【関連ページ】返還が難しいとき | 日本学生支援機構

もちろん審査はあるのですが、こういった救済制度を用意していますので、奨学金の返済が難しい場合は、債務整理をする前に検討されてはいかがでしょうか。

雨宮先生雨宮先生

奨学金の返済が苦しい状況は分かりますが、安易に債務整理をすると、その先もっと苦しむ可能性があります。